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【連載小説】竜宮城から#2

「ジョシュアさん!!!」
「なんでいるの!?」
 部屋中にジョシュアさんの驚いた声が響く。
「今日からこの家に住むことになったんです」
「えええ。でももう住む場所なんてないじゃん。まさかお店側?」
「そのまさかです」
 この家には裏側に2部屋、お店側に2部屋の合計4部屋が存在する。お店側の僕の住まない方のもう一つの部屋にはただマッサージベッドだけが置かれている。
「なるほどね。じゃあこれからは毎日飲めるじゃん」
 ジョシュアさんと僕はSNSを通じて出会った。僕が留学についてSNSで投稿しているのを見つけたジョシュアさんがメッセージを送ってくれた。そこから数回会って、仲良くなった。そして「家引っ越したからおいでよ」とジョシュアさんに誘ってもらって、僕らの共通に友達をもう1人、そしてジョシュアさんのルームメイトの合計4人で語り合ったのがこの新しい家だ。ジョシュアさんはカメラと音楽が好きなオーストラリアの大学生。オーストラリア人の父と日本人の母を持つ。
「りおんさんは?」
「りおんはね今タイに旅行に行ってるよ」
りおんさんはこの家の裏側の2つのうちの1つの部屋に住んでる人だ。YouTubeもしている。
「そうなんですね。じゃあしばらくは2人暮らしですね」
「いやあ。俺も実は今日から出かけるから君1人だよ」
申し訳なさそうにジョシュアさんが頭を掻く。
「まありおんは明日くらいには帰ってくるんはないのかな」
「ならよかった」
「じゃ、これからよろしくね」
荷解きをしてすぐ寝る準備をした。明日りおんさんが帰って来たら挨拶しよう。

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