雲母

雲母(うんも)という鉱物をご存知だろうか。

雲母(うんも)は、ケイ酸塩鉱物のグループ名。きらら、きらとも呼ばれる。特に電気関係の用途では、英語に由来するマイカの名前で呼ばれる事も多い[1]。英語のmicaはラテン語でmicare(輝くの意)を由来とする。
出典 ウィキペディア

この鉱物は石のわりに脆く、
石の表面を剥くと薄い鱗片と崩れたときにできた粉末になってしまう。

きらきらした粉として日本画の画材としても使われている。

私はこの石が私に似ていると思う。

自問自答しているときの私に。

思春期のころ、私は自分批判を暇つぶしにしていた。
それでもって、殊勝なつもりだった。

毎日自分がいなければどれだけ事態が好転するか考えた。
自分という対象は責めやすいのだ。
しかし、自分を責めるうちに責められる自分、責める自分の二人の自分ではない、第三の自分が生まれる。

そいつがいうのだ。
「でも、お前もお前だろう」と。
更にそれに対して第四の自分が生まれる。
エンドレスループ。

自分を責める自分は全て自分なのだ。
誰も勝者になれない。
勝者なきまま、自分を細分化させていく。

そして、雲母の実体は霧散する。

元は一つの鉱物なのに、幾重にも分裂して手をきららと輝く粉まみれに汚す。

十年経ったいまでも、
私の中に複数の私がいて私を観察し続ける。

自我が分裂しすぎて、私は自分というものさえわからなくなった。
幾重にも剥きすぎて原型を留めぬ鱗片になってしまったかもしれない。

一体、私は何を望んでいるんだろう。
今自分は本当に苦痛を感じているのだろうか。

手にこびりついたきららと光る粉だけを頼りに、私は今日も雲母のリバースエンジニアリングを始める。

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