「GeoGuessr」で知識を得るということ【益城町と震災】
「GeoGuessr」というゲームを知っているだろうか?
簡単に言うと、いきなりGoogleストリートビューのどこかに飛ばされ、そこがどこなのかを当てるクイズみたいなものだ。
最近一部で流行っていたので久々にやってみたが、ハマるハマる。
ゲーム内容はとても単純なのだが、自分の知識やテクニックが試されるのと、「こんな場所あったんだ!」という発見が素直に楽しい。
なんだか昔と違って課金要素が強めになった気がするが、それだけ人気なのだろう。GeoGuessrのプロも居るみたいだし。
自分はもちろん「日本」のエリア限定で遊んでいる。
めちゃくちゃ頻繁に「遊ぶにはPro版を課金してね!!」みたいな表示になってしまうが、時間が経てば続きが遊べるので問題ない。
むしろそれが良い休憩時間になる。
止められなきゃ永遠にやってしまいそうだし。
このゲームは日本一周をした人なんかはめちゃめちゃ楽しめるんだろうなと思う。
一周してない自分ですら、見たことがある地名や標識などに出くわすと旅の思い出が蘇ってきてテンションが上がるくらいだ。
そして現在地を探る過程で様々な知識も手に入る。
例えば、岐阜の辺りに飛ばされた結果、「アカンダナ山」という海外の山としか思えない名前に出会えたりした。
いや真面目な話をすると、本を読んだり地図帳をじっくり1時間眺めるとかのほうが得られる知識量としては多いのだろうとは思う。
しかし楽しみながら出来るというのは大事なことだ。
なにより、方角や店の名前や観光地名など、あらゆる情報を能動的に探ることになるので、普通に旅行するよりも情報の吸収量は多いかもしれない。
普段は道の繋がりやら川の存在なんて全く気にしない自分が、必死になって画像と地図とをいったりきたりしているのだから。
さて、そんな自分がGeoGuessrをプレイしていたときのこと。
スタートすると、飛ばされた場所がこんな感じだった。↓
瓦のようなものが落ちている。
「瓦の落ちちゃった家を激写したとか凄いタイミングだな!!」なんて感想を抱いたのは言うまでもない。
うちの母も「洗濯物干してるとこ写さないでほしかったわよ!」とか言ってた気がするが、グーグルの撮影班はこちらの都合とか関係なく動いているから、それも仕方ないのだ。
……しかしここはどこなのか。
動き回って情報を探ろう。
そして、すぐさま周囲の様子がおかしいことに気づく。
多くの崩れた家と土にまみれた道路。
これは明らかに何らかの災害を受けた地域だ。
(東北か……?)
そんな考えが浮かぶ。
(しかし東北はさすがにもう綺麗になったのでは……?)
そんなことを考えつつ、場所を移動し情報を探っていく。
ドラッグストアのコスモスを発見。
自分の経験上、これは西日本でよく見る気がする。
(実際は中部や関東にも普通に店舗はある↓)
そして大事なのはどこの店かだ。
益城店……えきじょう……?
自分の脳みその中には、この地名の情報はない。
道路に出たら、さくらももこ全開な看板を発見。
静岡……?
でも静岡であんな家がいくつも崩れる災害なんてあっただろうか?
うーん、地名がわかっているのに全然どこだかわからん。
(「益城」の読みは「ましき」だった)
あっ。
熊本だわこれ!!
さっそく地図で熊本のあたりを見ると、益城町を発見。
サンジ像も発見。
そういえばワンピースの銅像を建てて経済効果が凄かったという話を聞いた覚えがある。あれは熊本だったのか。
さて、ではそれっぽい場所を選択して……
結果は……!?
3kmズレた。
まあそんなもんだよ……うん。
しかしこの土地、ちょっと気になるな……。
調べてみよう。
『益城町』
読みは「ましきまち」だ。
この町を紹介するにあたって避けられない事柄がある。
GeoGuessrでも見た、熊本地震による被害だ。
益城町は2016年4月14日、そして4月16日の二度にわたって震度7の地震に襲われ、大きな被害を受けた。
益城町宮園にある震度計の計測震度は6.78を記録。
全壊家屋の数は凄まじい軒数となった。
調査の結果、益城町は豊富な地下水によって、丘陵でありながら火山灰質軟弱地盤になっており、地震動が増幅されたとのこと。
そしてなんとなく市の資料を見ていたら、避難所の使用に関して、
めちゃめちゃ紙一重の判断をしていたようで震える。
もちろん熊本地震の被害は益城町だけではなく、熊本の広い範囲で凄まじい被害を与えた。
熊本城の石垣が崩壊した映像を覚えている人も多いだろう。
・・・
さて、つながる旅行記#123のねぶた祭は2016年8月のもの。
4月に起きた熊本地震の約4ヶ月後の出来事だ。
だから、ねぶたに「ケッパレ!(がんばれ!)熊本!」があったのである。
#120の弘前のねぷた祭りでも熊本要素があったのはそういう理由だ。
熊本と青森。
相当距離的に離れている2県だが、支える気持ちに距離は関係なかった。
……なんだかGeoGuessrがきっかけで、自分が熊本地震をいかに理解していなかったかを知った気がする。
GeoGuessrで気になる場所を見たら、そこについて後でしっかり調べることで、普段とは段違いの記憶の定着率で知識の強化が行えるのだ。
しかしGeoGuessrの表示を見るに、2023年でもあの状態なの……?
・・・
そんなことある?
……ちょっと本家ストリートビューを見に行こう。
うーむ、瓦礫だらけでやはり悲惨だな……。
さて、撮影した日にちは……?
いやめっちゃ2016年!!
案の定、GeoGuessrでの2023年の表示は「その場所を撮影した日時」を出しているわけではなかったようだ。
まあそりゃそうだ。あの状態を7年放置するわけがない。
震災が起きても、支え合って復興するのが日本なのだ。
だから……
GeoGuessr、やろう!!
(着地点を考えずに記事を書くとこうなる)
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