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鎌倉殿の13人第22回感想/征夷大将軍に曽我兄弟の仇討そして鶴丸の正体、全部気になります!

曽我そが兄弟、比企能員ひきよしかず蒲野冠者かばのかじゃ

八重やえ(演:新垣結衣あらがきゆい)が亡くなり
すっかり意気消沈してしまった小四郎こしろう北条義時ほうじょうよしとき、演:小栗旬おぐりしゅん)。
彼女の死は自分に対する天罰だととらえ
非道な行いに手を染め続けなければならないまつりごとの中心にいるよりも
金剛こんごうくん(演:森優理斗もりゆりと)との生活の方を大事にしたい。
その気持ちはわかる気がする。

元々小四郎は元々世の中を変えることに興味は無かったはずだ。
兄・三郎さぶろう北条宗時ほうじょうむねとき、演:片岡愛之助かたおかあいのすけ)がいなかったら
頼朝よりとも(演:大泉洋おおいずみよう)の挙兵にも積極的に加わっていたかどうか。
それが三郎から頼朝挙兵に加担する真意を聞いたことで
兄の夢が小四郎の夢にもなる。
兄・三郎は志半ばで亡くなってしまうけど
その意志を継ぐ形で
小四郎は頼朝を中心とした坂東武者ばんどうむしゃの世を作ることに邁進まいしんしてきた。
しかしそれも、ほぼ達成できたようなもの。

平家へいけ奥州おうしゅう藤原氏もいなくなり源氏にあだなす者はいない。
世の中を荒らしまわった後白河法皇ごしらかわほうおう(演:西田敏行にしだとしゆき)もまた崩御ほうぎょされた。
そして頼朝は征夷大将軍せいいたいしょうぐん
名実ともに武家の棟梁とうりょうとなったのだ。
三郎が思い描いていた”坂東武者の世”とは、まだ少し違う気もする。
でも多くを望まない小四郎には今の世で十分なのかもしれない。

しかし棟梁が源頼朝
これが最大のリスクとしか思えないのも事実。
はたから見ていると、とってもあやうく感じる。
だって今までの彼の言動を顧みると、どう考えても人望が……。
しかも、頼朝が重用ちょうようするのはいつだって”今もっとも使える人物”だ。
今の世を作るために必死に戦ってきた坂東武者たちの奉公ほうこう
きちんとむくいているのかどうかも怪しい。
『鎌倉殿にないがしろにされてる』
そう感じている坂東武者たちは多いのかもしれない。
ともなれば、そりゃ不満もたまっていずれは爆発してしまうだろう。

それに危ういのは、そういう不満分子の存在だけじゃない。
常に権力の座を狙っている比企ひき一族のような存在も厄介事やっかいごとの種を生む。
鎌倉で今最も狡賢ずるがしこいのは
この比企一族の比企能員ひきよしかず(演:佐藤二朗さとうじろう)。
と、その妻・みち(演:堀内敬子ほりうちけいこ)もか。

人が好い蒲殿かばどの(演:迫田孝也さこたたかや)に
少し火を焚きつけようとしていたように見えるし
曽我兄弟の仇討あだうちの真意を聞いて
これもまた北条を追い落とすチャンスと捉えている。
そもそも曽我兄弟のたくらみが
上手くいってもいかなくても
自分たちの都合好いように立ち回ってる辺りが本当にズルいw

そんなわけで鎌倉には
まだまだ安寧あんねいは訪れ無さそう。
曽我兄弟の仇討はただの親の仇討ち
と思い込んでいる時政ときまさ(演:坂東弥十郎ばんどうやじゅうろう)も
知らないうちに権力闘争のうずに巻き込まれてしまうわけで
そうなれば小四郎も首を突っ込まざるを得なくなるのでしょう。
ちょっと可哀そうだなー。

そういえば、比奈ひな(演:堀田真由ほったまゆ)は小四郎にフラれちゃった。
今の小四郎の気持ちを考えると当然といえば当然。
でも比奈の方は逆に小四郎のことが気になっちゃったように見える。

通説では小四郎の方が猛列にアタックしたはずなんだけど
『鎌倉殿』では今後の二人、どうなるんでしょう。
気になります!(千反田ちたんだえるw)

金剛こんごう鶴丸つるまる行末ゆくすえ

気になると言えば、金剛こんごうくんと鶴丸つるまる(演:佐藤遙灯さとうはると)の関係。
八重の亡くなった原因に鶴丸が1枚噛んでいるだけに
鶴丸のことを恨むなと言われても恨んじゃうのでは……
なんて思ってたけど、さすがは後に御成敗式目ごせいばいしきもくまとめる人です。
そんなのまったくの杞憂きゆうでした。

二人は仲のいい兄弟のように育ち
お互いをお互いが助け合いながら生きていくのかな。
今回金剛くんが鶴丸を守った話は
そんな未来を予見させるようなエピソードだった。

ちなみに鶴丸は架空人物だと思うんだけど
誰かモデルはいるのかな~?
と軽く調べてみたけど分からず仕舞い。
小四郎に養子がいた話とかもないのかな??

成長したら金剛くんの右腕的存在になりそうな気配もある鶴丸。
次回金剛くんは急に大きくなりそうなので(笑)、
青年になった鶴丸のお披露目もあるかもしれない。
どんな名前になるのかも含めて、気になります!

征夷大将軍せいいたいしょうぐんは余り物だった

ところで頼朝が遂に征夷大将軍になったわけだけど
頼朝は征夷大将軍を望んでいたわけではない
というのが研究成果で明らかになっているらしい。

例えば、『鎌倉殿』の時代考証担当の1人、坂井孝一さかいこういち先生も
こちらの著書で頼朝が征夷大将軍に任じられた経緯や
頼朝の思惑について触れている。

それによれば、頼朝が狙っていたのは
「征夷大将軍」というよりは「大将軍」。
「将軍」より格上の「大将軍」の号が欲しかったらしい。

「将軍」とは「鎮守府将軍ちんじゅふしょうぐん」のこと。
これはかつて頼朝の先祖である河内源氏かわちげんじ源頼義みなもとのよりよし義家よしいえ
あるいは奥州おうしゅう藤原秀衡ふじわらのひでひら(演:田中泯たなかみん)等が任官された
当時の武門最高栄誉職。
東国を束ねるための権威的象徴でもあったようだ。

でも頼朝はそれを超える権威を欲していた。
日本全土を支配するためにもより影響力の強い権威が欲しかった
ということなのかな。

そして朝廷がその頼朝の要望に応えるために挙げた候補が以下の4つ。

  • 征東大将軍せいとうたいしょうぐん

  • 征夷大将軍せいいたいしょうぐん

  • 惣官そうかん

  • 上将軍じょうしょうぐん

「征東大将軍」は木曽義仲きそよしなか(演:青木崇高あおきむねたか
「惣官」は平宗盛たいらのむねもり(演:小泉孝太郎こいずみこうたろう)が任官されていて
いずれも滅んでしまっていることから不吉として候補から外れる。
また「上将軍」は日本では先例が無かった。
「上将軍は」かつての中国では将軍の最上位者を意味する官職。
例えば「国士無双こくしむそう」とうたわれた
前漢の韓信かんしんが任官されていた。

となると、「征夷大将軍」のみなわけだけど……。
「征夷大将軍」といえば坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろだ。
蝦夷えみし阿弖流為あるていを倒すなど征夷に大きく功績を残した人物。

これなら吉例、問題ないだろう
という消去法によって「征夷大将軍」が選ばれたらしい。
なんか後ろ向きな選定方法でちょっと嫌w
そしてこの話を知って以来
征夷大将軍の権威的イメージは自分の中で若干落ちたw

ちなみに征夷大将軍が武家の頂点の象徴となるのは
もう少しあと、室町幕府の3代将軍・足利義満かららしい。

前から思ってる不思議な事

以前から実はずっと気になってることがあって。
小四郎って和田義盛わだよしもり(演:横田栄司よこたえいじ)とタメ口なんだけど
和田殿って、小四郎より全然年上なんだよね。

和田殿が1147年生まれで、小四郎が1163年生まれだから
一回り以上、16歳も年齢が離れているんですよ。

逆に小四郎より年下だったりするのが三浦義村みうらよしむら(演:山本耕史やまもとこうじ)。

三浦義村は1168年生まれ(Wikipediaによると)だから
小四郎よりも5つ年下になる。

ちなみに顔が好い畠山重忠はたけやましげただ(演:中川大志なかがわたいし)は1164年生まれで
小四郎より1つ下、三浦義村より4つ上。

つまりこの中で三浦義村が一番年下なんですよ!!!
なのに一番態度がでかいような気がしなくもない……(笑)

というか、小四郎と和田殿もタメ口で友達感覚なんだけど
これは三谷さんの演出上なのか
それとも実際にこの当時はさほど年齢は関係なかったのか?
というのがずっと頭の片隅に残りながら見ている。

この辺の事情に詳しい方、教えてください。
気になります!!w

そして次回予告。
仁田忠常にったただつね(演:高岸宏行たかぎしひろゆき)のセリフが
鎌倉殿死亡の誤報のように聞こえて
有名な(?)蒲殿の迂闊うかつなセリフがくるのか!?
と思ったりもしたんだけど……
よく考えたら仁田殿は曽我兄弟たちの襲撃で活躍するはず。
むしろ大活躍なはず。
ということは、あのセリフはおそらく
誤報とは関係の無いシーンのセリフ。
視聴者の予想の裏をかこうとした演出側の戦略か!?
とか思ったりしたんだけど、どうなんでしょう。
気になります!!(了)

付録的なもの

【視聴メモ】
天罰だ
鶴丸を恨んではならん、その分、母を敬え
建久元年11月9日
おごった武士
新しい世、戦のない世
工藤殿が歌会に連れていってしまった
九郎殿は強かったw
兄と違ってわしが暇だからだ
曽我兄弟、五郎の烏帽子親は北条時政
姉上にはよく首を絞められていました!?
乱世をかき乱すだけかき乱しw
建久3年7月征夷大将軍
千幡さま、源実朝
私の占いが半分しか当たらないwww
比企能員の姪・比奈
自分の思いで動いたことなどございません
色恋になるとしつこいと噂の小四郎w
むっつりでしょ!聞いたことある
北条の一族、だからこそ慎み深く
曽我兄弟の仇討
東大寺大仏殿、法住寺、不動明王像

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第22回「義時の生きる道」より


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