第1441回  2023年「私の選ぶ今年の一冊」

1、今年も素敵な読書体験できました

年末押し迫ってきましたので毎年やっているこの企画もそろそろ投入しようと思います。

今年どんな本を読んできたのか。

それを振り返るだけでも自分の学びになります。

特にこの記事では2023年に出版された本を取り上げます。

今年前半はNoteをあまり更新していなかったので、

一部は読書メーターのつぶやきの引用になります。

2、読書一覧

①山田康弘2023『足利将軍たちの戦国乱世 応仁の乱後、七代の奮闘』中公新書

②渡邉大門編著2023『天下人の攻城戦 15の城攻めに見る信長・秀吉・家康の知略」

③平田陽一郎2023『隋−「流星王朝」の光芒』中公新書

④筒井功2023『近代・東北アイヌの残影を追って』

⑤上田信2023『戦国日本を見た中国人ー海の物語『日本一鑑』を読む』

https://note.com/tunawataridori/n/n854b908f807f

⑥J・F・モリス2023『伊達家:仙台藩 家からみる江戸大名』吉川弘文館

⑦柳谷慶子2023『江戸のキャリアウーマン: 奥女中の仕事・出世・老後 』 (歴史文化ライブラリー 568)

⑧岡本隆司2023『物語 江南の歴史 もうひとつの中国史』中公新書

⑨辻田真佐憲2023『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』 (講談社現代新書)

⑩東北大学日本史研究室2023『東北史講義【近世・近現代篇】』ちくま新書

11 東北大学日本史研究室2023『東北史講義【古代・中世篇】』ちくま新書

12 北野信彦2023『天下人たちの文化戦略: 科学の眼でみる桃山文化』歴史文化ライブラリー

13 遠藤ゆり子・竹井英文編『戦国武将列伝1 東北編』

14 望月昭秀ほか『土偶を読むを読む』


3、今年のベスト

今年出た本で、という条件を外すとまだまだあるのですが、

ここにあるのは出版されたばかりですぐに読みたくなって買ってしまった、というもの、ということになります。

少し世間の評価を見定めてから、とか

専門書だから必要に迫られたら買えばいいか、というものが覗かれるので

ある意味自分が本当に興味関心のあるもの、ということになりますね。

東北史や伊達家関連のものが多いのは、地元のすぐ使えるネタがあるのではないか、というところで早めに目を通したくなるものですかね。

また中公新書で中国史ものが2巻も出ているのが今年の特徴かな、と思います。

特に⑧の著者岡本氏は③の平田氏の著作を意識して書かれた部分もあり、リアルタイムで読めた面白さ、ということもありました。

そう、14の『土偶を読むを読む』は騒動に対してちゃんと専門家側の反論が世に出た、という点で記念すべきことでしたね。

中国史、日本中世史、考古学と私の興味関心がよくわかる読書リストですが、

個人的にベストな一冊としてあえてあげるなら、⑤ですね。

宣教師たちが見た戦国日本はよく人口に膾炙していますが、

お隣の中国から見た日本、ってこんなにリアルだったのにこれまで見逃していたのはなんともったいなかったことか、と思い知らされました。

しかしすごいところは、日本刀精神の本質もとらえているところ。
刀が鋭利であること(殺傷能力が高い)を知りつつも、人を殺めないことが重要で、その年数が長いほど、持ち主の精神性が高いことを象徴している、と見抜いています。

https://note.com/tunawataridori/n/n854b908f807f

と以前のNoteにも書きましたが、隣人の目から見るとよくわかるものです。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

ぜひ皆様の「今年の一冊」もコメントで教えていただけると幸いです。




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