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[デザインの英語] Strawman

ゼロから何かを考えるのは難しいけど、何か目の前にあるものに意見を持つのは簡単だ。みんなの主張を集めて決めたはずなのに後から意見が出てくる、みたいなことはよくある。後出しする人に悪気があるわけではなくて、聞かれたときには思いつかなかったことも具体的になると気付くようになるからだ。その分野に経験豊かな人なら先読みできることでも他の人には見えない。

Straw-man proposal とはわざと適当な(適当に見える)提案を作って議論を活性化させるテクニックだ。

A straw-man proposal is a brainstormed simple draft proposal intended to generate discussion of its disadvantages and to provoke the generation of new and better proposals.
Wikipedia

わざと隙を作ることで欠点についての議論を促し(generate discussion of its disadvantages)、新しい、より良い提案が作られることを誘発する(provoke the generation of new and better proposals)。

Brainstormはみんなでやるブレインストーミングとは限らなくて、「急に思いつく」みたいな意味がある。たぶんそっちが元々の意味。ここではあまり考えずに思いつきで書いた草案、くらいの意味だろう。

藁でできた人形。雑に作られているから、倒されることが前提のStrawman。

Strawmanの使い方

例えばあるプロダクトの開発プランを作ろう、という時に立派な提案書を作って持っていくのではなく、10分くらいで作った適当な案をもとに関係者に質問や意見を出してもらう。

「予算はいくら必要ですかね」と聞くよりも「1200万円」とStrawmanに書いておく方が具体的な反応が得られる。人は具体的なものを見せられると反応してしまうし、その反応が「足りない!」であればなぜ足りないと思うのかを考えることになる。

準備に時間をかけるよりも、Strawmanで意見を引き出した方が早いことが多々ある。

コツ

体裁を整えすぎないこと、詳細を盛り込みすぎないこと。でもある程度のリアリティを持たせること。相手が思わず突っ込んでしまうラインを狙う。

議論したい項目は必ず盛り込むこと。内容は大雑把でいいが、何かそれっぽいことが書かれていることが重要。例えばスケジュールの話を引き出したければ、スケジュールを盛り込む。書かれていないことは議論されない可能性がある。

適当に短時間で作れば良いのだが、必要な構成を考えてただのデタラメにみ得ない程度の内容(デタラメに見えると無視されてしまう)を盛り込む必要があるので作る人にはそれなりの経験がいる。

また議論の内容がStrawmanに引きずられるので、全く新しいアイデアを出したい場合には向いていない。


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