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『二十五、二十一』辛い時代だからこそ、今を生きることを大切に。

「二十五、二十一」最終話を見終わり、まだ感情の整理がつかないのりしおです。とにかく、1番の感想は、素晴らしい作品に出会えて良かった!ということ。
しかし正直、最終話配信の日はもやもや?というかどう消化していいかわからない状態でしたが、見終わって数日経って、二十五、二十一を思い返していろんな感情が湧き出てくるということ。
とりあえず自分の思いのままに、感情の整理をするのを目的として、二十五二十一の感想を綴りたいと思います。主に最終話の話をするかと思いますので、未視聴の方はお気をつけください。

二十五、二十一 とは

本作は、未曾有の経済危機に揺れる1990年代(1998年)の韓国を主な背景に、時代の混乱の中で出会った若者たちの愛と青春の物語である。誰しもの記憶のどこかにおぼろげに残る、フィルターで補正され、美化された可笑しくも切ない青春時代を描く。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/二十五、二十一

作品紹介したいのですが、たぶん長くなりそうなのでとりあえず引用。
早速、最終話の感想を綴ります!


永遠なんてない。でもね…

10話最後でヒド(大人)がみんなで海に行ったことを覚えておらず、ミンチェ(娘)が「永遠が続くようにって写真を撮ってた」と言った後のヒドのセリフ。

永遠なんてない
全ては一瞬で終わって
消えていくものよ
でもね
それも悪くないわ

ep.10

これが全てなんですよ。
最終話を見終わりこのセリフがすぐによぎりました。
大人になったヒドが言うこの言葉は、ヒドの青春時代を見た我々にとっては理解できる言葉で、全てを知ってるからこそ納得いく言葉。
10話を見てこの言葉を聞いた時、はじめは不安しかなかった。ヒド…大人になってなんでこんなことを言うの?幼いヒドは前向きでひたむきに明るいヒドなのに、大人になれば悲しいことを言うのね…
と少し悲しくもなりました。
けど、これも現実の人生で…我々はドラマの中にいるのではなくナ・ヒドという実際にいた人物の人生を垣間見たような…そんな気持ちでした。

イジンはともかく、他のみんなとは?
大人になったシーンではヒドの友人は誰一人出てきません。スンワンと葬式のシーンでスンワンが「葬式でしか会わなくなったな」と言ってたのですが、成人してそれぞれの道を歩み始めるとやっぱり会う回数も減りますよね。
けどそれは会えないだけであって、あの頃の楽しかった美しい思い出とみんなへの信頼、があるからこそ会わなくてもなんてことないんです。大人ってそういうものなんだなって…
特にヒド大人シーンでは、リアルにコロナ禍なので会えないのは当たり前の時代だからなのか…

思い出って綺麗なままだと、年数経つにつれてもっと綺麗になっていったり、あの時は幸せだったな〜楽しかったな〜戻りたいな〜けど、今は今だしな〜あの時の記憶あるから頑張れるしな〜〜過去思い出したり写真見る時って自ずと笑顔になるというか…そういうやつが、過去の幸せだった頃の永遠なんだ。

過去の永遠って日本語おかしいけど、あの時は永遠だって思ってもやっぱり人生はそうずっと幸せではなく、いろんな出来事があって、それを経験したからこそ、あの頃の思い出の中は永遠なんだと…

すみません、たぶん言ってること意味わからないかと思いますが、わたし「永遠」という言葉にかなり悩まされてるので永遠ってワード出ると一生悩んでしまう。笑
けど二十五、二十一の永遠には納得した、綺麗な永遠だった。

追記:
二十五、二十一の永遠の解釈が自分にとって1番腑に落ちると感じました。この永遠が理解できない時はまだ自分の気持ちも不安定で不安なのかな、
この永遠が理解できた時は自分も前を向いている時なんだなぁと思いました。

ターニングポイントはトンネル

イジンやヒドの感情や生き方、気持ちが変わるシーンはトンネル。という演出が素晴らしかったです〜!
2話でイジン「どんな瞬間も幸せになりません」
というイジンに対し、
「これから私と遊ぶときはこっそりと幸せになるの。二人の時は誰にも内緒で少しの間幸せになろう二人だけの秘密」というヒド。
この後トンネルでイジンの手を引いて走っていく。
その後もいろいろなタイミングで出てくるトンネルですが、最終話の最後のシーンでは
ヒドが「イジン、長い間あなたをここに置き去りにしていた」と。

ヒドはやはり良い思い出でありつつ、ここの別れのトンネルでのことは「長い間 私を苦しめた 修正したかった別れの瞬間」と言っていて…
けどイジンは日記をあの時に読んでいるからイジンは前を向けていると思うんですよね。
ヒドは心残りだったのかもしれないけれど。

このシーン、完全に私の主観なのですが、、、

2人が書いた日記「ほんとうは言いたかった事」を言っている時は向かい合っているような演出で、けど実際は2人の上半身を交互に映しているという演出。向かい合ってるシーンもあるが遠くの上から撮っている感じで。
あえてここをしっかり向き合っていない演出はすごかったです…

2人が話しているように演出しているが、これはヒド(大人)の思い出が修正されてまたさらに綺麗になった青春の一貫。ヒドの頭の中ですよね。
イジンは日記を見ていたのでもうあの時には修正されていたはずだけど、ヒドはやっと今修正された。
ちゃんとイジンを送り出してあげた。綺麗な記憶になってヒドは救われたと思う。またそして幸せに生きる一歩になったと…

けど私は思い出すとちょっとツライ!涙腺ガバガバ!笑

トンネルの話ばかりでしたが、このシーンは本当に美しい別れでした。

バイバイ ペクイジン
バイバイ ナヒド

悲しい別れではあるけど、とても綺麗な描写にこのシーンは忘れることはないでしょう。


元気が出るナ・ヒドの言葉

底抜けに明るいキャラクターのナ・ヒド。
ヒドの明るい前向きなセリフに元気が出た方もたくさんいらっしゃるのでは?と思います。
その中でも1番印象に残っているセリフは

慰めないでからかって
悲劇を笑いに変えると気分がマシになるの
笑うと楽に忘れられるし
次のチャンスがくる

ep.4

いつもどんな時も笑っているヒド。自分が辛かった時でさえ。そしてこのひたむきに前を向く言葉に元気をもらった。


辛い時代を生きるということ〜このドラマは全世代に当てはまる〜

ドラマの初っ端から、なんだかおお…となったマスク姿。そして時代がヒドの少女時代に変わるとIMF危機に揺るがされてる時代が。
このコロナ禍とIMF危機をうまく掛け合わせた、時代に沿ったドラマだった。

最終話が終わってすぐはこの結末に若い子には理解できないのでは?と感じでしまった。やっぱりドラマってハッピーエンド♡な所があるから。けどその後、2521のいろんな場面を思い返すと、このドラマって全世代に当てはまるのではないか…!今の状況だからこそこんなドラマが誕生したのでは…?と。

例えば、大人のヒドと同じ年代の方やそれより上の方は1990年代の描写に懐かしむであろうし、あの頃のこんなんだったな〜とか、大人のヒドと同じようにこんな恋愛したなぁ、とか過去の恋愛と少し重ねたりなんかして。
あの頃のあの時代は〜〜なんて思ったり。

では、それより若い年代は…?学生の人なんかはきっとヒドがフェンシングに向き合う姿や、ユリムの苦悩、スンワンの自分の生き方の悩み、ジウンの真っ直ぐな恋。とか。

社会人の方には、ヒド母のプロの仕事の仕方や、イジンの先輩の言葉。イジンの仕事への向き合い方など。(無理しちゃダメよ、とは思う。あれは働かせすぎ。)

子を持つ親には、ヒド母の自分の人生のと子どもとの揺れ動く気持ち、親子のぶつかり合い。
特に母は娘の事を想って言う言葉は、10代後半の思春期の我が子には上手く伝わらない。娘を思えば思うほど、娘にとってはやっかいだったり、頑張れば頑張るほどすれ違ったりする親子関係。素直になれない親子関係。
ユリムの両親はひたむきに子どもを想う気持ち。スンワン母もかっこよかったですよね、ああいう母親になりたいって思ったり…

このドラマの登場人物のどこかの誰かに自分を重ねて共感することができたんじゃないかなぁって思います。
そう思ったらこの脚本素晴らしくない!?と。

主に回想シーンで過去の年代の話だけど、今の時代と同じ経験した人もいるのでは?
これはあえてコロナ禍だからこそ多様多感な感じ方ができるドラマだったのでは…
だからこそいろんな方にオススメしたい、たぶん生きてる人はどこかしらで共感するはずです。

最後に


永遠なんてない、でもね
の所にも書きましたが、今このコロナ禍でほんの数年前のことでさえ「あの頃は良かった」と思ってしまうこの時代に「昔の記憶を思い出す機会が増えたのでは?」という人の気持ちが詰まったドラマだと感じました。

辛い時代だからこそ
今を生きることを大切に。
その今はいつか思い出になって
その時の経験が永遠となり
未来の自分を支えてくれる。

こう思わせてくれる、ドラマでした。
素敵な作品に出会えたと心から思いました。数々のドラマ見てますが、最終話から数日経ってもここまでまだ胸が熱くなるドラマは初めてだったかもしれません。

可愛い…

素晴らしい演技だった俳優の方々、に感謝しています。ナムジュヒョクさんは元々好きなのですが、ナムジュヒョクさんに、悲しい・不安・辛いの顔をさせたら天才です!涙を誘う演技です。
是非、ナムジュヒョクさんの涙に誘われたい方は「まぶしくて-私たちの輝く時間-」と「スタートアップ〜夢の章」も見てもらいたいです。

キムテリさんは初見でしたが、なんて可愛い人…キムテリさんのドラマもこれから見てみたいです。
ボナちゃんの演技も素晴らしくて、はじめはめちゃくちゃユリムが嫌いでした(笑)しかし後半からは愛おしくてたまらなかったです。個人的にユリムとヒドの馴れ初めなんかも今一度掘り返して語りたいくらいです!
ユリムとヒドの事思い出すと泣いちゃう〜!!!むしろこの2人がメインどころでは?思うことも。素晴らしい友情でした。

1番泣いたシーン

もう2521は私の中の素晴らしい思い出です。
ありがとうございました。


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