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スタローン幻のポルノ出演作で感じる「我が過去に一遍の恥なし」のマインド

シルベスター・スタローン。言わずと知れたハリウッドの大スター。

ホームレス当然の下積みを過ごし、止む無くポルノ映画に出ていたというのは有名な話。彼の成功はアメリカンドリームとして今なお語り継がれている。そのスタローン幻の作品を筆者は入手に成功(ゲオのレンタル)。その名は「ザ・イタリアン・スタローン」!

肝心の作品はというと、何というか。全体的にユルい。同じ画面が延々と続き退屈が勝る。お世辞にも、優れた作品でないというのが正直な所。しかし、スタローン本人の変遷と併せて見ると気付きや発見が多い。

これが当時のスタローン。若い。整った顔立ちの色男。彼が雪の積もる公園でアイドルさながらに、走って飛んだりする場面で映画がスタート。予告編にもふんだんに使用されているので見て頂きたい。

スタイルは良くてもアクション俳優としての体が出来ていない事がお分かり頂けるだろうか。柵を飛び越えてバランスを崩す辺りがそれを表している。

最も象徴的なのが、ジャングルジムの頂上で諸手を上げるこの場面。恍惚な表情を浮かべている彼が15年後。。

ソ連の雪山頂上で諸手を挙げ叫んでいるのである。これは、高みに登っても満足せずに闘志を滾らせ、鍛錬を重ね、進化した証に他ならない。

言わずもがな「ロッキー4 炎の友情」より

ポルノなので当然カラミのシーンあり。何なら女性3人とスライによる4Pのシーンも。流石「イタリアの種馬」。当時はモザイクやボカシなどがなく、白い丸で局部を隠しており目が散るといえば散る。

鏡を前にポーズを取るスタローン。力こぶを作ったかと思ったら今度は千葉真一の気合溜め?。「スペシャリスト」の構えに近い謎ムーブを感じた再生から13分13秒をカウントしたその時。

見えた。スタローンのスライが。鏡に写っている。
無修正で。ぶら下がっている。スタッフ気付いて!!

今作は70年の初公開から6年後。「ロッキー」公開の1976年に「Italian Stallion」と自らの名を冠した改題でリバイバル公開された。「あのフルチン野郎は俺だ!これがスタローンだ!!」と全てを晒したのだ。何という度胸の持ち主か。

それは何度ラジー賞を獲っても辞めないし、第3次黄金期の中で「大脱出2」の不出来を素直に謝罪する潔さを持つのも頷く。大衆を前に自ら曝け出せる者の強さだ

作品の最後は乱交パーティー参加の6人で両腕広げて腰クネクネダンスで終わり。ヘンリー塚本テイストですね。

「我が過去に一遍の恥なし」

どんな過去も今の自分に繋がっている、黒歴史で片付けないスタローンのマインドがここにある。


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