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今、世界中のまちづくりに大貢献してるらしい「タクティカル・アーバニズム」って何ですか?

「公共空間は共生社会を創り出す空間かも」
そう思ったのは社会福祉実習で駅周辺のホームレス調査をしていたとき。

駅から離れた公園には、ブルーシートでつくられたテントが並び生活感が漂う「テント村」が存在する。駅周辺では、誰もが使える椅子を設置する社会実験が行われている。

社会実験によって住民参加型のまちづくりがなされているのは素敵だと思いつつ、モヤモヤした気持ちが沸き上がる。
その社会実験によって零れ落ちている人はいないのか?
一部の地域住民にとってのメリットになっていないか?
でも、この社会実験は共生社会を創り出すものなのかもしれない

ちょと調べてみるとその社会実験は”タクティカルアーバニズム”というものの一種らしい。大学図書館でたまたまそれについての本をみつけたので、モヤモヤしたまま、モヤモヤはまだ消えないまま、”タクティカルアーバニズム”を少しご紹介

本紹介

私が手に取った本はこちら。全部読むとえらい時間がかかりそうだからつまみつまみ読んだ。


タクティカル・アーバニズムとは

従来の都市計画では、プロジェクトが大規模すぎて膨大な時間と費用がかかったり、透明性が不十分で行政への不信感を抱かせるなどの問題があった。なんとハーバード大学のロバート・カプランらの研究によると、「80%の計画は実行されない」らしい…

そんな中アメリカで生まれたのが”タクティカル・アーバニズム”

”意図的に”長期的な変化を触媒にする、短期的で低コストかつ拡大可能なプロジェクトを用いたコミュニティ形成のアプローチ

p16

ただ単に社会実験や短期的イベントを繰り返すのではなく、小さなアクションの繰り返しによって長期的なコミュニティの変化促すのがタクティカル(戦術的な)・アーバニズムらしい。
従来のアプローチと比べて費用が掛からず、常設ではなく、人間中心且人間主導で実施できる点がメリットだ。

長期的変化のための短期的なアクションを志向するタクティカル・アーバニズムは、トップダウンとボトムアップを往還するもの。政治家や行政だけでなく、草の根のコミュニティ活動や活動かなどがアクションの主体として重要な役割を果たす。またトップとボトムの中間にいる支援団体、専門家や民間の企業・団体も関わって成り立つものだ。

p23

官民連携を実現できるタクティカル・アーバニズムは、まさに今の時代に必要なのかもしれない。

タクティカル・アーバニズムの実際

●カナダのオンタリオ州ハミルトン市では、歩行者やサイクリスト、高齢者にやさしいまちを実現するために市の許可を得ずに交差点に路上ペイントやコーンを置く

●仙台市 定禅寺通では、地域住民等の日常的なコミュニケーションの場づくりを目的に、歩道空間にテーブルと椅子を設置する社会実験を行った

読んだ本にはこうした世界中の事例が写真付きでたくさん載っていて、とてもワクワクする

興味を持った方へ

この本の執筆にも携わり、タクティカル・アーバニズムに取り組む「ソトノバ」。パブリックスペースに特化したメディアプラットフォームを運営している。

本を買うと高いし、借りるのはめんどくさい…という方はぜひこちらを覗いてみてね。いくつかの記事に目を通せば「タクティカル・アーバニズム」のエッセンスがわかると思う。
私もまだ少ししか読めていないけどワクワクする記事ばかり!

福祉と交わるところ

ビジョンに向けて小さなアクションから始めるところ、住民が主体となるところは、ソーシャルワークの「コミュニティワーク」「コミュニティオーガニゼーション」と通ずる。

両者とも、人々の居場所をつくりウェルビーイングを高めるという目的は共通しているのだろう。

絶対、タクティカル・アーバニズムから学ぶことは多い。
正直、まだコミュニティワークもまちづくりも都市計画もちゃんと手をつけられていない墜落学生にとっては本だけ読んでいても仕方ない。

タクティカル・アーバニズムが実践された神田や池袋グリーン大通り、東京「COMMUNE」柏市「PUBLIC LIFE KASIWA」、西千葉「HARROW GARDEN」に出向いてみようと思う。

もっとパブリックスペースについて勉強して、あの時のモヤモヤに向き合いたいな

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