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2023年入試の時事問題を考える



 秋になると各塾から時事問題集が出版されます。

 その前に一足早く2023年入試で狙われる時事問題について見ていきたいと思います。


1,時事問題の考え方

 

 まず、時事問題の考え方からお話しします。時事問題は大きく2つのタイプに分けられます。

A:時事問題そのもの
B:時事問題に関するもの

 Aはニュースなどで報道される内容です。一方Bは授業で学習したAに関するものです。

 例えば2022年に参議院議員通常選挙が行われますが、選挙の結果(政党別の議席数など)がAとすると、Bは選挙や国会の仕組みといった、授業で学習した内容です。そして実際に出題されるのは圧倒的にBが多いです。その比率は1:9かそれ以上でBの比率が高いです。

時事問題の出題イメージ

 時事問題集が出ると保護者や塾はニュース解説に時間を割きますが、正直に申し上げてそれは賢い使い方とは言えません。時事問題集が出るのは大体10月末~11月初めです。その時期は過去問演習を行い、追い込みをかける時期です。その時期に入試本番であまり出ない、細かい部分に時間を割く余裕はありません。それならば、時事問題集の後半に掲載している問題演習に時間を割いた方が効率的と言えます(因みに毎秋個人的に時事問題を公表していますが、ニュースに関する説明はほとんどなく、演習に特化したものにしています)。


以上から中学受験の時事問題は以下のように考えるといいでしょう。

●時事問題はニュースそのものを扱うことはあまりない
●時事問題はニュースを基にそれに関連するものが出題される


では、2023年入試ではどんな時事問題の出題が考えられるか1つずつ見ていきましょう。


2,2023年入試の時事問題を考える


 2023年入試で狙われそうな時事問題を紹介していきます。掲載順は出題されやすいと考えているものです。ただし、後の方が出にくいわけではありませんし、今回紹介しなかったものでも入試で取りあげられるものももちろんあります。とはいえ、全てを扱うのも効率的ではありません。選択と集中で時事問題に取り組むのが有効です。


(1)ロシアによるウクライナ侵攻

 2月の終わりからロシアによるウクライナ侵攻が続いています。いつ終わるかは見当がつきませんが、早く終わることを願います。

 先述のAタイプになると以下の通りです。

ウクライナ・キーウ(キエフ)・チョルノービリ(チェルノブイリ)(注)・ゼレンスキー・プーチン・クリミアなど

(注)表記については教科書ではロシア語、外務省はウクライナ語とゆれが生じています。ですので、来年の入試で「キーウ」もしくは「キエフ」どちらで答えても正解になると思います。ただ、最近のメディアの報道を見ると、「キーウ」とウクライナ語で覚えた方がいいでしょう。他も同様です。

 一方、Bタイプはどうでしょう。幅広い出題が考えられますので、テーマ毎に見ていきます。


①国際連合

 今回のことで国際連合の問題点がさらに浮き彫りになったと思います。それを表す例題がこちらです。

「国際連合の安全保障理事会がロシアのウクライナ侵攻を止めることが出来なかった理由を説明しなさい。」

解答例は「ロシアへの制裁などに対してロシアが拒否権を行使したため否決されたから。」などが考えられます。

さらに、幅を広げた問題なら
「国際連合が抱える問題を1つ挙げなさい。」
(拒否権が強いため、議決できない案が出る可能性がある。など)
「国際連合が抱える問題を挙げ、どうすれば良いか考えて答えなさい。」
(拒否権が出されると議決が無効になるため、常任理事国の拒否権をなくした方がよい。)
といったものが考えられるでしょう。

 もちろん、国際連合の基本的な組織についても聞かれるはずです。授業で習ったことを復習して覚え直すといいでしょう。


②日露(日ソ)外交史

 1792年のラクスマン来航から、現在の北方領土問題までの江戸時代後半から現代までの歴史の問題が出る可能性があります。
 特に日露戦争については出題される可能性が高いでしょう。

③戦争の歴史

 歴史分野のテーマ問題で戦争(反乱などを含む)に関する問題が出題されやすいです。後述しますが、新型コロナウイルスによる感染拡大が問題になったことで近年の入試では感染症の歴史を扱う問題が多く見られます。これと同様に、今回のことを通して戦争に関する歴史を扱う可能性が高くなりそうです。

④世界地理・貿易

 世界地理については当然ヨーロッパの出題が考えられます。
 また貿易に関しての出題も考えられます。例えば、ロシアやウクライナは小麦生産が盛んな国です。確かに、日本は両国からは小麦を大量に輸入していません。しかし、両国から小麦を輸入している国が、日本が大量に小麦を輸入しているアメリカやカナダなどを輸入相手先に乗り換える可能性は十分にあります。そのことで日本の食料事情にも影響を及ぼすおそれもあります。そのため、農業に関する問題もこういうニュースを振りに狙われる可能性があります。
 そして貿易に関しては現在の円安傾向についての出題も考えられます。アメリカの金利政策といった原因については詳しくは聞かれないでしょうが、円高・円安の影響について問われることが十分に考えられます

 こういう産業については後述する他のニュースとも関連して出題される可能性が高いです。

⑤国際紛争

 ロシアが関係していることなので、戦後の東西冷戦に関する出題が多くなるでしょう。また、2022年入試では間に合わなかった可能性のあるアフガニスタンに関する問題も、1979年のソ連のアフガニスタン侵攻と関連して出題される可能性があります(反対に、2021年のアフガニスタンのことから米ソ冷戦に結び付ける可能性も十分にあります)。
 基本的には戦後の国際社会について学び直せば十分でしょう。


 最後に、このテーマは入試前日に大きな出来事が起きてもおかしくないです。そのため、出題される内容は2022年までの出来事まで扱われる可能性があります(ラ・サールのように入試直前に起きた出来事を聞く学校もありますが)が、入試関係なく心を痛めない範囲内で関心を持っていて欲しいと思います。


(2)新型コロナウイルス

 来年の入試でも新型コロナウイルスに関する問題が出ることでしょう。ここ2年で多くの学校が出題しました。ですので、過去問による対策を進めていけば自ずと新型コロナウイルス関連の問題の対策ができるはずです。ただ、その一方で新しい話題もあります。そこで、出題量の増減に注目して新型コロナウイルスに関する問題を見ていきます。
 まず、新型コロナウイルスそのものの出題は減っていくことでしょう。実際、今年の入試で新型コロナウイルスによる政府対応を扱った学校は去年から多く減っています。現在の感染状況や対応が変わらなければ、新型コロナウイルスそのものを深く学習する必要はなく、これまでの経験を活かせば答えられるはずです。
 一方出題量が変わらないのは感染症の歴史です。感染症の歴史を通して日本の歴史についての理解を試すというものです。ただし、感染症の歴史は他の政治史・文化史などと同様にテーマ史の1つとして扱えば特別に警戒する必要はありません。感染症の名前を事細かく覚える必要はもちろんありません。医学史に関係する人物(北里柴三郎・野口英世など)を覚えておけば十分でしょう。また、ここ1,2年の入試問題でよく見かけましたので、過去問を通して対策を図ることもできるでしょう。
 そして出題量が増えそうなのが、新型コロナウイルスで生じた影響です。大きく2つ考えられます。1つは生活の変化です。これについては今年の入試でも何校か見られました。例えば光塩女子学院はマスク生活によって生じた不便なことについて聞いてきました。こうした日常生活の変化を改めて聞くと言うことはよくあります。

※    光塩女子学院の問題については、先日寄稿した日本経済新聞の記事を参考にして下さい。有料です。

中学受験、世界へ視野開け 東大入試に類題も: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 そして、産業・経済への影響も出題される可能性が高いです。例えば、新型コロナウイルスの影響で航空機輸送の量が大きく減少しました。また、観光業も大きく低迷しています。これは、中学受験生必携の『日本のすがた』や、塾関係者必携の『日本国勢図会』を見れば分かります。データが集まったことで学校側も問題にしやすくなるはずです。しかも、近年は資料を読み取る問題を出す学校が増えています。コロナ禍前後の数字を扱い、その変化を読み取るといった問題が出てくることが考えられます。
 他にも新型コロナウイルスの影響でアメリカで新築需要がたかまったことで木材の価格が高騰したウッドショック(最近はロシアのウクライナ侵攻を原因とする第二次ウッドショックも起きています)も2022年入試に引き続き狙われる可能性があります。

(3)人権問題

 人権問題については、先日の記事でも触れています。
日本国憲法と2023年入試を考える|中貴社|note

 人権問題に関しては数年前のアメリカで起きたBLM(Black Lives Matter)運動がきっかけで注目度が高くなりました。もちろんこれに関する問題が出る可能性もありますが、別のことが出題される可能性が高いです。
 1つは移民・難民問題です。これは2022年入試でも麻布中、成蹊中、鎌倉学園、昭和女子大学付属女子などで出題がみられました。おそらく東京オリンピックの難民選手団が出題のきっかけになったのでしょう(実際、成蹊中はリード文で触れています)。現在、ロシアのウクライナ侵攻によりウクライナから他国へ避難した難民が多数います。日本でも彼らを受け入れようとしています。とはいえ、日本は難民を積極的に受け入れていません。そうした理由や課題などを2023年入試で出題することが考えられます。
 ジェンダーに関する問題も出ることでしょう。これは毎年出題されるテーマです。しかも今年は改正育児介護休業法が施行され、男性の育児休暇が取得しやすくなる可能性があります。また、制服もスカートとスラックスの選択ができる学校が増えてきています。一方で政治活動の分野は依然として男女格差が大きく、先進国で見ても日本は女性議員の比率が低いのが問題です。こうした問題にどう取り組むかについても扱われることでしょう。
 そしてもう1つはヤングケアラー問題です。最近のニュースでも小学生にもヤングケアラーは一定数いることが明らかになりました。

小6の6.5%「家族を世話」 1日7時間以上も ヤングケアラー調査・厚労省(時事通信) - Yahoo!ニュース

 ヤングケアラーの定義が曖昧だとする意見もありますが、ヤングケアラーが一定数いるのは確かです。中学受験の社会は身近なテーマの出題が多いです。もしかしたらクラスメイトにもヤングケアラーがいるかもしれません。そのことに気付いたらどうするか、ヤングケアラーを減らすためにできることやヤングケアラーが増えることで生じる問題などについて聞かれると思います。

 ところで、人権とは少しずれますが2022年4月から新成人が18歳以上になりました。新成人になったことで18歳から親の同意無しで出来ること(クレジットカードの発行、携帯電話の購入など)、これまで通り20歳にならないとできないこと(飲酒・喫煙・公営ギャンブルなど)があります。受験生は18歳から成人になります。実際、法改正が決まった翌年や2022年入試では成人に関する問題が多く見られました。2023年入試でも出題されることでしょう。
 また、民法改正に伴い少年法も改正され、満18歳以上の犯罪者から実名報道が可能になりました。そして2023年から裁判員裁判に満18歳以上から参加できるようになりました。実際に参加するかは分かりませんが、こうした成人年齢変更に伴う変化に関心を持ってほしいです。

(4)参議院議員通常選挙

 2022年は参議院議員選挙が行われます。また、今回の選挙で定数が248名になります。選挙の結果は憲法改正に必要な議席(総議員の3分の2以上)を改憲派が得るか、ねじれ国会(野党が過半数、すなわち125名以上の議席を獲得)にでもならない限り細かく出題されることはないでしょう。ただ、前回の参議院議員選挙で当選した議員のために国会のバリアフリー化が進められたと言うような転機があればそうした点での出題は考えられます。
 むしろ、参議院議員選挙の仕組みの方が聞かれる可能性が高いです。衆議院議員総選挙との違いを交えての参議院議員通常選挙の特徴(都道府県選挙区―合区、非拘束名簿式の比例代表制、特定枠の設置など)についての出題も考えられます。また比例代表制ではドント方式を採用しています。選挙があった翌年の入試ではドント方式を用いた議席配分に関する出題が多くなります。選挙についてはしっかりと対策しておくとよいでしょう。

(5)環境問題(エネルギー問題)

 パリ協定による目標設定以降、環境問題がさらに注目されるようになりました。時事問題でも「カーボンニュートラル」や「ゼロエミッション」といった言葉が出るようになりました。一方、現在の国際情勢を背景にしたエネルギー問題も重要なテーマになりつつあり、環境とエネルギーを軸にした大問も考えられます。 
 環境問題では、1972年の国連人間環境会議から現在までの環境問題の取り組み(1992年地球サミット、1997年地球温暖化防止京都会議、2015年パリ協定など)が出題される可能性があります。また環境問題は地球温暖化を軸に出題されるでしょうが、他の環境問題と関連づけた出題、例えばオゾン層破壊や熱帯林伐採などの出題も考えられます。 
 一方エネルギーに関しては、主なエネルギー資源の輸入先の出題が考えられます。また、日本の電力事情についての出題も考えられます。いずれも地理分野で学習した「貿易」と「資源」の単元をおさらいしておくといいでしょう。 
 環境問題は他にも食品ロスやマイクロプラスチックゴミに関する出題も考えられます。もっとも、これらはここ数年の入試で頻出の話題でしたので、過去問を通して十分に対応できるはずです。プラスチック製のフォークなどの有料化について押さえておけば十分です。

 

※    ここまでで紹介した「ロシアのウクライナ侵攻」・「新型コロナウイルス」・「環境問題」はいずれも産業との関わりが深いです。例えば

●農業(地球温暖化による不作、新型コロナウイルス・ロシアのウクライナ侵攻による流通の停滞が原因での食料品高騰)
●林業(ウッドショック)
●工業(世界的な半導体不足)
●貿易(コンテナ船不足による流通の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による停滞、国際社会の影響による円安傾向など)

というように、こうしたニュースと関連が深いです。ニュースや授業を通して、産業の理解を深めることをお勧めします。


(6)アジア情勢

 東アジア各国(韓国・北朝鮮・中国)はまず3カ国それぞれの政治指導者は押さえましょう。韓国は尹錫悦、北朝鮮は金正恩、中国は習近平です。特に韓国は今年新しく尹錫悦が大統領になりました。顔写真とともに覚えましょう。
 韓国については新大統領を押さえておけば後は特別覚えるものはなく、授業で習ったことを確認するだけで十分です。北朝鮮については核開発やミサイル実験などがニュースになっています。これらに関心を持つ必要はありますが、ロシアのウクライナ侵攻と合わせて北朝鮮の動きも学習するといいでしょう。
 中国もここ最近話題になった香港を取りあげる学校は少なくなるでしょう。一方で台湾に関心が高まる可能性があります。戦後の国共内戦から中華人民共和国の建国についての出題が考えられますが、戦後の米ソ冷戦の学習と合わせて確認すれば大丈夫です。それよりも日中国交正常化50年を節目として日中外交史を扱う学校が多いはずです。
 東アジアの国は私たちと距離が近いため学習する機会が多いです。普段学習していることに加えて時事問題で見られた新しい言葉(ほんとどないですが)を覚えれば大丈夫でしょう。
 東南アジアについては2021年のミャンマーの軍事クーデターの話題が2022年入試でも出ましたが、関心は少し薄まるでしょう。また、インドネシアが将来的にヌサンタラに首都を移転することを決めましたが、これも地名だけ知っておくといいでしょう。
 中央・西アジアではカタールに注目するといいでしょう。最近までドーハで万国博覧会が開かれました。次は2025年に大阪で開催されることを知っておきましょう。また、年末にはサッカーワールドカップが開催されます。カタールの位置や西アジアの地下資源などにも関心を持っておくといいでしょう。
 また、アフガニスタンについても関心を持っておくといいでしょう。アフガニスタンは2021年にアメリカ軍が撤退、タリバンによる政権が誕生しました。また、アフガニスタンはかつて旧ソ連に侵攻された歴史があります。国名と政権は押さえておきましょう。

(7)災害関連

 時事問題として扱われることがないのが望ましいですが、大きな災害が起こるとそのことが入試問題で扱われることが多いです。2022年入試でも2021年に起きた熱海の土石流災害に関する問題が出ました。
 2022年は地震が頻発して起きています。3月16日は新幹線が脱輪するほどの大きな地震が起こり、新幹線の走行ができなくなるほどの被害となりました。また、2022年入試はその前年が東日本大震災から10年ということで地震に関する問題が比較的多く見られました。2023年は関東大震災からちょうど100年になります。2023年入試も地震をに関する問題が出る可能性が高いでしょう。
 また、夏に起こる大雨・洪水被害の出題も考えられます。近年は線状降水帯が原因による大雨被害が深刻になっています。先述した2021年の熱海の土石流災害も大雨が原因で起きました。
 そして、こうした災害にどのような対策をするかも出題される可能性が高いです。気象庁により災害への警戒レベルの表示が変更になりました。また、災害が発生した時の対策の1つである自助・共助・公助の考え方の出題も見られます。「備えあれば憂いなし」といいます。どのような災害が起こりどのように対策するかを理解することで、入試問題だけでなく実際の災害にも備えて欲しいと思います。

(8)周年問題

 時事問題とは直接関係しませんが、○のつく年から△△年前といった出題は毎年あります。学校によっては定番にしているところもあります。
 基本的には歴史分野の振りで使われるだけですが、関心を持っておくといいでしょう。
●「2」のつく年の出来事(○は重要)
2002年 日韓共催W杯、日朝平壌宣言
1972年 沖縄返還○、日中共同声明○
1952年 保安隊
1932年 五・一五事件○
1922年 全国水平社○
1912年 大正元年
1902年 日英同盟○
1882年 立憲改進党
1872年 学制○、富岡製糸場操業○、鉄道開通○
1862年 生麦事件
1792年 ラクスマン根室に来航
1742年 『公事方御定書』
1722年 上米の制
1702年 松尾芭蕉『奥の細道』
1592年 文禄の役○
1582年 本能寺の変○
1392年 南北朝の合一
1232年 御成敗式目(貞永式目)○
1192年 源頼朝が征夷大将軍に任命される
712年 『古事記』の完成
672年 壬申の乱○

 2022年から見ると沖縄返還と日中共同声明(国交正常化)がちょうど50年です。沖縄の歴史や日中外交史をテーマにした出題が考えられます。
 また全国水平社はちょうど100年です。こちらは公民分野の人権問題での振りになる可能性があります。また人権(差別)の歴史での出題も考えられます。
 そして、鉄道開通150年も重要です。2022年が節目の年になる新幹線がいくつもあります。新幹線の沿線地理の問題を、新幹線や鉄道開通の周年ネタを振りに出してくる可能性が十分に考えられます。

●「3」のつく年の出来事(○は重要)

1993年 環境基本法
1973年 石油危機○
1953年 奄美返還・テレビ放送開始
1933年 国際連盟脱退
1923年 関東大震災○
1873年 征韓論争・地租改正○・徴兵令○
1863年 薩英戦争
1853年 ペリーが浦賀に来航
1603年 江戸幕府成立
1573年 足利義昭が京都から追放される
1543年 種子島に鉄砲伝来
1333年 鎌倉幕府滅亡○
1083年 後三年の役
743年 墾田永年私財法○・東大寺建立の詔○
663年 白村江の戦い○
603年 冠位十二階の制○
593年 聖徳太子が摂政になる○

 2023年からみると関東大震災からちょうど100年になります。災害に関する問題は地理・歴史いずれもよく出ます。関東大震災を振りにしての出題も考えられます。
 国際社会の状況次第ですが、1973年の石油危機や中東戦争に関する出来事も狙われやすいテーマです。石油危機はロシアからのエネルギー輸入、環境問題と関連づけての出題が考えられます。環境問題という点では1993年の環境基本法も注目です。
 そして1333年の鎌倉幕府の滅亡も少し注目しています。近年、鎌倉~室町時代の研究が大きく進展し、教科書に掲載されている従来の学説が否定されるものもあります。最新の学説は東大などで扱われることがあります。意識の高い進学校では最新の学説を振りにした問題を出します。
 周年問題はテーマ史として扱われやすいものが多いです。ただし、年表を並べて出す形式による出題も多いです。ですので幅広く対策するといいでしょう。そしてそれが歴史分野の理解と定着につながります。


(9)SDGs


 時事問題ではないですが、SDGsは今や中学受験では必須のテーマです。しかし、通常の授業でSDGsについて詳細に触れる機会はあまりありません。また、市販の時事問題集で扱うこともあまりありません。だからこそ、自学でSDGsについて学び、その重要性を知って欲しいです。
 では、どのような対策をすればよいでしょう。17の目標を知ることは確かに重要です。しかし、「SDGsの目標の13番目は何?」みたいな聞かれ方はしません(因みに13番目の目標は「気候変動に具体的な対策を」です)。実際に聞かれるのは例えば、「SDGsの13番目の目標は「気候変動に具体的な対策を」ですが、あなたができる取り組みは何ですか。」といった具体的な取り組みを考えさせる、もしくは正しい取り組みを選ぶ問題をよく見かけます。また、「○○と言った取り組みと関係の深いSDGsの目標を選びなさい。」と取り組みとその効果を結びつける問題も出ます。しかもこういう取り組みは複数の目標に関係することが多いですので多答式の選択問題の出題も考えられます。
 SDGsについては日ごろからの実践が大事と言えます。日ごろからSDGsについて関心を持って下さい。


(10)世界遺産は時事問題では出ない?


 2023年入試で「時事問題」として出ないテーマがあります。それが世界遺産に関する問題です。日本は昨年UNESCOに世界遺産の登録を申請していません。そのため、今年は日本から新しい世界遺産が誕生することはありません。
 ただし、世界遺産に関する出題は毎年多くの学校で見られます。。日本の世界遺産は計25あり、地理・歴史・公民どの分野でも扱いやすい世界遺産が多いからです。ですので、時事問題に関係なく対策が必要です。むしろ、新しい世界遺産が誕生しないことで世界遺産全般の問題が出るおそれがあります。対象を絞れず日本の世界遺産全体に目を向けなければならないため、むしろ厄介かもしれません。

3,まとめ~時事問題対策の進め方~

 以上、時事問題への考え方と、2023年入試問題で狙われやすい時事問題について解説しました。最後に、今の時期における時事問題への取り組み方を述べたいと思います。
 さしあたって今は授業で学んだことの理解に専念してください。おそらくこの時期は公民分野の学習をしているはずです。社会科が専門で、経験値の高い先生なら、単元学習と並行してそれに関する時事問題について触れるはずです。そうした話に耳を傾けて時事問題の理解を図るだけで十分に効果があります。
 それだけでは不安もしくは社会科が得意で日頃からニュースに関心の高い子であれば家庭でも時事問題について話し合ってください。6年生になるとかなり踏み込んだところまで学習するため保護者は学習スケジュールなど生活面のフォロー(それだけでも十分助かりますが)は出来るものの、学習自体のフォローが難しくなります。しかし、日頃からニュースを見ていれば時事問題について話しあうことが出来ます。保護者もニュースに関心を持ち、親子で話し合う。そうした習慣を持つことは時事問題の理解以外にも例えば語彙力を増やすことなど様々な効果が期待出来ます。さらに「○○についてどう思う?」といった議論が進めば長文記述対策にもなります。
 時事問題は保護者が子どもに教えることの出来るものの1つです。是非保護者もニュースに関心を持ち、親子間で話しあってください。

 最後に、地理分野・歴史分野・公民分野の学習単元から見た時事問題についてまとめた表を掲載します。その単元を復習する際にどのような時事問題と関連づけて出題するかを確認しておくと良いでしょう。

地理編
歴史編
公民

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