我が子に「はやくしなさい!」と叱りそうになるときの処方箋
保育園に行く朝は戦争
2歳の娘は保育園に通っている。
主に「送り」を担当しているわけなのですが、やはり朝の時間、のんびり寝ていることもあって、出かけ際はとっても慌ただしい。
ついつい、「はやく!はやく!」「ほら、すぐ着て!」と服の着替えも手取り足取り、やってしまいます。
そんな時、「あちゃー」「成長の機会を摘んでしまったなぁ」と少しだけ後ろめたい気持ちになります。
時間に追われて、ついつい子供に「はやくしなさい!」といいたくなる時の処方箋。そんなもの、そうそうあるわけないですよね。だって、僕は子育てマスターじゃないわけだし。
ただ、この本を読んで、少しだけ急かすのを「こらえて」「待つ」ことができているように思います。
それは、「子どもへのまなざし」(佐々木 正美)。
ノウハウではなく本質を
子育てのノウハウではなく、考え方をまとめた本書は、語りかけるように、「子育てで大切なこと」「より本質的なこと」を親初心者である読者にゼロからといてくれます。
たとえば・・・しつけについてはこう書いてあります。
「くりかえし伝えることがしつけです。そして、とてもたいせつなことは、くり返しそのことを伝え教えながら、本当にあなたがここで上手にできるようになるのはいつか、楽しみに待っていてあげるからという気持ちですね」
ここでは、待つことのたいせつさが語られます。
そして、刮目するのは、
「いつ自分ひとりでできるかは、子供が自分で決めればいいのです」
という言葉。
大人が何かをできるところまでやらせるのがしつけではなく、もっと手前の伝えるところまで。
この「いつできるようになるかは、自分で決める」という考えは、大人であっても通じる気がします。それは、完全に相手とその未来を信頼仕切っている態度。そこから、人間のポテンシャルが発揮される。そして、「自律」への道がスタートするのだなぁと。
過保護の嘘
他には、こんなものもあります。
「過保護の誤解」。
子どもの要求をききすぎていると、甘えた子に育つのではないか、という漠然とした不安。それに著者はこう答えます。
「過保護で子どもをダメにした例というのはないのだということです」
「子供が望んでいることを、やりすぎるほどやってあげることは、それはたいへんなことで、めったにできることはではないと思います」
だからこそ、本当に過保護なくらいでちょうどいい。どんなにやってやりすぎても大丈夫。むしろ、親が自分の感情を満足させるために、親の望んだように「服を買ってあげたり、おもちゃを買ってあげたり」と過剰に干渉することの方が問題なのだそうです。
僕はこの本を読んで、心がラクになりました。子どもを一人の人間として相手にしつつ、自分が一緒にいたいという気持ちを優先しても大丈夫なのだと、誤解なく思えたからです。
バタバタの朝の日常も、きっと貴重な時間。
そう思えたら、少しは大変さも気楽になるだろうか。
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