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うつ株式会社#2 仕事前に詣る

今日は、なんと5時に目覚めた。初仕事!っていう緊張感というよりも、昨晩、なにか安心感に包まれた感じで早く眠れたからだと思う。心地よいスタートの疲れも手伝ってなんと22時には寝ていたから、7時間は寝ていた。

というのも昨晩は、新卒同期の集まりから、そのまま一部の方々と飲み会になった。数百名を越える社員がいる会社なのに取締役まで参加してくるから、本当に有り難かった。飲みというよりも話がただただ熱く、騒ぐという感じではない、キャンプの夜の一体感のような感じだった。

そして、自分事だけど、うつ病の兄の話をすると可哀想な話だね、と哀れみがほしくて話したわけじゃないのに。。ってなることも、それが日本の社会の問題だ!と話が大きくなることも、コメント出来なくて、すーっと知らない間に距離をとられるのでもなく、自然と受け入れてくれる空間が有り難かった。

大学では、うつ病のことを必修科目でもある「精神医学」「精神看護学」を一緒に学んでいる同期でもなんか知識面では理解しているかも、だけど、分かってくれていないな。
と思うことが多くて、だんだんと自分のことを話さなくなったし、話を求められても「友達がさ」って存在しない友達、他人に切り離した自分のことを話す感じになっていたから、ここに存在していていいんだという感じがとてもした。

そして、会社の文化を教えてもらった。8時には解散。「次に行かなければならない」とか「私だけ帰るのか」って気持ちにならないように、自然と生まれてきたとのこと。ただし例外はもちろんあって、社内恋愛は禁止じゃないってことや、家族の相互サポートとかはオーケー。緩い約束事だけど、仕事から解放してもらうという意図が強いみたい。

金曜は、何故か7:30。ドラえもんとクレヨンしんちゃんを観た子供に合流出来るようにだって笑

早く起きたので、会社の前に実は行きたいところがある。御茶ノ水駅を降りて、秋葉原方面に歩いていくとある神田明神だ。神田明神の平将門をお詣りに行きたい訳じゃなくて、そこにひっそりと祀られている少彦名命にお詣りに行きたい。少彦名命は、自分の好きなお酒の神様という顔もあるが、医療の神様という顔もある。他にも農業とか、いろいろなところ、特に相反したりするものを小さな身体でやっている神様であるというのが好きだ。

私のこれからの仕事にも関係してきそうなこともあるけど、兄の治癒の祈願と兄をうつ病にさせた大学病院が近くにある皮肉に行っておきたいのだ。会社は、同じ方向にあるし早く出た。

お詣り

自分は兄のことを尊敬していた。自分と違って誰とでも仲良くなれるし、困っている人がいると自分から声をかけにいくぐらい、助けにいって困ったことになることもあった。私としては、勉強で分からないところは、電子辞書だと正直思っていた。でも、喧嘩する時はあって、何故か覚えていないが「このお人好し!」とか「バカ正直!」って言ってた。ちょっと覚えていない。
そんな兄だから医師を目指したのも不思議じゃなかった。ただ、医師の世界があんなにも変な世界だと知らなかった。いや、兄のことだから知っていても入っていったのかもしれない。医局という大学の専門分野に別れたところに所属し、医師が足りない病院があると医局人事というもので、急に勤め先が変わった。会社でも人事はあるが、勤め先がころころ変わることなんてあまりない。だから、雇用記録上は、コロコロ変わって雇用保険にも長く入ることなく次にいく。女医さんは、育休の支払いされてないのが当たり前な上に、育休復帰点はつかないために保育園に入れないのが当たり前だという。お人好しの兄は、看護師の雰囲気が悪い病院とか、患者さんトラブルが多い病院によくいかされていた。「火消しさせられているんだよ、こいつは」って兄の友達から聞いた。

兄が病気になったのは、オーバーワークだ。キャリアアップと関係ない異動を命じられているため、自分のキャリアアップにたまにある休日は修行にいく。看護師の雰囲気が悪いところには、朝夜関係なく傾聴して対応していく、正直なところ、たまにとは言えない頻度で看護師に惚れられて、自分が火種を大きくしてしまった。と言ってたこともある。
力がある女性が惚れているのに、新人が二人きりで相談してしまって、問題になったということだ。女性の集団のこと、たまに聞かれていたが、自慢話でしょと本気に取り扱ってあげなかったことを悔やむ。また、認知症や精神疾患及びその予備軍や家族対応や、地域医療体制づくり等、本業の外来と手術はいつしてたの?と思うぐらいなのに、研究も若手研究費とやらをもらって実施して、友人の結婚式などあると全力で幹事とかやる。
結果、睡眠障害から食欲不振でうつ病になった。自分の力不足だと泣くことが増えていた兄を家族としてみていて心配だから病院に連れていきたかったけど、忙しいからと拒否されるので、自分が調子悪いからついてきてというお願いをして、心療内科の医師と演技して診察。結果、緊急入院。
いや、緊急入院させるための演技だった。

幼い自分は、変な正義感でこんな状況にした何かが憎くて仕方なかった。何かが分からないままに時が経った時に出会ったのが、うつ株式会社だ。
うつ病患者さんと関係者を幸せにする会社。
最初はうさんくさいと思って、建前でしかないことを証明してやると大学一年目にインターンとして入った。が、彼らは本気で変えようとしていた。

想いに更けながら決心詣でしていたら、携帯が鳴った!

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