見出し画像

コートを買い替えに服屋に行った時…

朝晩は特に気温が下がってきて、もうすぐそこに冬が来ていることを感じるこの頃。
間近に冬が迫っていたとき、これまで使っていた冬物コートがダメになったことに気付いた。
いや、着れないほどではなかったのだが、かけはぎが必要なくらい傷みが出ていることが判明したので、お気に入りのコートではあったが、泣く泣く処分することにしたのだ。
※修繕屋でコートを見てもらったところ、ちなみにかけはぎの代金は安くても5千円、コートの生地によってはかけはぎそのものができなかったり、できたとしても数万円かかることがあるそうなので、買った値段<かけはぎ代金であれば、買い替えてしまった方が良いとのこと。私のコートでは安くても1万円はかかるということだった。

さて、コートを買いに行こう、と決めたものの、以前に購入したブランド以外で、なかなかデザインと価格、双方がお眼鏡にかなったものが見つからない。
以前買ったブランドを避けたのは、今回は違ったところで買おうかな、と思っただけの話で、嫌悪感があったからではない。
ただ、なかなか理想的なものが見つからなかったので、結局、以前に購入したブランドと同じところに行ってみることにしたのだ。

お店に入ってすぐ、感じの良い男性店員さんからいくつか試着を勧められたので着てみると、気軽に、気取らない感じに着こなせそうだった。
ただ、まだちょっと迷っていて、他を見てみたいということを店員さんに伝えると、彼はこう返答した。

「他のお店のものも色々見てみてくださいね」

これまで私は、洋服を買いに行ってそんなことを言われたことがなかったので、ちょっとした驚きを感じた。
服を買いに行くと、「店員さんがめちゃくちゃ声かけてくるのが好きじゃない…」というネガティブな声があるのも分かるし、自分もあまりにしつこい声掛けは好きではない。
彼にもお店からの販売ノルマがあるだろうに(推測ですが)、決して自分のオススメを押し付けてこないことで、心は大方決まった。

「彼からコートを買おう」

後日、再びお店に行くと彼がお店にいたので、色々見たけれどここが一番良かったので、この間試着させてもらったコートを購入したい旨を伝え、無事コートを買うミッションをクリアした。

コートを買った帰り道、自分も彼のように「決して自分の価値観を押し付けることはしないけれど、最終的には私が薦めたものを買ってもらえるようなスタンスの提案ができるようになりたい」と思ったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?