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保育科学生からの6つの質問に本気で答えます



先日、福岡県久留米市にある保育系の短大の一年生に向けて授業をさせていただきました。たった6年しか経験のない元保育士の話を一生懸命聞いてくれる学生さんたちだったので、こちらもかなり言葉に想いが乗って喋ってしまいました。

学生さんたちありがとうございました。

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授業が結構押してしまって、質問の時間が取れなかったので、後日、学生さんからの質問をいただいてメールで答えることになりました。同じように、他の学校の保育学生さんたちも疑問や不安に思っている部分でもあるかなと思ったので、シェアしようと思います。

※あくまで僕個人の意見ですので。一意見として、心に留めておいてもいいし聞き流してもらっても全然構いません^_^


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①男性保育士は大変じゃないですか。保護者の目が厳しくないですか?


最初、職場に馴染むまでは大変かもしれないけど、みんなから頼ってもらいやすい部分もあるし、男性保育士の方が自分の居場所は作りやすいのかもしれないなーと思います。いろんな園を訪問しましたが、保育園に男性保育士が一人いるのといないのとでは、園の雰囲気がガラッと変わります。男性保育士というだけで、保育園にとってもそこで働く保育士さんにとっても、とても貴重で有り難い存在だと思います。

保護者からの目が厳しいと感じたことはあんまりないかなと(鈍感だった可能性もあり(笑))。逆に、男性保育士ならではの遊び方や関わりに喜んでくれたり、小さなミスを怒らず笑ってくれたりと、だいぶ優しくしてくれてました(笑)


②子どもに対してイライラするとか、関わりに悩んだことはありましたか


もちろんあります。子どもは一人一人違います。その子にとってどんな関わりがいいのかは常に悩み考えていくことになります。

保育は正解のない、というか、答え合わせがなかなかできない世界です。今、先生や親の言う事を聞ける子どもにする為に保育士がいるわけじゃありません。たまに、なんでも言う事を聞くお利口さんを求めてビシバシ厳しく子どもたちをまとめようとする保育士がいますが、それって本当に子どもたちの為の保育なのかな?と疑問に思っていました。言い方は厳しくなるけど本音を言うなら、そんな保育士ならいない方がマシだと思ってます。

僕は、子どもたちが10年後20年後、大人になった時に自分の頭で考え意欲的に輝いて生きていける事を願って保育をするのが、保育士の役目だと思います。『今』だけにとらわれず、子どものより良い未来を想像しながら日々関わっていくことが大切なのかなと思います。


あと、自分のプライベートでの浮き沈みを、保育中の機嫌に表したり、子どもに当たったりすることで解消するのは保育士として失格かなーと思うので、自分の感情をコントロールできるように気をつけたいですね。イライラしてもいいし、ムカついてもいいけど、それをグッと堪えて、笑顔で子どもと関わるのが保育士としてのプロ意識だと思います^_^

あ、でも、嬉しいときには嬉しい、悲しい時には悲しいなどの気持ちは子どもに言葉で伝えるのはとても大切な気がします。先生だって、先生である前にみんなと同じ一人の人間なんだよって感じられるように。


③何歳児の保育が楽しかったですか


僕は0〜3歳児までしか担任をしたことがないので、4、5歳児の保育はあまりわかりませんが、自分の場合は2歳児の担任をした時が1番楽しかったかな。何歳児でも、それぞれの楽しさも難しさもあるかなと思います。逆にいえば、何歳児の保育でも自分次第で楽しむことができるって事だと思います。自分の置かれた状況で、常に楽しみを探す癖をつけられると最高ですね。


④保育士になって大変だったこと、楽しかったこと


大変だったことは、とにかく書類かな。かなり文章を書く力は鍛えられたかなと思いますが、あれだけの量の書類を書く意味はわからなかった…というか、どうせ書くならもっと書類を活用できたらいいのになーって思ってました。あと、辛かったのが早番の時の早起き(笑)保育の準備をする為に残ってする作業は学祭の準備みたいで僕は好きでした。

楽しかったことというか、保育士しててよかったなって思ったのは、365日同じ一日がなくて充実しているという事。子どもの成長に立ち会える瞬間がたくさんあるという事。保育の楽しみ方が分かってからは、保育自体も楽しくなりました。あとは、先輩や後輩との交流、音楽祭、楽器の演奏などなど。


⑤学生のうちにしておいたほうがいいこと


僕の場合、保育士一年目の時にめちゃくちゃ困ったのが、子どもの前でできる事が絵本読みと手遊びくらいしかなかったことでした。絵本を読んでも聞いてくれなくて、何人かわーわー走り回るし、でも、聞いてくれる数人のために絵本を途中で辞めるわけにはいかないし、どうしたらいいんだー!ってほんと悩みました。

で、ある時気付いたんです。自分って子どもたちにとって「楽しい先生」じゃないってこと。

それに気付いてから、子どもたちを楽しませられる小ネタをたくさん考えたり、用意したりしました。ポケットの中には、常に日替わりで指人形数個と手品用のペンと紙、バルーンアートの風船を入れていました。毎日使うわけじゃないです、いざという時や隙間時間の為に持っていました。楽しい事をしてくれる先生の話は、子どもたちは興味を持って聞いてくれます。(←大人も一緒ですよね)


だから、自身の経験も踏まえて学生のうちにしておいたほうがいいかなと思うのは『一つでも多く引き出しを増やすこと』です。絵本にも紙芝居にも頼らずに、30分くらい子どもを楽しませられるネタ、小技をたくさん持っておけると最高です。予定通りに保育の時間が進まなかった時やこどもがざわついて困った時に、必殺技を持っておくと余裕を持てるようになります。
例:指人形劇、簡単な手品、バルーンアート(←特におすすめ)、ジャグリング、お手玉、手持ちのホワイトボードを使ったお絵かき、絵描き歌などなど。

怒ったり、大きな声で子どもを動かしたりするとほんと疲れるので『楽しさ』で子どもを引っ張っていける保育士になれるといいですね^_^


⑥保育士を嫌になって辞めたいと思った事はありますか?


僕は、詩人を本業にする為に保育士を辞めたので、保育士という仕事は最後まで好きでした。保育士を辞めた自分が言うのもアレですが、学生さん達が就職して、もしもいつか保育士を辞めたいと思ってしまった時のために、自分の考えを書きますね。

「辞めたい」と思った時、それは「保育士」を辞めたいのか、「保育園(職場)」を辞めたいのかどっちなのかよく考えて欲しいです。これはかなり大きな違いだと思ってます。なぜなら、「子どもたちは可愛いし好きだけど、先生たちとうまくいかないから辞めたい」という声をよく聞くからです。

給料や仕事の内容などの理由で「保育士」を辞めたいと思ってしまったのなら、それは、仕方ないかなと思うけど、今勤めてる「保育園」の環境に原因がある場合もあります。保育の世界は閉ざされていてとても狭い世界です。自分が最初に勤めはじめた保育園が保育の世界の全てだと勘違いしてしまいがちです。他の保育園と比べようがないからです。他の園の環境が分からないからです。


もしも今「保育士」が楽しくないとしても、職場を変える事で保育士が楽しくなる可能性があります。素敵な園と巡りあえてないかもしれないからです。僕は、保育士を辞めた後に「自分の中の保育の世界はこんなにも狭かったんだ」と気づくことができました。保育の世界を外側から見ることができたから、そして、いろんな園を訪問してたくさんの素晴らしい園長先生やそこで活きいきと働く保育士さんたちを知ったからです。

日頃から、違う園で働く同級生やたくさんの人達と積極的に情報交換してみてください。直接、見学や訪問するのもいいと思います。自分の中の保育の世界を少しずつ広げていくことができたら、きっと視野も広がります。選択肢も広がります。

給料が安いとか待遇がよくないとかネガティブな情報が溢れる中で、志を持って保育士という職を選んだ若者たちが、上司に恵まれなかったとか職場に恵まれなかったとかそんな理由で、数年で保育士を辞めていくのが悲しいです。残念です。後輩の笑顔を守れない上司の方が辞めたらいいのにって結構マジで思ってます。

ちょっと口がわるくなっちゃいましたが、保育士を目指す学生さんのことも、一生懸命働いてる保育士さんのことも尊敬しています。保育士は未来を創る素晴らしい仕事です。誇りを持ち続けてくださいね。

応援しています。

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《おまけ》
僕が、保育中いやな気持ちになった時に心が楽になった2つの方法。

①口笛を吹く
②「あー楽しいなー」って口に出して言ってみる

簡単なので騙されたと思ってやってみてね^_^


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