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ロルカを殺した男

今日はまだ不調から完全に復旧してないので
しっかりゆっくり休憩と言うことで
工房の机に座ってこの日記を書きながらボカタ食べてました。
すると画家のモイセがやってきて
娘さんが秋に日本へ行くことになったから
来週、彼女を連れて来るよって。
言いに来ました。

モイセはグラナダ出身の画家で
芸術、歴史、宗教などについて物凄い知識を持っています。
来るたびに何か教えてくれるので話は長くなるけどユーモアも満載で
とても楽しいお客さんです。

村の人々シリーズ。詳しくはこちら⤵︎

今日は娘さんの同僚が今、
旅行先のエチオピアで紛争に巻き込まれて帰って来れなくなってるっていう話から
戦争の話、広島の話、スペイン市民戦争の話、
戦後のスペインにアメリカがどう介入してきたか、
グラナダのアメリカに買われた山が削られてる話とか、
まあとにかく話は尽きません。

今回印象に残ったのは
フランコ政権によって射殺された詩人ガルシア・ロルカの話。
グラナダ出身の詩人なので彼にとっては地元民。
床屋だったモイセのお父さんが見習い時代、ロルカはお店のお客さんだったそうで、そのためお父さんはロルカの大ファンで
彼についてはいろいろ事情を知っていたそうです。

そして衝撃的だったのは、実際にロルカを射殺した軍人の顔を知っていて、
その元軍人を街で見かけた時、モイセに
「彼はロルカ射殺の現場で銃を撃ったうちの1人だ」と教えたそうです。
写真が残っているので名前は知られざるものの顔は分かるのです。
そして親子で山を散歩中に実際の射殺の場所も教えてくれたそうです。(衝撃の思い出。苦笑)
遺体、墓石はいまだにどこにあるのか分からないまま。それはロルカ信仰のようなもの(今でいうファンやフォロワーですね)の、反政思想のシンボルにならないように、その影響力を恐れて秘密にされた、
まさに謎のまま葬られることとなったそうです。

ダリやピカソも、彼らの暮らしていた土地に住んでいるので意外と身近に感じることがありますが、やはりグラナダではロルカが地着の人物像になるんだな、となぜか関心してしまいました。
それにしても実際に引き金を引いた人物というのは歴史上に名前が残っているわけではないけれど実在したことは事実。
私たちは歴史の教科書やドキュメンタリーで語られることで過去を理解しているけれど、歴史上にはどのくらい歴史を変えた無名の人々がいるんだろうね、
とモイセとしみじみ語り合いました。

ロルカといえば、
大学時代にスペイン文学の授業でロルカの作品について学んだ時、彼は詩人なんだけれど挿絵として彼が描いたひょろひょろの絵がどうしようもなく気に入って、先生の配ってくれたプリントをしばらく大事にとっておいてました。
その後、スペインへ来て、思い出したときに探していたんだけどなかなか見つからずにいたら
ある時、知り合いから譲ってもらったロルカの詩集の裏表紙にあの授業で見たひょろひょろの絵が!!!


この、なんとも言えない三日月をよく覚えていました。
Federico Garcia Lorca ちゃんと彼の名前になっています。



やっと会えた。
感動しました。

確か、アンディガルシアがロルカを演じる映画があったはず。
英語なんだけど。

授業で一部を見たけれどよく覚えてないので改めて観たいなと思ってます。

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