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刺激する自然、想像する私

5才の長女と13才の姪っ子を連れモリウミアスへ行った時の話。天気に恵まれ、子どもたちは山へ海へと、自然の恵みを一身に受けて充実した時間を過ごせた様子。長女は初めは姉貴分の姪っ子にべったりだったが、帰るころには他の子ども達と仲良しになっていた。最後の食事では姪っ子と離れた場所で食べていた光景を目にして、父はとてもとても嬉しかった。

雄勝の夜は息をのむほどの満天の星空で、私は時間を忘れて眺めていた。オリオン座でひときわ輝くのは恒星ベテルギウスだ。かの星から放たれた光は数百年かかって太陽系の青い惑星、地球に届く。そして日本列島の、宮城県石巻の、雄勝町のモリウミアスに立つ私の目に飛び込み、視神経を刺激した。

壮大な宇宙を前に、ちっぽけな自分を感じて心の平安が得られるなんて不思議である。そして、そんなちっぽけな人間のくせに、何億光年もの宇宙を想像できてしまうのだから、これまた人間て不思議な生き物だ。

思えば、人間と他の動物を隔てる唯一にして最大の違いは想像力なのかもしれない。テクノロジーが進歩してAIが普及すれば、社会課題の解決もやがて機械がやってくれるようになるだろう(と私は心のどこかで本気に信じている)。そうなったら人間の役割は一体何だろう。

私は、想像力を発揮して「こうしたい」「ああしたい」と具体イメージを描くことだと思っている。目指すものさえ明らかにすれば、あとは機械が最適なシナリオを描いてくれるだろう。これからの時代、知識以上に、いや、知識をテコに、今まで以上に想像力を育むことが大切になってくるはずだ。ふと、アインシュタインが「前進をもたらすのは大胆な考察であり、事実の蓄積ではない」と話していたことを思い出した。

どうすれば想像力が育まれるのだろう。
私は大自然に身を晒すことが一番だと考えている。人は満天の星空をみて、この宇宙の森羅万象を想像し、水平線をみて、その向こうに広がる未知なる世界を想像してしまうものだ。自然は強烈に我々をインスパイアする。パソコンやスマホなど、その足元にも遠く及ばない…

星空の下、そんなことをツラツラ考えていた。(そして子どもたちはベッドで爆睡していた。)

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モリウミアスは桑浜小学校と呼ばれていた校舎をリノベーションして使っている。当時の学校の標語がまだ残っているのだが、とても素敵なフレーズで大好きです。

ふしぎだなとおもう心
なんでもみようとする目
いっしょにあそぶ元気な体

モリウミアス
http://moriumius.jp

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