音の鳴る前に

音が鳴る。


視線はそれを捉えた。


その直後に生まれたのは途方もない無力感だ。


予兆はなかったのか。


なぜ見えていながら視ることができなかったのか。


いくら悔やんだところで、われわれは後ろへ進む権利を持ち合わせていない。


次は、


次こそは、


音の鳴る前に。

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