タンポポ

時は来た。

ここまで来るのにどれだけの時間が過ぎただろうか。

それこそ、雨ニモマケズ、風ニモマケる訳にはいかなかった。

口で言うよりも断然難しいことだった。

どれだけの仲間が雨ニモマケ、風ニモマケたことか。

それは、実際に体験したものにしかわからないことだ。

そういった困難を、私たちは、たしかに乗り越えてきたのだ。

そんなバックグラウンドを見せずに優雅に飛ぶ。

それがある種、私たちの役割と言えよう。

そうやって、私たちを見た何かが心を躍らせてくれるのなら、

私たちの「おわり」と「はじまり」を見せた甲斐があったというものだ。

また、春が終わる。

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