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香港の人達の食習慣も変わったなー

今日、聞いたNHK中国語のレッスンの中でこんなフレーズが出てきました。

「并非所有中国人都不吃冷饭。 因为饮食习惯正在迅速改变。」つまり「全ての中国人が冷たいご飯を食べないわけではない。飲食習慣はどんどん変わっていくので。」

という意味です。

その心はというと、中国では人々は冷たくなってしまったご飯を食べる習慣は無いとされて来たのですが、それも昔の話でモノの流通やライフスタイルが変わっていく中で、冷たいご飯でも気にせずに食べる人も出てきたということです。

もちろん、これは比喩として冷たいご飯が使われているのですが、食習慣が変わることがあるというのはその通りだと思います。香港で暮らしたこの20数年の間にも、香港の人々の食習慣が変わるのを目の当たりにしてきました。

例えばラーメン。

昔は香港人には塩辛いものは嫌いだ、体に悪い、と言ってラーメンに限らず日本食ですら避ける人達も多くいました。もちろん、その頃には一蘭も一風堂も三田製麺所もなかったですし、和食レストランもまだまだ珍しい存在でした。

和民のような居酒屋チェーンが進出し、今では和食は当たり前に食べれるようになりましたし、ラーメン店はどの街に行っても必ずあると言っていいぐらいになりました。塩辛いものは食べないよ、という習慣は絶対に動かせないものではなかった事になりますね。

日本は香港の人たちにとって第二の故郷的な存在となり、和食はスーパーで各種の食材や調味料が入手できる確実にレギュラーな選択肢なのです。23年1月現在、コロナ明けで日本に旅行することができるようになったたくさんの香港の人達が本場の和食を楽しんでいるはずです。

通称ラーメン屋さん通りの一軒「松壱屋」
通称ラーメン屋さん通りの一軒「豚王」

そして、香港における日本の食文化の広がりを考える場合に、このおにぎりについて触れないわけにはいきません。店頭では日本のコンビニなどと同様に冷たいままで売られています。

出店当初は香港で冷たいご飯が売れるわけがないからやめておけ、と多くの人に言われたそうです。

それが、いまでは圧倒的な人気で香港全域に100店舗を展開する一大ファストフードチェーンになっています。

問題はどうやってこれまでになかった商品の良さに気づいてもらうことができるかという点。このお店の場合は普及しかかっていた日本のお米を徹底的にアピールしたこと。敏腕のシェフを起用したこと。出店する場所やセントラルキッチンの確保などに協力な紹介者がいたこと、そしてもちろん、軌道に乗るまで資本を投下し続けることができたこと。etc。

コンビニやスーパーで地元メーカーなどが売っていたものに比べてはるかに美味しいから、後から考えると売れたのは当たり前に思えます。しかし、きちんとしたマーケティングだけでなく、異なった価値観("中国人は冷たいご飯を食べない")をひっくり返す大きなチャレンジがあった訳ですね。

ここまでビジネスを大きくするのはすごい事です。おかげで香港にいても美味しいおにぎりをいただくことができます。あとはいつも言っているのですが、どなたか日本のコンビニ並みのサンドイッチを売り出してほしいものです。

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