「偏差値1307」ってどのくらい強い?

東京メトロで開催されている「ジャンプ with 東京メトロスタンプラリー」。
南北線「東大前」駅のポスターは「ドラゴンボール」です。

※画像はこちらにあります
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1707/20/news126.html

『東大前駅ではサイヤ人のラディッツが「へ…へ…偏差値1307…………!?」と驚愕し』

さて、「偏差値1307」ってどのくらい「強い」のでしょうか?
数式が嫌いな人は最後の結論だけ見てください。

★ところで偏差値とは
試験の点数を「平均点50、標準偏差10」になるように変換し、異なる試験でも同じ尺度で測れるようにした数値です。日本の受験産業の人が考えたらしいです。
「標準偏差」は、大まかにいうと「点数のバラツキ」です。0点から満点までまんべんなくばらついていると標準偏差は大きくなり、みんな同じくらいの点数だと標準偏差は小さくなります。
標準偏差が小さいと、高い偏差値や低い偏差値が出やすくなります。偏差値は100を超えることもマイナスになることもあります。
※偏差値の算出そのものを問う数学入試問題の例が「2016年・横浜市立大学・医学部・[I] (1)」にあります。間接的に偏差値換算のことを問うている問題の例は「2017年・大学入試センター試験・追試験・数学I,数学I・数学A」にあります。

★概算してみた

偏差値が高くなる状況は「標準偏差が小さい試験で、1人だけ高得点を取ったとき」です。こういう状況を仮定してみます。

「n人が受けた試験(1点満点)で、自分だけ『1点』を取り、残りは全員『0点』を取った」

正確な平均点は「1÷n 点」ですが、nが大きく、平均点を「0点」とみなせるときを考えます。
・標準偏差:√(分散) で求めます
・分散:(偏差の2乗)の平均、で求めます
0点の人の偏差(平均点からの差)は 0 - 0 = 0 、1点の人の偏差は 1 - 0 = 1 なのでその2乗の平均値は
(0^2 + 0^2 + ... + 0^2 + 1^2) ÷ n = 1 ÷ n です。これが分散で、標準偏差は √(1 ÷ n) です。
(分散は (得点の2乗の平均) - (平均点の2乗) で求めることもできます)

1点を取った人の偏差は 1 - 0 = 1 なので、「平均点 (0点) からの差は標準偏差の何倍?」と考えると
1 ÷ √(1 ÷ n) = √n (倍)
これを偏差値に変換すると
50 + 10 × √n
これが 1307 に等しいとき
50 + 10 × √n = 1307
これを解いて
n = { (1307 - 50) ÷ 10 }^2 = (125.7)^2 = 15800.49

★結論
「偏差値1307」→「15800人が解けなかった問題を1人だけ正解した」。

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