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生き方は千差万別


いろんな生き方があるな、と昨日読み終えた本で知った。
それは、ニートの人たちが山奥で暮らしていることについて、代表の人が書いた本。
この人自身もニートだ。

限界集落と言われている地区が日本にはたくさんある。
和歌山県にあるこの限界集落も、もともと人口5人。
平均年齢は80歳を超える。

そこに、元養護教諭の方がNPOを作り、ご自身の貯蓄と退職金のほとんどを注ぎ込み、この限界集落の家を無償で譲り受け、ここにニートが住めるように準備をしていく。

代表の石井 あらたさんが移り住んで三日後にこのNPO代表の方は亡くなるが、その後もNPOは存続し、ニートから月18,000円を受け取ることで、
この仕組みは続き、現在15名が暮らしているらしい。

ここまで書いただけでも、それぞれの生き方があり、
自然と役割ができていることに気づきだろうか。

NPO代表の方。
この方の考えに賛同した、無償提供していた大家さん。
ニートの2人。
村の人たち。

それぞれの生き方があり、それぞれの役割がある。
どうやって生きていったらいいのかわからなくなっていた、元引きこもりの若者たちがこのニート村に救われ、村も救われ、彼らと地元の人によってゆるい共同体ができている。

これを立ち上げた方は、若者2人が来てくれ、まるで引き継ぐかのように、
亡くなってしまう。

この本を電子書籍で一気に読んでしまったのだが、一言感想を書くなら、「生きてればいいんだな」ということ。

国の政策がどうであれ、不況でも、デフレでも、仕事ができなくても、失敗ばかりしていても、人と付き合うのが苦手でも。
生きていれば、こうして居場所が見つかる。

その居場所には、役割が待ってる。
何かしら、自分にできることがある。
その場所では、その人にしかできないことだ。

今の日本は、あまりにも画一的に生き方を限定してしまった時代のせいで、そこにはまらない人たちは劣等感を抱き、罪悪感を持ち、社会と距離を置く。
それが引きこもりの原因のようだ。

でも、生きていたからこそ、ゆるいながらも共同体で暮らすことができている実例を見せてもらった。

私は多分ここには住めないが、(虫が無理だし、(逆に断られるかもしれないが)見学に行くのはありかもしれない、と思った。

それにしても、本来これは国や自治体がやるべきことで、個人の資産を切り崩してやるものではないと思う。
しかし、実際にはNPOの人たちの熱意で行政の届かない部分が補われているのだ。
その熱意と行動力には、頭が下がる。

このように限界集落を生かしていけば、一極集中による問題解決ができ、
多様性ある社会が誕生していく。
この本によれば、昔の方が多様性があったように感じるが。

多様性があれば、誰もが生きやすい社会になるし、
生まれてきた人が、どこかで生きていける場所がある社会は、
おそらくみんなに安心を与えてくれる。

毎月18,000円(今は、25,000円になっているそうです)で
暮らしていけると思ったら、安心しませんか?

本のご紹介をしておきます。



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