ローズの秘密の頁_

『ローズの秘密の頁』拝見、2/3~公開

映画鑑賞メモ

rose.ayapro.ne.jp/ ★★★★☆ 原題:The Secret Scripture

『マイ・レフトフット』『父の祈りを』で知られるアイルランドの巨匠ジム・シェリダンの5年ぶりの最新作は、ルーニー・マーラとヴァネッサ・レッドグレイヴをW主演に迎えて描く、およそ半世紀に及ぶ精神科病院生活を送ったある女性の愛の物語。

原作は、同じくアイルランドのセバスチャン・バリーによる2008年発表の小説。翻訳本は出ていないようです、、

舞台となるのは、第2次世界大戦下の1940年代。

アイルランドは、『マイケル・コリンズ』『麦の穂をゆらす風』などで描かれてきたように1916年イースター蜂起や独立戦争、内戦をへてイギリスから独立した後、北部6州が「北アイルランド」としてイギリス領となりました。

そして、『ダンケルク』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『人生はシネマティック!』などで描かれていた第2次大戦中は、イギリス側につくことはせず中立国の立場をとっておりました。

ローズは戦火が激しくなる中、北アイルランドのベルファストから、故郷でもあるアイルランドに疎開し、ある運命的な出会いを果たすことになるのです。


あらすじ

取り壊しが決まった、アイルランド西部にある聖マラキ精神病院。転院する患者の再診のために病院を訪れた精神科医スティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、赤ん坊殺しの罪で40年もの間収容されている老女ローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)を診察することに。

しかし、彼女は自分の名を「ローズ・マクナリティ」と名乗り、罪を否認し続けていた。グリーン医師は、ローズが1冊の聖書の中に秘かに日記を書き綴っていたことを知り、1人の看護師とともに、彼女が日記を辿りながら語り出した半世紀前の出来事に耳を傾けていく――。


疎開してきたローズ(ルーニー・マーラ)は美人で、アトラクティブ。ただいるだけで、ひと目につくタイプの女性でした。エイダン・ターナーをはじめ、町の男たちが声をかけてきます。テオ・ジェームズ演じる神父まで、ローズのことを気にかけるように。


『デトロイト』にも出演している『シング・ストリート 未来へのうた』の“お兄ちゃん”としても知られるジャック・レイナー演じるマイケルもまた、ローズと出会います。

マイケルは「パイロット求む!」状態だった英国空軍(ロイヤルエアフォース)に入隊しますが、地元には彼が英国側についたことを、快く思わない輩もいるのです。

そんなローズとマイケルは、はみ出し者同士。惹かれ合うのは必然だったといえましょう。


『マグダレンの祈り』『あなたを抱きしめる日まで』などで描かれてきたように、もし彼女が妊娠してしまったらどうなるか…。


真実の愛、永遠の愛はもちろんではありますが、ビジュアルやコピーほど甘くはなく、物語は残酷で、凄惨です。やがて明らかになる“秘密”には、涙があふれました。

ここ最近、このあたりの歴史にハマっているので、アイルランド側の戦争の犠牲の物語としても胸に迫るものがあります。






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