『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』海ドラ俳優、YES!の大活躍
映画鑑賞メモ
原題:The Post ★★★★★
ひと足先に『レディ・プレイヤー 1』を今日拝見して、スピルバーグ監督が同作のポストプロダクション作業を一旦脇へ置いてでも、「今、撮るべき作品」と9か月で完成させてしまったこの作品についても、改めて思いを馳せました。
最高機密文書とは、泥沼化するベトナム戦争について国防総省が作成していた客観的視点からの文書のこと。アメリカ政府は4代の大統領にわたり、その“事実”を隠蔽してきたのです。
ところが1971年、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープ。
ライバル紙に先を越された「ワシントン・ポスト(The Post)」もまた、記者たちの尽力で7000ページもの文書を手に入れるも、
政府は記事の掲載=報道の自由を、権力を使って差し止めようとします。
「報道の自由を守るのは報道しかない」
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』と同様、劇場の年齢層が高いと評判の(?)本作ですが、本当に久しぶりに知的でスリリング、それでいて十分にシネマティックで、エモーシナルな大人の映画を堪能した!という思いです。
特に、スピルバーグ監督の思いに応えたキャスト、スタッフたちの豪華さ。メリル・ストリープはカッコイイ上に、前後半でまるで別人のようなワシントン・ポストの社主キャサリン・グラハムを熱演。トム・ハンクスは「報道の自由を守るのは報道しかない」と、大事なことを二度言います。
現在の日本とたいへん親和性の高い状況を描いているのはもちろんなのですが
何より、大好きな海外ドラマの俳優たちが出ており、優秀な記者たちとして脇をしっかりと固めてくれたことがめちゃくちゃ嬉しいのです。
さすがスピルバーグ、自身もTVから出てきたわけですし、ハル・ベリーの「エクスタント」なども手がけていますから
昨今の人気ドラマもよくチェックしているのだと思います。
それは『レディプレ』でも感じたことです。
やはりひと際目を引いたのは、ワシントン・ポストでまず文書を手に入れたベン・バグディキアン記者を演じる「ブレイキング・バッド」「ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカークでしょう(贔屓)!
文書の作成者であるダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス!)と連絡を取る際、気が焦って小銭をぶちまけてしまうところなどは、「ベター・コール・ソウル」の主人公ジミーを彷彿とさせました。
この2人が出会った際には、なぜか早々に感極まってしまったほど。
スクリーンで活躍が見られるなんて、最高だなと。
スタッフも、撮影のヤヌス・カミンスキー、音楽のジョン・ウィリアムズを筆頭に“スピルバーグ感”がすごいこと!
ラスト、募る緊迫感の演出にもひと役買いつつ、当時は活版印刷でいかにして新聞がつくられていたのかをしっかりと写してくれたのも好感が持てます。
丁寧でした。
斎藤工が言っていた「バントでホームラン」は、本当言い得て妙だ。
■こちらでも海外ドラマ出身キャストについて触れています。
メリルやトムをサポート!海外ドラマ俳優が大活躍する『ペンタゴン・ペーパーズ』
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