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日本語教育の現場を見て話を聞くシリーズ1

はじめに

今の4年ゼミ生の中に,日本語教育に興味を持っている学生がいます。僕のゼミに入ってくる学生は,日本語教育にはあまり興味がないという学生が,実は多いのです。

ゼミでやっていることが,幅広く共生社会の実現に関する取り組みなので,日本語教育の色があまり濃くないということがあるんでしょう。学生たちの興味関心も,障がいとか性的多様性,地域づくり,映像制作など多様です。

まあ,僕自身が本務校で日本語教育に関する授業をまったく担当していないというのもあり,日本語教育を専門にしていることが学生に知られてない疑惑もあります…笑。実際,ゼミに入った後で,「ういちさんって日本語教育でそこそこ有名な人だって聞いたんですけど,ホントーなんですか?」と聞いてくる学生なんかもいて,これはこれでおもしろいなと思っています。

とにかく,そういう状態でも,数は多くないですが,日本語教育に興味があるという学生がゼミに入ってきて,日本語教育関連のプロジェクトに取り組むことがあります。

きっかけ

今,ゼミで日本語教育に興味を持っている学生たちは,「私たちは日本語教育の現場を知らない」という問題意識を持っています。実際に日本語教育が行われている場所に行ったことがない。学習者や教師に話を聞いたことがない。留学生として日本語学校に通っていたことはあるけれど,その学校以外で行われていることは知らない,などなど。

彼女たち曰く「知らないことだらけ」なのだとか。そして,「日本語教育をどのようにしていけばいいのかを考えるのに,現場のことをもっと知るべきだと思うんです,だからういちさん,そういう機会を作れませんか」とお願いされました。

おお,これは教員の出番かなということで,学生たちが多面的に日本語教育について知るために,いくつかの現場を見に行き話を聞く機会を作ることにしました。

それにしても1年以上ゼミで濃密に活動を共にしていると,学生たちのフォロワーシップも育つというのか,僕にどういうお願いをすると効果的なのか,僕に機嫌良く仕事させるにはどうしたらいいのかがわかっています。言い方はよくないかもしれないけど,僕の使い方が本当にうまくなってるなあと思います(もちろん最大限の賛辞です)。

今後

学生たちができるだけ多様な場をみたいということで,以下のような現場の訪問を考えました。

  • 地域の日本語教室

  • 子どもの学習支援教室

  • 就労者向けの日本語教室

  • 日本語学校

僕も見学をしたいと思っているところ,学生たちに「この人の話をぜひ聞いてほしい」と考えているところにお願いをしたところ,みなさんからご快諾いただきました。本当にありがとうございます。

本を読んだり理論を学んだりすることも大事だけど,同時に現場を見ることも大事だし,そこにいる人に話を聞くことも大事だと思います。特に,僕のゼミに入ってくる学生たちは研究者を目指しているわけでもないので,社会に出たあとでも,現場と人を大切にして生きていってほしいという僕の勝手な願いもあります。

もちろん,すべての現場は見られないし,すべての人の話を聞くことはできません。でも,そこに人がいて,その人たちの思いや生活があるということをどんなときでも意識し,一人一人を大切にする社会をつくっていってもらえるといいなと思っています。そしてもし,彼女たちが将来日本語教育に携わることがあるとしたら,ことばだけでなく,人や社会にも興味を持って取り組んでほしいとも思っています。

そういうことで,次回以降,見学の記録をぼちぼちアップしていきます。
※トップの写真は内容とはまったく関係ありませんが,通勤途中の景色です。

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