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『成人発達理論から考える成長疲労社会への処方箋』【読書】


 『疲労社会』に続いて、関連本として読みました。
社会に生産性、効率性が求められ、そのために個人が成長し、能力を発揮していくことを暗黙に求められることに対して、どのように向き合えばよいのか書かれている本でした。
能力主義、達成主義が過剰になることで、成長を煽られる個人が疲れてしまい、さらには社会が疲れてしまう「成長疲労社会」が今あることが示されています。

印象的だったのは、
『つまり私たちの成長は、今の成長段階における痛みや苦痛を引き受け、それをなんとか乗り越えていきたいという内側の呻き声に基づいて実現されるという側面があります。』

自分が見たくない痛みや苦痛をしっかりみることは、社会に煽られて疲れてしまわないために必要な処方箋であると解釈しました。
それらに目を瞑り、自分が見たいものばかりで過ごしていくと、やがて疲れてしまい精神的な疾患にもつながってしまうのだと思いました。
今までとは異なる視点で、痛みや苦痛を見てみることの大切さを感じました。

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