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二十四節気 立夏

次第に夏めいてくるころ
春分と夏至の中間にあたる時期

立夏

夏が立つ。
立ち上がるというのは、物事のはじまりをさしています。
私たちも、朝起きて、まず立ち上がらなければ、一日の活動がはじまりません。
パソコンの電源を入れることも「立ち上げる」といいますし、新しいプロジェクトの始動も「プロジェクトの立ち上げ」と表現します。

「思い立ったが吉日」という言葉がありますが、人のやる気って、5秒しか続かないそう。(本当かは分かりません…)
5秒以内に立ち上がっちゃえば、行動になるってことですね。
思い立つは、思ったら立ち上がる!
そうはいっても、おしり重たい日もありますけどね。

夏という人がいたとするならば、立夏は寝起きに立ち上がって、「さぁ~そろそろ夏するか~」みたいな感じでしょうか。
いったりきたり、揺れ動く土用の期間を経て、やってきた夏。
「立」という文字は、大地の上に人が立っている様です。
いっちゃえば、ただ立っているだけ。
立ち上がりからアクセル全開!とはいかないので、やってくる夏を楽しんで迎える気持ちを持てたらいいですね。

なんていったって、
五行でいうと、夏の感情は「喜」
喜という感じは、「鼓」+「口」でできています。
鼓は太鼓を表し、口は祝禱。
神に祈るとき、鼓をうって、神意を楽しませるの意味です。

感情って伝染しませんか?
あなたが悲しんでいたら、私も悲しくなる。
あなたが怒っていたら、私も一緒に怒りたくなる。
あなたが喜んで嬉しそうにしていたら、一緒に嬉しく喜びを感じる。

神意を楽しませるって、難しく考えないで、私たちが鼓をうって踊っている様子を見ていたら、神様も一緒に気持ちが「喜」になるってことじゃないでしょうか。

本当に鼓をうってもいいですが、楽しく過ごす。夏らしく過ごす。
太陽がさんさんと降り注ぐ夏を満喫する。
それが、一番の「喜」、夏という季節なのかな、と思います。

端午の節句

2022年は立夏とこどもの日が重なりました。
こどもの日は、端午の節供とも呼ばれ、五節供のひとつです。

元々は、
端午の「端」とははじまりのこと
「午」は干支の午 午の日のことを指し、旧暦の五月の初めの午の日が転じて、5月5日に節供を行われるようになりました。
(節供の数字の考え方は、啓蟄 の記事に記載)

こどもの日に飾られるのが、こいのぼり。
最近では、空高く泳ぐこいのぼりを見かける機会も少なくなりましたが、風の中、気持ちよく泳ぐ姿は、とってもさわやかな気持ちにさせてくれます。

こいのぼりが飾られる由来は、中国黄河の上流にある、激流の竜門を登ることのできた鯉は、龍になって天を翔けるという鯉の滝登り伝説からきています。
また、「登竜門」という言葉の由来にもなっています。

易経にも、登竜門を表した「沢地萃」という卦があったり、そもそも易経の一番初めの卦「乾為天」は、潜龍から飛龍への物語となっています。

ちなみに、龍の鱗は、1枚だけ逆向きについていて、それに触れると龍が怒り狂うことから「逆鱗に触れる」という故事があります。

さて、そのこいのぼりの一番上についているもの…
車輪じゃなくて、もう少し下の…「吹き流し」

吹き流しは、5色でなければなりません。

陰陽五行の世界では、五行とは、木(青)火(赤)土(黄)金(白)水(黒)。
世界のすべてをこの5つで表現しています。

この五行を天に高く掲げる。

五行を結ぶと、五芒星が描けます。
筆を離すことなく五行を結ぶことのできる五芒星は、結界を張るのにつかわれてきました。

子ども、特に今は、男の子の成長、立身出世を願って立てられるこいのぼりですが、その子を守ってくださるようにと、天に掲げ、降りかかる難から、結界を張ってくれているのが、この五行(五色)の吹き流しの役目です。

だから、4色だと、このいわば呪術が完成しないんですね。

私たちの文化の中には、説明されていないけれども、静かにその根底を支える東洋思想があり、それが受け継がれてきた時間という力があるのです。

七十二候

蛙始鳴 かえるはじめてなく
冬眠から醒めた蛙が 野原や田んぼで鳴きはじめるころ

蚯蚓出 みみずいずる
冬眠していたみみずが 土の中から出てくるころ

竹笋生 たけのこしょうず
たけのこが出てくるころ 

ありがとうございます!