見出し画像

本の記憶#2 雄気堂々 城山三郎著

想像していた印象と違っていました。

僕は、その人のことを、一本槍のような人だと思っていたのです。

一度決めたことは決して曲げずに、誰に何と言われようとも突き進む。「いいから俺についてこい」タイプ。勝手にそう思っていました。

でも、実際には、実にしなやかに、柔らかく生きた人だったんですね。

時代の変化を巧みに読み取り、先を見据えて行動する。行動には、緻密な計算の裏付けがあり、だからこそ、常に結果を出し続ける。志は果てしなく高いが、判断は冷静で実利的。

そういう印象でした。

*****

「渋沢栄一」。次の一万円札の顔になる人のことです。

みずほ銀行、王子製紙、JR東日本、東急、東京海上日動火災保険、帝国ホテル、日本郵船、東京証券取引所、東京商工会議所、理化学研究所などなど。500を超える企業・組織の設立に携わったスーパーでスペシャルな人。

*****

昔、渋沢栄一が著した「論語と算盤」を読んだことがあります。感動しまくりでした。人生の必読書だと思います。

それをきっかけに、渋沢栄一という人の人生に興味を持ちました。どういう時代にどういう人生を送ったのだろうかと。

そしたら、城山三郎の「雄気堂々」という小説に出会ったのです。

この本は、「一農夫」であった渋沢栄一が、「近代日本の最高指導者」になるまでの生き様が、見事なまでに生き生きと描かれています。

*****

21世紀の現代は、予測困難な時代と言われます。でも、渋沢栄一が活躍した幕末明治維新の時代も、相当に予測困難で、変化の激しい時代だったと思うのです。(だって、ちょんまげが切り替わった時代ですよ。)

だからこそ、予測困難な時代に、何かを成し遂げるためには、何が必要か。この本が教えてくれることは、現代を生き抜く人に対して、実に多くの示唆に富んでいると思うのです。




この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

お気持ちは誰かのサポートに使います。