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2023年に最も注目すべき国であるインドについて現状を知っておこう

2023年は世界舞台においてインドが極めて重要な注目すべき年

2023年はインド元年と言われるほど、インドの台頭について、世界で最も注目すべき国の一つであると言えます。

2023年には、インドは中国の人口を抜き、世界一人口の国になり、さらにインドは、急速に経済成長を遂げると言われています。

インドは2023年に、G-20と上海協力機構 (SCO) の両方の議長を務めることとなり、2024年の総選挙に向けて準備を進めており、世界中から指導者を迎える準備を行っています。

2023年はインドにとって、飛躍的な成長を遂げる可能性が大いにあり、今世界で最も勢いのある国として、注目を浴びています。



1. 世界の舞台に立つインド: マルチアラインメントの外交政策を示す


マルチアラインメントとは、化学的に複数の橋渡しをするという意味の言葉で、インドが、いろいろな国や立ち位置の中で、潤滑剤のような存在になるといことを表しています。

2023 年、インドは、東と西、北と南の両方の国際間のいろいろな立ち位置に対して、橋渡しをする立場として、中心的な立場になるような力を持ち始めようとしています。

インドは、西側諸国との関係性を深めるだけでなく、ロシアや中国との関係性も微妙な立ち位置でバランスよく関係性を保っており、今後のインドの立ち振る舞いが注目されています。

現在、インドは世界のそれぞれの立場を越えて活動できる強力な立場にあります。

世界で最も急速に成長している経済の1つとして、インドはすべての側の国々から求愛されており、潜在的に橋渡しになる可能性があります。

インドは、IMFが2023年に6.1%、2024年に6.8%成長すると予測しており、最も急速に成長する経済圏の1つになると推測されています。

インドは、市場が成長しているため、投資家に求められ、ダボス会議でも、話題の中心的な役割になっています。

インドがこういった、さまざまな立場の国々と、良好な関係性を築いていくことは、世界の平和への橋渡しになるとも考えられています。


上海協力機構 (SCO) において、インドは、ユーラシア大陸の関係性を繋ぐ役割を担ったり、テロ対策、アフガニスタンの安定性において、重要な役割を果たします。

Quad(クアッド:日本、米国、オーストラリア、インドの安全保障や経済を協議する枠組み)では、アメリカを中心とする西側諸国の関係性を良好に務める重要な役割を果たします。


また、G-20の議長を務めるインドは、グローバルなリーダーシップの立場を確立させようとしています。

2023年9月に開かれる、G-20サミットで、インドが世界の指導者たちの中心的な役割を果たすことは、世界から見たインドの重要性を再確認する絶好の機会になることでしょう。

ここ最近では、ロシア・ウクライナ情勢で懸念されている、世界の分断の危機について、インドが東西のコンセンサスの仲介役になるということは、国際的な影響力を益々高めることになるでしょう。

インドは、ロシア・ウクライナ戦争や民主主義国家と独裁国家との間の価値観の衝突などの分断的な地政学的問題を世界の国同士の意識から遠ざけることを言及しています。


そしてインドは、気候変動の集団的懸念により、世界の分断という危機を、違った側面から取り組む、包括的な方法で世界の繋がりを保とうと、呼びかけています。

インドが狙っている、世界の分断の危機を回避する方法として、気候変動への対応と産業発展のための開発を世界で推進させていくことを呼びかけることで、世界を平和に維持していくことを計画しています。

現在のように、アメリカと中国との衝突の危機に面している局面であっても、インドのG-20におけるリーダーシップが成功を収めれば、インドの立場への世界的な評価がとても高いものになる可能性が大いにあります。



2. 「認知的不協和の年」: インドとロシアおよび中国との関係


インドと中国およびロシアとの関係に関して言えば、2023 年は「認知的不協和の年」と表現される可能性が非常に高いでしょう。

「認知的不協和の年」とは、矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語のことですが、インドとロシアおよび中国との関係性がまさにこの関係だと言えます。

インドはこれまで、ロシアとは長年にわたる、友好国であり、ここ最近まで、インドでは、ロシアから大量の軍事兵器を購入したり、石油を輸入したりと、良好な関係にあった。

中国とインドの国境であるチベットでは、小さな紛争がたびたび起きており、国境問題のたびに、国同士がもめることになった。


ただ一方で、インド企業にとってやはり中国産の素材や部品が不可欠であり、経済的に切っても切れない関係性にあったのである。

ロシア・ウクライナ戦争の間で、インドはどちらの見方をするということはなく、中立的な立場を表明しており、2023年の今年もインドはその立場は変わらないものとみられている。

インドは、上海協力機構 (SCO)の議長を務めるとき、ロシアの参加を歓迎し、ロシアの石油を安価で大量輸入し続けるでしょう。


インドは中国から見ても、差し迫った脅威であり、また、必要なパートナーであると認識しているようです。

2020年のインドと中国の国境紛争は、戦術的レベルでも戦略的レベルでも未解決のままであり、最近では、2022年12 月に、中国軍がインドの陣営に対し、比較的大規模な攻撃を行いました。

インドでは、多くの国民が、中国を第1の敵国と見なしています。

しかし同時に、二国間貿易は活発化しており、ナレンドラ・モディ首相は、中国の習近平国家主席が他の世界の指導者と共に2019年以来初めてニューデリーを訪問し、関係性を深めています。



3. インド総選挙への見通し: 2024 年を見据えて


米国と同様に、インドでも選挙は常に行われており、総選挙を控えた1年間は、選挙運動が活発になります。

モディ首相の政府は、2023年のイベントを利用して、2024年のキャンペーンを成功させるための土台造りをする予定にしています。

2023年は、インドは、世界トップの経済成長が期待されていること、G-20と上海協力機構(SCO)の議長国によって影響力のある成果を上げることが期待されています。

インドでは、2024年度の予算について、いくつかの主要分野への積極的な投資を発表しています。

その投資の内容とは、税負担の軽減と税制の簡素化や、グリーンエネルギーへの投資が発表されています。

これまでのインドの指導者は常に主に国内政策と政治に焦点を当ててきましたが、モディ首相は2023年にインドの成長する国際的地位を得ることに着目した政治を目指していくことになるでしょう。


これまでのインドの政治的な、他国への依存や搾取するなどの関係性ではなく、国同士が良好なパートナーである関係性を築いていくことに注力していくものと思われます。

インドの選挙活動では、外交政策が選挙に影響を及ぼす割合が非常に小さいものであったものの、モディ首相の強力な外交政策で、外交イメージの強い首相であるアピールになることでしょう。

インドと中国は、国境問題を抱えながらも、経済的に切っても切り離せない関係性にある中で、インド国内では、中国を敵とみなしている人の割合は非常に高いものとなっています。

中国との緊張を深めるアメリカでは、インドとの関係性をこれまで以上に良好なものになるように歩み寄っていくことが考えられます。

そのような情景から、中国にとっても、インドとの関係性はこれまで以上に重要な役割を果たすものとなり、今後ますます、インドの立場が重要なものとなっていくでしょう。



4. 注目すべき危機の可能性とショック


インドでは、国際的な知名度を高めてくことについて、インドの指導者であるモディ首相は、これまで以上に指導者としての手腕が問われることになります。

ここ数年間の世界の出来事において、パンデミック、国内の抗議行動、気候に起因する災害、および経済的ショックにしっかりと対処し、インドという国がそれらの危機を乗り越える能力があることを証明してきました。

インドと中国の国境以外にも、インドはパキスタンとの国境の問題があり、もしこの国境問題が引き起ってしまうと、インドはその国境問題を解決できない可能性があります。

インドとパキスタンの間の最後の大きな危機は、2019年のプルワマ攻撃でした。

インドとパキスタンとの国境問題は、2021年2月以降に、両国間の停戦により、この紛争が治まりました。


しかし、この停戦はインド・パキスタン関係の他の分野(国境を越えた貿易の再開など)の正常化や関係修復にはつながっていません。

インドとパキスタンはいずれも総選挙の時期を迎えようとしており、パキスタンでは2023年、インドでは 2024年に総選挙が予定されています。

これらの選挙の影響で、別の危機が発生した場合に、解決策を示すよう新しい指導者の真価が問われる可能性があります。

特に、2019年の危機は、インドの前回の総選挙に先立って発生し、インドの対応は、モディ政権の選挙の見通しに有利に働くものであるという見方がされていました。

2022年12月に、インドと中国の間の実際の支配線 (LAC) に沿った衝突では、公式に報告された死亡例はありませんが、数十人の負傷者が出ました。

この紛争では、インドと中国との国境問題が緊張状態にあり、未解決のままであることを浮き彫りにしました。

インドと中国は、国境で​​の衝突がエスカレートする可能性は低いと考えていますが、これにより、(パキスタンと中国との国境で衝突が発生する可能性が高くなるというインドの懸念が高まることになります。



5. 2023年に最も注目すべき国はインドである


ここまで、2023年における、インドに注目すべき理由について、解説していきました。

2023年にインドは、G-20と上海協力機構 (SCO) の両方の議長を務めることになり、大注目の年となっています。

そして、経済成長が著しいインドでは、台頭していく新勢力として、経済的にも非常に注目を浴びています。

さらに、インドでは、アメリカ、中国、ロシアとの関係性に非常に微妙な立ち位置にあり、それゆえ、ロシア・ウクライナ戦争における、世界の分断に歯止めをかける注目の国となっています。

このように、世界経済や国の動きに注目していくことは、今後の国同士のふるまいだけでなく、世界における、個人の進むべき方向にも影響力を及ぼすような内容になっています。

今後ますます、発展していくインドについて、目が離せません。


今回のこの記事は以上になります。


ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。


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