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『さよならミニスカート』を読んで。

やっと『さよならミニスカート』を読みました。
連載開始時に、りぼんの編集長がメッセージを公開して話題になっていたことで記憶にある方も多いのではないでしょうか。

試し読みで面白いなと思ってて、1巻が発売されたということまでは覚えてたんですが、すっかり頭から抜けてまして。
少し前にInstagramの広告で見て、そういえばまだ読んでなかったなと思いKindleでダウンロードして読みました。

あらすじを簡単にいうと、ある高校に通う1人の女の子・神山仁那の話です。
仁那は学校で唯一スラックスで通っていて、雰囲気もふるまいも男の子っぽい。そんな彼女の繊細な一面に気づいたクラスメイトの男の子・光が、仁那に関わっていくことで物語が展開していきます。
一体、仁那が抱えてる秘密とはなんなのか。

試し読みができるので、未読の方はこちらへ。
きょうは無料公開されてる範囲で感想を書いていこうかなと思ってます。

りぼんの編集長がメッセージを出したのも納得できる「ただの少女漫画じゃない感」が試し読みの部分だけでも伝わってきました。
まず率直に、これがりぼんに掲載されてるってすごい。『さよならミニスカート』を読んで励まされる女の子や、いろんなことに気づかされてる女の子っていっぱいいるんじゃないかなと感じました。

作品のテーマというか、私なりに感じたことは「アイデンティティってなに?」ってこと。
女の子として生まれてきて、女の子として生きていく自分との向き合い方。また、男の子に関しては光を通じて、男の子としてどう生きていくか。どう女の子と接していくか。
そういう目には見えないけどたしかに存在してる「自分らしさ」について考えさせられる作品になっていくのかなと思います。

りぼんの読者対象となる小学生・中学生くらいの女の子って、「女の子」として見られることへのモヤモヤとした違和感や悩みをすでに感じてると思うんです。
昔のことなので具体的には思い出せないけど、私自身もそういう類のモヤモヤを抱えていました。

”好きな人に嫌われたくない。”
”でも、自分が思ってもないようなことはしたくない。”
”異性に可愛いと思われたい。”
”でも、私って本当にこういう服を可愛いって思ってるのかな…。”

思春期の頃って、そういう葛藤があったなー。
だけど同時に、いまもそんなに変わらないなと思いました。
だから、りぼんを卒業した私が読んでもハッとすることが多かったんでしょう。
仁那の印象的なセリフがあります。

「スカートは、あんたらみたいな男のために履いてんじゃねえよ」

「かわいい」(スカートであったり、流行りのファッションやメイクであったり)って一体誰のためにあるんだろう?ってすごく考えてしまいました。
好きな人?周りの人?自分?

大人になるにつれて、物語で言うところの「ミニスカート」ってどんどんどうでもよくなっていってしまうような気がします。
なんだっていいって妥協してしまうというか、立ち向かわずに上手く躱せばいいんだって思っていくものだと思うんです。

そうやってみんな、どこかのタイミングで「ミニスカート」を手放す。
仁那もそうです。
傷ついた原因は、自分のせいじゃないってわかっているのに。
だけど、私たちって本当は何も諦めなくたっていいんですよね。

仁那がどうやって「ミニスカート」を取り戻すのか。
1巻の終わりから既に怒涛の展開になっていて続きに気になります。


eri


■漫画もいいけど講談もハマってます

■ライブに行くのも好きです。

■本業は事務です。


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