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どこにでも〇〇がある東京って最高。バンクーバーに来てそれが普通じゃないと気がついた

こんにちは。うめ組ランジェリーです。

ところで「うめぐみ」の由来は、子どもの頃、私の名前を「うめぐみちゃん」だと思っていた同級生のお母さんがいたからです。なんでやねん!と子ども(だった)ながらに突っ込みたい。

バンクーバーに来てから、日本が恋しい?とよく聞かれます。個人的には、特に(バッサリ)。友だちや家族には会いたいな、と思いますが、東京での生活(アスファルト…コンクリ…暑…人混み…狭い…)が恋しいかと言われるとそうでもない。日本のハイクオリティ・ハイコストパフォーマンスなレストラン、居酒屋、コンビニ飯も懐かしくは思いますがそれほど恋しいとは思わないし、それよりも住宅街に一歩踏み込めば森林浴、自然が豊かで、健康的なライフスタイルを持っている人が多いバンクーバーでのシンプルな暮らしが気に入っている。もうそろそろ、帰るんですけどね…涙…。

でも、ただ一つ恋しく思ったもの、それは本!!!バンクーバーに来て、どこにでも「本屋」がある東京ってすばらしいな、と思いました。

本が大好きだった子どもの頃

子どもの頃は図書館っ子でした。理由はおそらく、わたし小さい頃めちゃくちゃ人見知りだったのですが多分人にはすごく興味があって、本の世界って人の感情を疑似体験できるから面白かったのだと思います。

今でもよく覚えているのは、小学校の課題図書で読んだこの本や、

この本や、

ハリー・ポッターシリーズは衝撃的な面白さで夢中になって読んだけれど、そのあとはまったのがダレン・シャン。なりたくもなかった吸血鬼になってしまった男の子が弟子入りして成長していく、ちょっと悲しいファンタジー。

本屋と読書はいつでも私の心のオアシスだった

子どもの頃の反動か、大人になるにつれて我ながら劇的に社交的にはなったものの、同時に人と一緒にいすぎると疲れることもあり、本を読む時間は私の大事な心のオアシス。

社会人になってからは本を遠慮なく買えるようになり(自己投資ということで本を買うお金だけはケチったことがない)、どこかに出かけても時間が少しでもあれば必ず本屋に立ち寄っていました。

新刊や売れ筋の棚を眺めると、今世の中の人がどんなことに興味があるのかが分かるし、書棚を練り歩くと自分が今何に興味があるのか、どんな課題を持っているのか、どんな気分なのかが分かる。逆に本屋に行っても何にも興味が湧かないときは、インプットではなくアウトプットを欲していたり、人との交流や何か別の体験が必要な時だったりする。

カナダに来てからは本をほぼ読んでいないので、帰国したら読書欲が爆発しそうで楽しみなような怖いような…。

カナダでは東京みたいに、そこかしこに「本屋」はない

東京では、駅ナカや駅の近く、商業施設内に本屋があるのが当たり前だったけれど、それがグローバルスタンダードではなかったのだとバンクーバーで気がつきました。

バンクーバーでは、いわゆる新書を取り揃える"本屋"は、Indigoというお店で、バンクーバー内になんと3店舗だけ(お隣のバーナビーに1つ)。洋書は比較的高いので、誰でも気軽に何冊も買えるものではないのだと思います。

それ以上にたくさんあるのは古本屋さんと、VPL(バンクーバー公立図書館)。実際VPLはかなり良くて、DVDも沢山あるし(もちろん無料で借りられる)、日本語が恋しくなっても大丈夫、日本語の本も漫画も結構な数置いてあります。もちろんESLコーナーには英語学習の教材も山ほどあるので、日本から英語教材を持ってくる必要はないと思います。

いつか洋書でもストーリーだけに集中できるようになりたい

本ラバーな私にとって、洋書は英語学習にもってこいだ!!と思い、いくつか購入したものの、読み切れた本、ゼロ……。単語の意味を調べたり英語を理解することに必死なので、ストーリーになかなか集中できないのです。それどころか、数ページ読むのに数時間を要す始末。

このnoteを書いたのが最後、帰国までに洋書再チャレンジしてみます。ちなみに日本から持ってきた唯一の洋書はこれ。

いやいや、キンドルあるやん、というツッコミは受け付けません(私がいちばん分かってはいる…)。

以前日本語版を読んで、めっっちゃくちゃ面白くて感動したので、オリジナル版(英語)も味わってみたかったのです。もし読んだことない人はぜひ。→ SHOE DOG(シュードッグ) (日本語)  (東洋経済新報社, 2017)

翻訳本ってすごく質が高いな(翻訳されるほどの本なので当然かもしれませんが)、と思います。英語の持つ独特な言い回しや性質もあると思いますが、日本語とは違う味わいで語られる仔細な描写の仕方も好きです。

日本語版も同様ですが、SHOE DOGの英語版もはじまりの文章から引きつけらます。

I was up before the others, before the birds, before the sun. I drank a cup of coffee, wolfed down a piece of toast, put on my shorts and sweatshirts, and laced up my green running shoes. Then slipped quietly out the back door. .......(中略)...... Why is it always so hard to get started? 
There were no cars, no people, no signs of life. I was all alone, the world to myself─though the trees seemed oddly aware of me. Then again, this was Oregon. The trees always seemed to know. The trees always had your back.

早朝、まだ日も昇らない、鳥のさえずりすら聞こえない朝に、24歳のフィル・ナイトが故郷、オレゴンの木々の中を駆け抜けていく。自分は何をしているのか、履歴書上では十分に大人になった自分、だけどもまだ何も成し遂げていない自分に戸惑いを感じながら。

オレゴンなんて行ったこともないのに、そんな早朝にランニングをしたこともないのに、まるでそこに自分がいるかのように頭の中に情景を思い描いてしまう不思議。

この本はナイキ創業者であるフィル・ナイトの"創業秘話"と解説にありますが、よくある自己啓発本(成功秘話)のようなものではなく、フィル・ナイトの自伝、人生そのものです。オレゴン大学を卒業し、まだただの一人の若者だった彼が、その後ナイキを創り上げるまでに人生で味わってきた喜び、怒り、焦り、悔しさ、悲しみ…過ぎていく日々の中で起こるさまざまな出来事と揺れ動く感情、頭の中が手に取るように伝わってくるストーリー展開は胸が詰まるほど。読み手が何を想像し、どう感情移入するかは人それぞれですが、とにかくおすすめ。

次のnoteで、カナダに来てから心のオアシスだった本屋と読書(日本語)の習慣がなくなってどうなったかについて書く予定です。

トップの写真:Waterfront Station
最後の写真:Trees Organic Coffee @738 Granville

ありがとうございます。下着作りに活用させていただきます🎀✨