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君たちはどう生きるか

「君たちはどう生きるか」を見てきた。
前情報がないってことは…前情報がまったくないところで見ることをお勧めされているのだろう…と理解し、これは、初日に行くのが適切であろうと判断し、初日に見に行った。

ジブリのアニメって何度も見るうちにいろんなことが見えてくるし、何度見ても面白いってところがすごい。

もちろん、今回の「君たちはどう生きるか」も一度見ただけではわからない、何度も見たい映画。


映画のもとになっている小説「君たちはどう生きるか」は戦時中、1937年に出版されている。少年時代にこの本を読んだ、宮崎駿監督の世代が、戦後の、この時代を築いてきた。人生も終わりに近づいている今だからこそ、伝えたいことがたくさん詰まっているように思えた。

宮崎監督現在82歳、前作、風立ちぬは10年前だから72歳。一度は引退表明したものの、引退を撤回して、つくった作品。常に命がけで制作していたんだと思うけど、ハウル、ポニョ、ラピュタ、もののけ姫、千と千尋、カリオストロの城、トトロ…今までのジブリ作品の欠片が散りばめられていて、宮崎監督の生命が込められた作品のように思えた。

言葉を超えた表現(前半はセリフがほとんどない)
ユング心理学の「シンボル」のように、登場するもの、ひとつひとつ、ひとり、ひとり、が、シンボリックで、メッセージ性が高い。何度か見て読み解いてゆきたいところ。


タロットカードの「塔」「愚者」のイメージも感じる。



生前説、輪廻転生、魂は生まれ変わる
出産は「塔」タワーの崩壊であり
人はみな「愚者」「0」の状態で生まれてくる




生まれるときは丸裸、何も持っていない、
でも、「こんなふうに生きたい」「こういう世の中をつくりたい」
あちら(天国)の世界で決めた「意思」だけは握りしめて生まれてきている
成長していくうちにそのことはすっかり忘れてしまうのだけど、
世間の荒波にもまれているうちに、「忘れていた何か」に気が付く。
持って生まれた「意思」を思い出してゆく。



宮崎駿監督から、「さあ、君たちはどう生きるんだい?」とはっぱをかけられたみたいな気持ちになる。

どう生きる?


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