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紙1枚の読書 文鳥文庫『蜜柑』芥川龍之介

本を読むときのカウント、1冊、2冊じゃなくて、1ページ、2ページでもいいんじゃないかしら。
この文鳥文庫をはじめて見たとき感動したなあ。すごいよ、お菓子の缶とかに入ってる説明パンフレットくらいの薄さに、「走れメロス」とか「注文の多い料理点」とか1作だけが印刷されてて、それが1つ200円とかで売られててさ。

本=紙の束の概念が壊された。1編だけ、1枚の紙に8ページで印刷しても、それも本かもしれないって。


文鳥文庫、いろんなシリーズが出てるけど、とても好きなのは芥川龍之介の『蜜柑』。一度読んだら忘れない。煤けた汽車のなかの鮮やかなオレンジ。主人公の苛立ちから感動への爽快感とともに、思い返すだに後味のよいお話だと思う。



1枚の紙で短編を読むのも、青空文庫で画面をスクロールして読むのも、ぜんぶ読書でいいじゃんって思ってたら、おっと見つけた。朗読!
しかも、情熱大陸のナレーターの、あのええ声で…!

聴くのも読書でいいよね。
『蜜柑』、聴いてもすばらしい。というか、こういう絵画的な小説作品は、音で聴くのに適していそうだ。紙芝居になりやすい話というか。


うめざわ
*むかし、元農家のおじいちゃまとお出かけしたとき、水分補給ねって、ぽんとみかんを渡されたときは驚いた。むかしは水筒なんかもないから、冷凍みかんが水筒代わりだったと。

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