みなさんは「愚痴」に対して、どのような印象を持っていますか？
「愚痴を言っても根本的な解決にはならないのだから無駄」という人もいれば、「同僚と飲みに行くと、つい上司の愚痴大会になってしまう」という人もいると思います。
愚痴を言う、言わないはその人の性格や考え方も関係しますが、何よりも周りの環境によるところが大きいでしょう。周りのものごとや人に対して不満のある人や、現状に納得のいかない人の方が愚痴は多くなりやすいものです。
世間的にも賛否両論のある愚痴ですが、ストレスの解消の面から見ると愚痴を吐くことも、ときには必要だといえます。
誰しも予想外の出来事や、他人の言動でストレスが溜まったことはあるでしょう。例えば理不尽なことで怒られたり、急に仕事を振られたりしたときは、もやっとしますよね。
このような予想外のストレスが蓄積した際に、それを解消する方法として、愚痴は有効でもあります。
「愚痴」という言葉の響きがあまり印象よくありませんが、愚痴を「自分の気持ちを吐き出す」と言い換えるとどうでしょうか？
「自分の気持ちを吐き出さないほうがいい」言われると、むしろ自分の気持ちを吐き出す場を奪われ、余計にストレスが溜まりそうですよね？
とある調査で、いわゆる主婦同士が集まって行う「井戸端会議」の効果を調べたところ、なんと９割を超える主婦が「井戸端会議によって気分転換やストレス解消がはかれる」と解答したそうです。
井戸端会議も愚痴と同様に気持ちを吐き出す方法なので、愚痴を言うこともストレス解消になるということです。
愚痴自体では何も状況は変わらないですし、本質的な解決になっていないのかもしれませんが、それでも愚痴によってストレスが緩和されているとしたら完全否定はできません。
また、心理学的な面からいわれているのは、女性のほうが女性同士で悩みを共有しやすく、男性よりもストレスの発散が上手だということです。たしかに井戸端会議もそうですが、女性の方が女子会などで集まる機会が多いように感じます。
愚痴や悩みを互いに話すことが直接的な解決にならなくても、思考の整理や気持ちの発散につながっているのです。逆に男性は、日常的に愚痴や悩みを溜め込みやすいので、意図的に自分の気持ちを発散するところを見つけておいたほうが良いでしょう。そう思うと、仕事帰りのサラリーマンが行きつけのスナックに通う、というのも納得感があります。
ただ、気をつけてほしいのは、タイトルにあるとおり”ほどほどに”愚痴る、ということです。
愚痴を言うはずが、悪口大会になってしまったり、毎日愚痴ばかりになったりしないように気をつけましょう。エスカレートしすぎると、自分のネガティブな気持ちを増幅させてしまい、愚痴を聞く側を疲弊させてしまうことにもつながります。
あくまで愚痴はほどほどに。また愚痴を言うときは、「ちょっと愚痴ってもいい？」と相手に伝えてから話すようにしましょう。愚痴をずっと聞いているのが大変なのは、自分も相手も変わらないですからね。