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投資#134 お金を使うにはセンスが要る


書籍の情報


タイトル:コスパ病
著者:小島 尚貴
発行日:令和4年11月3日増補改訂版

書籍の一部要約

  • 日本文化の象徴の一つである畳は、表面に縫い付けるござのような形の「畳表」と、厚みを固定するために内側に詰めこむ「畳床」の二つの部分を縁(へり)で縫い付けて構成されている。

  • 広島県と岡山県をまたぐ地域が国内最大の産地で、福岡・熊本も産地でしたが、一九六〇年代から七〇年代にかけて、熊本県南部の八代地方が追い上げた。旧産地である岡山、広島、福岡の産地問屋や卸売業者は、新たな産地になったハ代を取扱い先(仕入れ先)としていく中、一九八〇年代には、その産地拠点を中国に移行し始め、中国産のい草を輸入する開発輸入を行うようになる。

  • 開発輸入業者は日本に近い浙江省で、「日本に輸出するためのい草」の栽培と畳表の製造し、品質が向上した中国産のい草を大量に日本国内へと流入させ、価格競争力の獲得と強化を図った。「日本人主導で中国で生産されたい草による中国製の畳表」が、日本に大量輸入された結果、八代のい草栽培面積は一三年でなんと七二・九パーセントも激減した

  • 当初は危機感どころか警戒心さえ抱かなかった関係者もいたが、栽培法と品質管理を熟知する日本人の技師、専門家が中国で指導を続けた結果、八代の畳表はたった数年で土俵際に追いやられた。

  • 「格安で、畳に見えて床に敷ける」という点で、中国製の畳表は「コスパと機能性」という条件だけは満たし、見た目が畳であれば、原料や品質の良さを判断できるだけの知識を持つ消費者はほとんどいないので、価格面の訴求は消費者にとって魅力的で、開発輸入業者の目論見通り、その安さは購入の動機となった。

  • 当時の中国の人件費、土地代、製造コストは日本よりはるかに低く、日本一の生産規模と価格競争力を武器にしていた八代から翼をもぎ取るには、中国産のい草・畳表は十分すぎる破壊力を備えていた。そして、日本人業者によって、日本人を相手に仕掛けられた「日本人同士の経済内戦」は、産地の人たちの想像を絶するものだった。

感想


ちょっと前に住んでいた家には、
畳がありましたが、引っ越してからは、
畳みのない生活をしています。
 
ただ、実家には畳の部屋があり、
畳は生活に密着した製品だなと
思っていました。
 
い草を編んで作られる畳表は
建築資材に分類され、「軽工業品」
にあたるそうです。
 
仕事で関係のある工業製品では、
中国が、韓国が、日本人技術者を
好待遇で雇って、技術を流出させる
事件が有名です。
 


い草のような農産物でも起こるのかと
驚きを覚えました。「軽工業品」ですが。

そういえば、和牛受精卵不正輸出
という事件もありました。

これらは外国人が主導ですが、
い草・畳表は、
「日本人同士の経済内戦」
とあります。
 
長いデフレが続く中、
「コスパと機能性」という条件だけ
を追い求めている点は
反省しなければなりません。

 
い草や畳表が日本産ではなく
してしまう原因となります。
 
お金を使うにはセンスが要ると
聞きますが、その通りだなと
思います。
 
私は、見た目が畳であれば、
原料や品質の良さを判断できる
だけの知識を持ち合わせていません。
 
畳が必要でしたら、きっと
「コスパと機能性」で選んでいた
ことでしょう。

 
その前に、業者の方にお願いする
だろうから、そんなことすら
気付かなかったに違いありません。
 

まとめ



お金を使うにはセンスが要る


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