マーケターに憧れた、18歳。
高校三年生の春。
ある大学のパンフに、コンビニのPOSレジや、陳列の話が書いてあった。「モノが売れるために、仕組みなんてあるんだ。」と思った。
モノの売れる仕組みなんて、18年間考えたこともなかった。
だからこそ、そこに書いてあった“マーケティング”ってやつが、なんかおもしろそうだなと思った。そして、そのパンフレットの大学に入学した。
マーケティングの授業は、1年のはじめからあった。
初めての授業は、4Pとは何かからはじまった。
Product、Place、Price、Promotion =4P
教科書を見ながら、「そういえば私、広告すきだったな」と、ふと思い出す。(そしてすぐ、忘れる。)
何週間か経った、プロモーションの授業の日。
その日、教授は、開口一番、
「知られていないものは、存在しないことと同じ。」
と、プロモーションがいかに大切かを、とても簡潔に述べた。
ああ、そうか。
どれだけいい商品、サービスでだったとしても、知られていなければ、選択肢にも入らない。
それは、この世に存在しないことと同じなんだ。
便利なモノが溢れまくってる現代って、酷だなと思った。
でも同時に、広告って、ただおもしろいことするだけじゃないんだ。マーケティングでめっちゃ重要じゃん。
と、19歳の私は思った。
「すべての会社の、すべての商品は無理かもしれない。でも、少なくとも私の関わった会社の商品は、消費者の選択肢に入る、そして手にとってもらえるような、ユニークで機能する広告がつくりたい。」
そうして、1年のマーケの授業が終わる頃には、気づいたら広告業界志望になっていた。
これは、コピーライターを目指す、2年前のおはなし。