見出し画像

ワーキングホリデー中の医療事情 2010:NHS無料医療は使える?(英国)

PSWとしてもそうですし、母親が医療関係の仕事で、小さいころから病院が遊び場だった(自分にケガとか病気があるわけではないので、あまりいいことではないですが)ので、英国の医療システムや実際の現場がどうなってるのかもすごく興味がありましたし、なによりも、ちょっとおかしいと思われるかもですが、病院が落ち着くんですよね。病院の独特な匂いなんかも好きだし、病院の待ち時間なんて苦にならない。重症です(笑)

「ゆりかごから墓場まで」この言葉、医療福祉関係者じゃなくても、聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

第二次世界大戦後に、英国労働党の社会保障制度が実施され、医療費の無料化、雇用保険、救貧制度、公営住宅の建設などの「福祉国家」建設が本格化し、英国国民の最低生活が保障されることとなりました。そのときに掲げたスローガンがこれです。(大学でも、PSW専門校でも散々聞かされました。)

では、実際のとこはどうなのか?ワーホリや海外から来た学生はどうなるのか?

・Students studying on courses of less than 6 months' duration are not eligible for free NHS treatment and must take out private health insurance.
・Students studying on courses longer than 6 months are required to pay an Immigration Health Surcharge to benefit from free NHS treatment. The surcharge is paid as part of your visa application and costs £150 per year (this also includes £150 for each dependant)

残念ながら、学生としての滞在期間が6ヶ月以内の場合は、NHSシステムは受けられないので、保険でプライベートの医療を受けるしかありません。(もちろん、救急の場合は違います。)

6ヶ月以上滞在する場合には、Immigration Health Surchargeを支払うことにより、無料で診察、入院、治療が受けられます。Immigration Health Surchargeは、すでにビザの1部として支払っているので、ビザの有効期限が切れるまでは、追加料金はいりません。(金額にして1年間で150ポンドです。2年の場合は、300ポンド。)

なので、保険にも入ってきていると思いますが、無料なので、何かあった時のために、NHS登録をしておいた方がいいと思います。(私みたいに、自転車に乗っていて、車にはねられることもあるので!こっちの人の運転は、とても危ないですし、英国は自転車と車の事故がかなり多いようです・・・怖い!死ななくてよかった(;´Д`))

NHS登録の仕方は以下です。


<1>自分の住んでいる地区のGPを探す。

GPとは、General practitioner(一般医・家庭医・かかりつけ医)の略で、まず何かあればGPに行かなくてはいけません。そこで、GPだけの介入で完治すれば良しですが、GPが専門医の介入が必要と判断した場合、紹介状を出し、専門医のいる病院にかかるというシステムになっています。

(私は、この方法は疑問です。まず、専門医にかかるまでに時間がかかります。英国人の間では、待ってる間に死んじまう!と言われています。そして、一般医の幅が広すぎるし、一般医の中には、専門医に送るのを嫌がる人がいるので、患者が迷惑します。)

GPには、キャッチメント・エリアといって、地区ごとにかかるGPが決まっているので、まずは、NHSのサイトで自分の地区のGPを探すことから始めます。

地区にGPはいくつもあり、評判のいいところと悪いところがあるので、レビューを確認するといいと思います。(ただし、人数制限もあるため、評判のいいところには人が多く、登録を断られることもあります。)


<2>GP登録申し込み

申し込み用紙と必要書類提出の他に、問診や簡単な健康診断があるので、飛び込みでも可能(その場合、問診の予約をその時に取らなくてはいけなく、後日再訪問です。)ですが、選んだGPに電話し、問診の予約を取ってしまえば、2度手間を防げます。

GMS1 GP登録の申し込み用紙のことで、下からダウンロードできます。(申し込み用紙は、GPでももらえます。)

※必要書類 2種
①写真付き身分証明書(パスポートやBRPカード、運転免許証など)
②住所証明できるもの(学校発行のもの、銀行の明細書など)


<3>健康診断に行く。

予約した日に健康診断に行きます。(電話で予約を取った方は、必要書類と申し込み用紙の提出が必要です。)

 持病や現在服用している薬などがあれば、英訳を調べておくと安心です。

これで登録が済むわけですが、オンライン予約を受け付けているGPもあるので、その場合は、その申し込みもしておくと便利です。


<4>登録完了。

後日、地域によっては、NHSメディカルカードが送られてきます。(自分自身と登録先GPの基本情報が記載されています。)
私のGPは、以前のところはカードがあったのですが、今のところは発行してないそうです。
GPの名前と電話番号、NHSナンバーは控えておいた方がいいです。

登録完了後から予約可能なので、何かあれば連絡して予約をとりましょう。

予約状況は非常に厳しく、風邪でかかろうと思ったら、1週間後なんてザラです!難しいですが、先手先手で行った方がいいです。


<5>どうしても予約が取れない場合。

どうしてもすぐに診て欲しい場合には、Walk in centreというものがあります。予約なしで、行けば診てくれる制度ですが、いつも混んでいて、緊急や子供が対象でない場合、とても待たされます。

全ての病院がWalk in centreを設けているわけではないので、時間のある時に、自分の地区の Walk in centreを確認しておくといいかもしれません。こちらも下のNHSのサイトから検索できます。

*本当の救急(救急車で連れていかれるところ)の場合には、A&E(Accident and Emergency)というものがあります。


何かこの記事でわかりづらい説明があるようでしたら、コメントいただければ、返答できるかもしれません(^^)いつもお読みいただき、ありがとうございます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?