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「こだま」にしか乗れないけれど

 ついに、JR東海では10月末に新幹線の車内販売を終了してしまいました。

 静かな車内環境を求める意見があったことや、将来の労働力不足への懸念、そして、構内店舗の品揃えが充実して、車内持ち込みの増加がその理由です。乗る時間帯にもよるのですが、車内で飲食する風景が減ったかわり、ノートPCを開いてパタパタと仕事に勤しんだり、スマホで動画を楽しむ方が増えたような気がします。要は過ごし方が多様になったのですね。

 昔の様子を調べてみると、昭和の時代は東海道線の普通列車にも車内販売員が透明のアイスボックスを下げて、アイスクリームや冷凍みかんを独特の節回しで売っていました。それらを買って車内で飲食するわけですから、当然のようにゴミが座席下に積まれて、見た目の悪さとにおいが問題になっていたようです。確かに最近はそんな景色はありません。

 さて、わたしがお気に入りの車内飲食は、停車駅の関係で、本当にたまにしか乗れないのぞみ・ひかりの車内販売で扱う「シンカンセン スゴイカタイアイス」でした。食べようにもあまりの硬さにペナペナのスプーンでは全く歯が立ちません。専用のアルミ製スプーンが別売されていたほどなのです。

 ホットコーヒーを一緒に買って、アフォガート風に溶かして楽しむ猛者もいたようです。アイスも車内販売と共になくなってしまうのではと心配していましたが、とりあえずのぞみ停車駅のホーム自販機で買えるようなりました。

 車内販売はドライアイスで強制冷却されるのに対し、自販機は最初から喫食に適した温度で販売されている模様。それでは「スゴイカタカッタアイス」になってしまいます。

 どうしても「スゴイカタイアイス」にこだわるのであれば、最後の手段、グリーン車に乗ってモバイルオーダーする方法が残されています。こっちは従来通りのドライアイス冷却ですから。

 それにしても、流れる景色を見ながら、ペナペナスプーンで格闘したかったなぁ…スゴクタベタイ、スゴイカタイアイス。

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