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ココロにだって、金継ぎ。

金継ぎ(きんつぎ)とは、欠けたり、割れたりした茶器や壺を漆と金粉で修理する日本の伝統技法です。 破損した部分を漆で接着した後、金で仕上げるため、表面に独特の模様が浮き上がります。

大切な器を安心して永く使えるようになるだけでなく、オリジナルとは異なる風合いや趣を醸し出すことができ、言ってみれば音楽におけるリミックス作品みたいな感じですね。

こんな逸話があります。
戦国時代、秀吉が愛でていた名物の茶碗を小姓が割ってしまい、あわや手討ちになりかけた時でした。
居合わせていた細川藤孝がとっさに狂歌を詠んで秀吉の気をそらしながら、その後に金継ぎを施し、茶碗に「詫び」のたたずまいを新たに具えた名物として秀吉の歓心をかったことから、小姓の危機を救ったのでした。

金継ぎは割れ・接ぎというネガティブな状態を新たな価値に転換していく技法です。
これは人のココロにも当てはまるような気がします。
社会生活の中で、大なり小なり理不尽な出来事に振り回され、人のココロだって傷ついたりひび割れます。

その時、わたしはこの金継ぎを思い出すのです。

誰かへの相談であったり、ひそやかな祈りであったり、時には羽目を外したり、
だけど
ひび割れたココロに効く特効薬なんてありません。傷ついたココロを治せるのは最後は自分。
どんなにバキバキに割れていても、年単位で時間はかかりますけど、色々な繋がりの中、自分の手でココロに金継ぎを施していくイメージです。

そして
気付いた時、わだかまりを乗り越え、以前とは違う、新たな自分という作品が生まれているのかもしれません。

多少の理不尽はへっちゃら、わたしはわたしってね。
それは自分にとっての、大名物、タカラモノなのです。

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