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ユニフォーム販売をしていると商品のご提案時に商品サンプルをお客様にお見せすることがよくあります。
そして「この生地ってどういう特徴があるんですか?」などご質問をいただくことが多いです。

自分への忘備録としても大切です。

今回は、綿とポリエステルの特徴をお話したいと思います。

○繊維

そもそも繊維は大きく
天然繊維
化学繊維
の2種類に分かれています。

天然繊維は
綿・麻などの植物
ウール・カシミヤなどの獣毛
シルク

化学繊維は
ナイロン・ポリエステル・レーヨンなど
現在は、お洋服のタグなどのポリエステル表示はより細かく記載しなければならない決まりとなっていますので「複合繊維」など記載されるようになっています。

これは大体皆さんご存じかと思います。

T/Cポロシャツはポリエステルと綿が混合された繊維を使ったポロシャツです。Tは【ポリエステル】Cは【綿】を表しています。

Tがなぜポリステルになるのか!不思議ですよね。Pでよくない?的な。
Cが綿なのは予想がつきますよね。コットンのCです。

Tである真相は、化学繊維の長い歴史の中に答えがあります。
帝人と東レが開発したナイロンのような新しい繊維が『テトロン』。次第にポリエステルという呼称が主流となり、その『テトロン』のTがそのままポリエステル表示に残っていったことに由来するそうです。

https://blog.apparel-ai.com/other/1856
↑詳しくはコチラ

では、天然繊維である綿はどんな特徴があるのか!ということなのですが

○綿

スライド1

天然繊維なので、長さがばらばらの短い繊維です。このひとつひとつの短い繊維を撚って作った糸を織ったり編んだりして綿生地となります。
洗濯をすると短い繊維が抜け落ちてしまって、薄くなってしまうという特徴があります。
保温性や吸水性に長けているので、Tシャツや肌着などによく使われています。

ユニフォームでは、火を扱う現場で働いている方用のアイテムや肌触りを重視するアイテムなどによく使われています!!

一方でポリエステルはどうでしょうか?

○ポリエステル

スライド2

化学繊維の中でも、機能性に優れた商品を低コストで作ることができるので様々な用途で広く使われています。
耐久性が抜群の反面、吸水性がなく、火に弱いデメリットがあります。

ユニフォームでは、その優れた特徴であらゆる商品に使われています。
ただ、火を使う現場はNG!化繊アレルギーの方への配慮も必要です。

ポリエステル改良による高機能繊維

でもみなさん、
ポリエステル100%ってかいてあるのに
「吸汗速乾!!!」と書いてある商品を見たことがありませんか?
「肌触りがとてもよいです」と書いてある商品を見たことがありませんか?

なぜ??と思いますよね。
さっきのポリエステルの項目で吸水性はないとお話ししました。
肌触りも綿のところでお話ししました。
ポリエステルの繊維は丸みを帯びていません。

それは、各化繊メーカーさんが生み出した最強の高機能繊維が関係しています。正直高機能繊維は日々改良され生み出されているので数がとてつもなく多く存在しておりますので全部をここでお話しできませんが代表的なものを紹介します。

複合繊維 複数のポリマーを合わせることでストレッチ・制電などの機能を持たせたもの
↑最近お洋服とかでよく見かけませんか?

東レ複合繊維

上の画像は東レさんのライクラT400®ファイバーの画像です。繊維を顕微鏡で拡大するとこのような形になっています。
線維が二つくっついているのは、片方が良く伸びる繊維で片方が普通の繊維となっています。これでストレッチ性の機能を持たせています。

詳しくは東レさんのホームページを見てみてください!

このように、化学繊維は人工的な繊維のためどんな機能を持たすことも可能なものなのです。
「吸汗速乾」を備えた異形断面繊維と呼ばれるものや「肌ざわりの良さ」を備えたマイクロファイバーのような繊維など、綿のいいところとポリエステルのいいところを搔い摘んだ繊維がどんどん繊維メーカーさんによって作り出されているのです。

最後に

綿とポリエステルの根本の特徴さえ押さえておけば、ポリエステルなのに綿みたいな商品があることもわかっていただけるかと思います。

商品を選ぶ際は、「綿のTシャツは縮むからよくない」から「綿のTシャツを着ない」ではなく、「綿の機能を備えたポリエステル生地のTシャツにしよう」というように選択の幅が広がっていくのではないかと思います。

以上のことを踏まえて、これからもお客様へご説明し、納得をしていただけるよう、新しい生地(繊維)がでてきたら常に視野を広げて、選択の幅を広げていきたいなと思います。


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