勉強もお絵かきもサッカーも同じ。 好きも嫌いも環境次第。 勉強は辛いものと思わせない教え方が鍵。

子どもたちを見ていて、なぜお絵かきはこんなにイキイキと楽しそうに描くのに、サッカーは大好きなのに、勉強となると極端に抵抗を示すのだろうか。

お絵かきやサッカーと勉強は何が違うのだろう?

勉強もお絵かきやサッカーのように楽しく取り組むことはでにないものか。

こんな風に考えたことはありませんか?

勉強や、サッカー、お絵かきそのものの違いで、子どもたちの「好き」や「嫌い」が形成されるのではなく、子どもたちが、それらと「どう触れ合うか」「触れ合った結果どうだったか」が、子どもにとっての価値を形成する、ほとんど全てと言っていいと思います。

しかし、多くの親御さんが、

「勉強は辛いものなのよ」

「みんな我慢して頑張ってるんだから」

「お母さんも(お父さんも)嫌いだったけどやったんだよ」

「子どもの本分は勉強なんだから」

などと、子どもに「そもそも勉強とは辛いもので、でも我慢して頑張って、そうやって大人になっていくのだ。」なんて、説明して納得させようとします。

でも、ちょっとまって。

大人になった今、仕事が辛くて辞めたいなんて言おうならば、「辛いのはみんな一緒なんだから、耐えなさい。頑張りなさい。生きるのは大変なことなんだ。」などと言われていませんか。子どもたちは、まだ自分で人生の選択ができない頃から、大人と同じようなことを聞かされて育たなければならないのでしょうか。


子どもたちには、「やらなきゃいけないことが出来ること」より、「楽しいと感じることをやり切ること」を学んでほしい。

本人にとって楽しいことをやり切る力は、やらなきゃいけないことが出来ることより、ずっと、これから先、彼らが自分の人生を自分で創っていくための力につながると考えています。だから、彼らの楽しいことやりきる時間や機会を、苦痛な勉強で邪魔したくないのです。

とはいっても、短くても義務教育が終わるまでは、ほとんどの子は学校教育の仕組みの中で生きなければなりません。だから、勉強を「楽しいもの」に変えあげることは、とてもとても大切だと考えます。子どもにお絵かきをするように、サッカーをプレーするように、楽しく勉強に取り組んでほしいのです。


でも一体どうやって? そのやり方を説明します。

まず大人が、「勉強が辛いものである」という固定観念を捨てて、勉強もお絵かきもサッカーもそのもの自体に差はないと考えてください。

その上で、子どもが好きなもの(ここではお絵かきとする。)がなぜ好きなのか(言い換えると、なぜ自発的に「絵をかく行動」が繰り返されるのか)を考えます。

自発的に「絵をかく行動」が繰り返される理由は、「お絵かきをする」行動の直後に注目すると見えてきます。そこに、本人にとってのメリットが出現しているはずです。

そこに注目してください。お絵かきの行動の直後に、何がありましたか?(お絵かきをする前と、どのような環境の変化がありましたか?)

・「できたー!」の達成感

・お母さんの「上手ね!」の声かけや笑顔 等

本人にとってのメリットだと考えられそうな環境は見つかったでしょうか。

このような本人が自発的に繰り返す行動(一般的に「好きな行動」と言い換えられる)の直後に出現している本人にとってのメリットを、行動に随伴させたフレームを意図的に設定することで、勉強もお絵かきお同じように、好きになることができるのです。

では、「勉強する」行動が好きになるフレームを考えてみます。

「算数の掛け算プリントを解く」(行動)→直後には・・・

・「できたー!」の達成感

・「すごい!よくできてる!」のお母さんからの声かけや笑顔

を意図的に設定します。

「こんなの普段からやってるよ!」そんな親御さんからの声が聞こえてきそうですが、重要なのは、お絵かきをかく時と同じようにほぼ100%の確率でこれらのメリットを出現させることです。少なくても、勉強を自発的に楽しく取り組めるようになるまでは、お勉強中のお子さんの隣について、一問解けるたびに、これらのメリットを出現させる環境をつくるのです。そして、確実に正解できる(達成感を感じられる)レベルの課題提示も同じく重要です。せっかく問題を解こうとしたのに、難しくてわからなかったり、間違えてしまっては、「達成感」のメリットは得られません。

最初は、「こんなのお楽勝だぜ〜!すぐ終わっちゃう〜」ぐらいのレベルの課題を提示しましょう。

ここでひとつ注意しなければならないことがあります。集中して勉強を早く終わらせられたら、親心として、「せっかくだから、もう少しできるかも・・!」とさらに課題を増やしてしまうことがあります。それはやめてください。むしろ、よくできたときほど、勉強は早く切り上げます。

わたしの経験上、このように子どもと楽しく、本人にとってのメリットを惜しみなく行動の直後に随伴させることで、子どもたちが勉強好きになるまでにそう時間は要しません。もし、すでに勉強アレルギーのような「勉強嫌い」が形成されてしまっているようであれば、さらに強力なメリットを使用することも考えます。例えば、一日30分と決めているゲームや、おやつの時間などを勉強時間の直後に設定したり、時には普段は出てこないようなケーキが出てきたり。そんなメリットを随伴してあげることも有効です。

勉強好きになると、1日の中で勉強に費やす時間がぐっと減ります。矛盾しているようですが、事実です。

理由は、勉強が好きになると、その時間の質が格段に上がるからです。

苦痛なことをいやいややる1時間と、好きなことを夢中でやる1時間の質は雲泥の差があります。

勉強が好きになることは、質の高い学習時間を1日のうちに1時間取るだけでもその学年の予習が十分にできてしまうほどの学習効率を実現でき、その結果、子どもたちは、勉強以外の世界もたくさん経験する時間を確保することができます。

今の子どもたちを見ていると、小学生の時からとても忙しそうで、この子達の人生の中で心ゆくまで全力で遊ぶ時間はあるのだろうか。と、心配になります。

子どもたちの成長段階において、その時期だからこそ感じれることのできる感情や感覚を全力で味わうことのできる体験と時間が、もっと尊重され大切にされてほしいと願っています。


「勉強を楽しく行う」ということは、勉強する行動の前後の環境を少しだけ工夫してあげれば、実はそんなに難しいことではないのですね^^


この投稿が少しでも、困っているご家族や、子どもたちのために役立つものになれば幸いです。



おわり

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