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s**tビジネスモデルの紹介

今回は、最近出会った悪いビジネスモデルを紹介したいと思う。

会社を経営していると、様々な会社から営業電話がかかってくる。まあ、かかってくる電話については別に何とも思わないが、そのなかには存続すべきでない業務を行なっている会社がある。例えば、HP作成やLP作成といった「ほぼ集客能力がないにも関わらず月々5万円という高額かつ固定費のかかる商品」や、「知名度がないのにも関わらず自社サイトなどで求人を出させる商品」といったものらを平然と売りつける会社である。

上述のビジネスモデルは、「付加価値が乏しく、業務を妨害し、かつ高額」である点において、これ以上存続すべきではない。近年の資本主義の加速がもたらした「儲けられればそれでいい」という悪質極まりない論理に基づくものだ。

そもそも、米国を中心に金融市場や仮想通貨の市場など、実態と著しく乖離した金融商品等が出回っていることは筆者のなかでは不自然に写っている。特に日本においては、株主や経営者及び従業員それぞれの役割は米国ほどはっきりと分けられていないため、こうした資本主義ムーブメントは「会社は誰のためのものなんだ?」という疑問を抱かせずにはいられない。○ずほ銀行の事件もそれが原因ではないか?とみている。

さて、ここで本題だ。最近かかってきた悪徳ビジネスの一端をご紹介しよう。

うちは出版会社なのですが、御社へインタビューさせてください!

この文句を聞いたことがある経営者は少なからずいるはずだ。先日、会社に電話がかかってきて、開口一番「○○株式会社の代表△△様でしょうか?」と聞かれた。私は「どちら様でしょうか?」と尋ねると、「弊社は出版会社でして、御社のHPを拝見してぜひインタビューをさせていただきたいと思いご連絡しました」とのことだった。

実は私はこの続きを知っていた。つまり、これは単なるインタビューではない。インタビューという名目の元、なぜかインタビューされる経営者から費用を徴収しようということなのだ。つまり、「雑誌の一部に載せることで集客効果が望めますよ」という求人広告のようなテイストである。しかし、そればらばインタビューという無償を思わせる言葉を使用すべきではない。

私は以前、違う会社から同様の手口の電話を受けたことがあるから、この続きを知っていたというわけである。

さて、「電話口の男はもしかしたら、こういう悪質勧誘ではないかもしれない」という0.0000001%の期待と若干の心の余裕をもって、続きを促した。「これは、費用がかかるものなのでしょうか?」、と。すると男は、「はい、はっきりとその点について申し上げます」と言った。

私は落胆した。無料であれば、費用は一切いただきません、とその時点において断言するはずだ。しかし、その点についてはっきり申し上げなければいけない、という時点で後悔と怒りとが襲ってきた。

まず第一に、こんなビジネスモデルに陥ってしまう人間なんてごくわずかの「情報弱者」とよばれる人に限られる。さらに、おそらくは電話口の男も、このビジネスが相手に不快感を与えるということくらいは承知しているはずだ。それにもかかわらず、ある種の傲慢さと、人間を商品と思うような浅はかな考え方をもって、電話をかけてきた。


この続きについては省略することにする。つまり、私が言いたいことは「日本ではここまで心の腐ったビジネスが横行している」という点である。本当に消費者・お客様に対して心のこもった対応やサービスを展開しようということではなくて、単に儲けを増やしたいという論理によってのみビジネスが行われている。

確かに、これまでもネズミ講やマルチ商法・投資詐欺など数多のやり口はあった。しかし、反社でもない一般の株式会社がこんなことをしているのが実態なのだ。



貧すれば鈍する

つまり、こういうことである。おそらく、日本国内の市場は飽和を迎えており、これ以上成長は見込めなくなっている。だからこそ、日本人はその唯一にして高尚なアイデンティティである「道徳心」をマナに、s**tビジネスを召喚した。(カードゲームはやったことがないが・・・)こんな馬鹿げたことをやる会社や経営者なんて、淘汰されるべきだ。



田舎出身の私は、上京してはじめてしたことがある。それは下痢だ。

汚いことを言ったが、東京で初めてある飲食店に入ったとき、ウエイトレスの女の子が死んだ目で思ってもないことを言ってきた。「営業トーク」という類のものだ。田舎でもある程度やらなきゃいけないことや言わなきゃいけないことはある。しかし、ここまで腐った言葉を初めて真に受けてしまった。

私は経営者として、こんな腐った世を変えていきたい。つまりは、みんなが心から真に満足できる・させるようなことをしていきたい。社会の空洞化・低成長がもたらしたガンはすでに深刻なのである。

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