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1年間の留学で、英語力は伸びたのか? #162

海外留学1年目が終わりそうです。私が海外のデザインスクールに留学した理由は、デザインを学ぶためというのはもちろんですが、英語を学ぶためというのも理由の一つでした。ということで、デザインスクールに1年間留学したことで、英語力がどれくらい向上したのかを振り返ってみます。ただし、TOEICなどの英語のテストなどによる比較ではなく、あくまでも主観的な感覚なのであしからず。


Reading

英語の文章を読むスピードは速くなりました。授業の予習として数十ページの論文をいくつか読まなければならないので、自然と速読が身につきます。ネイティブでも多く感じる分量なので、ましてやノンネイティブの私が正面から挑んでも歯が立ちません。一文ずつ読んでいると読み終わらないので、サーっと目を通しながら頻出かつ特有のキーワードは何かを理解して、授業についていけるようにしていました。重要そうな箇所はDeepLなどの翻訳ツールを使って、意味を日本語でも確認していました。

また、簡単な英語ならば、日本語に訳さなくても英語のまま意味が頭に入るようになりました。街中の標識やスーパーでの買い物くらいならば、困ることはほとんどありません。でも、クラスメート同士がやり取りするSlackで飛び交うカジュアルな英語はわからないこともしばしば。

Listening

ネイティブの話すスピードにある程度ついていけるようになりました。1年前は授業の50%くらいしか聞き取れた感覚がなかったですが、今はほとんど聞き取れていると感じます。TED Talkなども字幕なしだとほとんど聞き取れている感じはなかったのですが、今では字幕なしでも内容がわかります(もちろん字幕がある方が助かる)。

また、アメリカに来たばかりの頃は、2時間の授業を通して英語を聞き続けることができませんでしたが、今では一日中英語を浴びても大丈夫です。でも、英語を聞いている時にメールを返すようなマルチタスクをする余裕はありません。まぁ、人の話をしっかり聞くという姿勢が維持できていいのかもしれませんが。

Speaking

日常会話ならある程度話せるようになった気がします。授業でも簡単な意見であればアドリブで言えます。準備すれば数分のスピーチだってできます。発音のコツもつかめてきた気がします。もちろん、まだまだ日本語訛りだったり、文法を間違えていたり、単語のチョイスがおかしかったりというのはありますが、一応言いたいことは伝わっていそうなのでよしとしましょう。

日本語なら説明できるのに英語だから伝えにくいと感じる場面はあります。さすがに日本語と同じように自由に使いこなせるとまではいきません。気の利いた言い回しも分からないし、論理的に話すのも難しく感じます。正しい英語を話すことにワーキングメモリを割くので、話しながらアイデアをまとめていくことも難しいです。

Writing

Slackでの返信などの短い文章ならばそのまま英語で書けます。数ページの文章であれば、日本語で書いてからDeepL等の翻訳アプリの助けを借りながら英語に直し、それを自分が使いそうな英語表現に書き直していき、最後にGrammarlyで文法チェックをすれば書き上げることができます。

秋学期にも、数ページ分(800-1500 words)の文章を書く機会は度々ありました。ただ、この春学期は"Intersecting Mobilities"という主に移民系の社会問題を扱う授業で、15ページ分の分量を英語を書くという最終課題に取り組まなければなりませんでした。こちらもネイティブでさえ苦労するような分量も、何とか期限内に提出できました。

日本語チューターとして働く日々

学校で日本語チューターとして働いていて、日本語に関する疑問を英語(と少しの日本語)で説明しています。英語で仕事をしているということ自体が、英語を使えている何よりの証拠だと思っています。さらに、日本語に慣れていない人に向けて話すことを求められるので、わかりやすい日本語を話すのも上手になっている気がします。

また、精神衛生上も良い効果があります。「教えてくれてありがとう」と言われるだけで、自分の存在価値を認めてくれたような気がします。他人に依存してはいけないですが、日本語チューターをすることで誰かの役に立てているという実感が得られることは確かです。毎回のように初めて会う人と話しているので、人見知りも少しは克服できてきているかもしれません。


総評

学校教育で10年間ほど英語を勉強してきた時は、ネイティブの英語はほとんど聞き取れないし、アドリブでは何も話せないし、何のための英語の授業だったのかと思っていました。でも、実際に英語圏で生活をすると、これまで学んできたことが伏線となり、英語が使えるようになってきました。

「自分は英語を意外と使えるんだ」という感覚を得ることができたのが大きいです。1年間ネイティブに混ざってデザインの授業を受けることができたというのが、自信につながります。

英語を使えるようになりたいのならば、思いきって英語を使わなければならない環境に飛び込んでみればいいのではないでしょうか(n=1)。もう1年過ごしたら、もっと英語が上達できるのか楽しみです。

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