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【私の読書記録】#4 大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした/著:クルベウ 訳:藤田麗子

 あてもなく書店を彷徨っていたとき、作品名がパッと目に入って気になったけれども、「最近本買いすぎだな…」と思ってその日は買うのをやめて帰宅しました。でも、数週間経ってもその作品の名前を忘れられなくて、本が私のためにあるようにそこにいた気がして、再びその書店に足を運びました。

「貴方、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしているでしょう?」と問いかけてくるように、ひっそりと、でも確かにその書店の一角に積み重ねられていました。

第1章 肩の力を抜いたら、できることが見えてきた
第2章 どんな人でもすべてが嫌になる日はある
第3章 好きなだけなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう
第4章 天職に出合うために今できること
第5章 幸せな人間関係の築き方

 この5つの章はきっと、わたしが、この記録を読んでくださっている貴方が、苦しくてつらくて、どうしようもなくなってしまったときに、ささやかなヒントをくれるでしょう。
 自分よりも他人を優先して、自分よりも他人の幸せを願って、自分のことよりも他人のために涙を流して。そんな優しい貴方が、貴方自身に優しくできなくなってしまったときに寄り添ってくれる言葉たちが詰まっています。


 ここで、私のお話を少しだけ。
 自分のことをどう表現したらいいのかわからないけれど、笑うことが好きで、それでいて自分を犠牲にして笑ってしまうことがある人間、というのが わたし であるような気がするんです。
 いつだって笑っていればハッピーでいられる気がして、苦しいときも平気なふりをして笑って、「大丈夫?」という周りの言葉にも「大丈夫だよ」と笑って答えてしまったりもして、いつしか大丈夫じゃない自分を無視したまま過ごすようになっていました。
 そんなときにだからこそ、ふと目にした『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』という言葉が刺さったのだろうと思うのです。
 気づかないふりをして過ごしてきたわたしに、気づかせるためにわたしの前に現れたようでした。
 ああ、その通りだよな、わたし、ほんとうはずっと大丈夫なんかじゃなかったんだな。そう気づいたときにはもう心が少しだけ丈夫になって、前向きな気持ちになっていました。

 この記録を読んでくださっている貴方がもし、いつも自分より他人を優先する優しさを持っていて、その優しさを自分に向けることを久しくしていないような方であれば、この作品とともに自分のこころに優しい言葉をかけてあげてください。

 この記録を読む貴方が幸せでありますように。

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