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【20代のキャリア大全】夢やしたいことがない人はジョーカー(=戦闘力が高い状態)になればいい

初めまして。IT会社で支社長をしているROMRAMです。

20代も後半に差し掛かり、後5年で30歳になるので振り返りも兼ねて、何を考えて20代前半のキャリアを進めてきたのか?をつらつら書きたいと思います。

タイトルにあるジョーカーというのはトランプゲームのジョーカーのことです。大富豪においては他のどんなトランプにも化けれて一番強いカードのことです。

本稿では、夢や目的がないのであればジョーカー(=戦闘力が高い状態)になって将来に投資するのはどうか?という提案を書いていきます。

なので想定読者としては、

目標や夢は今んとこないけど安定したいと思う、成長意欲がある!


という人です。―――もっと細かく言うと、知的好奇心が強い、自由な環境が性に合っている、世界にないような商品やサービスを考えることにワクワクする、みたいな人に刺さる内容となっていると思います。

私も夢とか特になくてどちらかというと堅実な考えをする方です。

昔は、地震のニュースを見れば不安になって防災グッズを買いたくなったし、雷が怖くて避雷針を家に取り付けたいなとずっと考えていました。

でも最近ではそのような考えは少なくなってきました。その理由は、

自分で変えようのない外的要因を危惧してブルブルしているよりも、何かあった際に自分でなんとでもできる”戦闘力”を身につけておく方が究極的に安全だ


という思考に切り替わったからです。

世の中の8割はこの話を聞いて「確かにそれはそう!」と思い、2割は理解できずやはり自分以外のどうでもいいこと―――芸能人のゴシップや本当かわからないニュースや同僚の年収など―――に夢中でしょう。

(ちなみにTikTokとかYoutubeのショート動画とかを見ること自体は割と賛成派だったりします。あらゆる情報がマイクロ化している流れは止まらないし、ちょっとした知識をつける、自分の関心分野を発見するという観点でショート動画はいいです。ちょうど回転寿司みたいなものだと思ってます。タブレットだと自分の好きな寿司を頼んじゃうけど、回ってきた寿司で美味しそうなものがあれば食べたことない寿司でも取ってみることで新しい発見に繋がります。)

話がそれました!!

話を聞いて理解できた8割の人の中でも、実際に行動に移す人はごくわずかです。さらに継続できる人はほぼいないです。

でも一部始終を知った上で行動を”変えない”ことに対してはそれはそれでいいのかなとも思います。

その人にとって他に優先する事柄があるのかもしれないし、戦闘力を上げるにはそれなりに大変なこともあり、時間も使うのでそこまでして得たいものではないなと天秤にかけて、

自分で意思決定した結果だからです。


ただ!

「自分で変えようのない外的要因を危惧してブルブルしているよりも、何かあった際に自分でなんとでもできる戦闘力を身につけておく方が究極的に安全」

という考え方が存在していて「どうすればそうなれるのか?」を知らずに目の前のことで精いっぱいになって、苦労している人も多いです。

仕方なく知っている範囲だけで選択するのは機会損失です。思えば何にでもなれる若人がそうなるのは日本国としてもったいない。

てなわけで、

「どういうキャリアを進めばいいか分からん!」という人向けに、私が支持している方針や軌跡を記すことで参考にでもなればいいな


と思い至ったわけです。

巷にある本だと最終結果しか書かれていないこと多いです。社長になって何十億稼いだとか投資で稼いで早期リタイアだ、とか。―――まあそれくらいネタがないと書籍として採算取れないので当たり前ですが

また、成功している人や億万長者になっている人などは沢山いますが、彼らはあまりに距離感が遠すぎて士気を上げるという意味では良いものの、これから一歩踏み出す人にとっては参考にならないことが多いです。

成功までのプロセスには色んな出来事があり、様々な因果律が働いた結果でしかなくて最も重要なのは、

どういう思考で意思決定をしてきたのか?どのように動けばチャンスが巡ってくるのか?


を知ることで再現性を持って動けることです。

いま夢や目標がない人は、ジョーカーのように、マルチでありながら個人スキルも高い状態になっておけば、いつか夢や目的が見つかった時にすぐ実現できるのでは?それが幸福なのでは?という仮説に基づき、キャリアについて話していきます。


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1.人生の羅針盤としての3大方針

まず結論から述べると、キャリアや時間の使い方などを決める私の基本3大方針は、

◆何か問題が起きた際に自分で解決できる戦闘力を身につけておく
◆どの会社でも欲しがられる人材になる
◆何かしたい!と思った時に妨げになるような要素を排除する

です。

―――私はCAになりたい!僕は弁護士になりたい!

そういう人を見て凄いなと思う一方で、自分はそういうのが全く持てませんでした。

単純に飽き性というのもあるのですが、家があまり裕福じゃなかったのもあっていつしか自分の欲を抑えるというのが身に染みてしまった気もします。

一番困るのは就活の時です。「何がしたいの?」「夢や目標は何なの?」と人事から聞かれるたびにそんなの無いけどなと思ってました。

とはいえ、やはり目標は大事です。

目標があるから現状とのギャップが生まれ、そのギャップを埋めるために「どういう仕事をするか?何のスキルや知識が必要か?」が決まるわけです。

就活時期は、「年収1,000万円を目指す」とか「市場価値を高める」とか色々考えては面接で話してみては、「結局それでどうなりたいの?」と人事に言われながらも、一旦は市場価値を高めるという方向に落ち着きました。―――いまだに覚えてるくらい当時はこのあたりの質問嫌だなーと思ってましたがおかげ様で明らかにしないといけないんだなと気づけたので大感謝

それから社会人になり、色々な業務や先輩に触れ、書籍を読んで考えて、

―――夢や目標がないけど地に足つけて生きるために何を指針にすればいいか?

という課題に対して具体的になったのが冒頭の3大方針です。

方針を持つことはちょうど航海に出る時の羅針盤と同じ意味を持ちます。羅針盤がなければどこに向かったらいいのか分からないし、どこで休憩を挟めばいいのか戦略を立てられないので超重要です。

だから人生という航海にも羅針盤が必要なのです。それでは3大方針を1つずつ紹介します。

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2.第一方針:何か問題が起きた際に自分で解決できる戦闘力を身につけておく

問題(=課題/出来事)というのは色々あります。自然災害的な話もあれば、所属している会社が倒産した/クビになった、大きな投資の話を耳にした、家族が病気になり大金が必要になった、起業に失敗して借金を抱えた―――

人生100年近くあれば、「ちょっとしんどいな今回の課題は・・」ということは多かれ少なかれ起きるものです。

上にあげたような大きな話以外でも、仕事で課題にぶつかった、自分のキャリアが分からなくなった、人との関係性が悪くなったなど足元で起きるものも沢山あります。

それを自力で解決することができれば何が起きても安心です。就活の時に一度は目にしたであろうモチベーショングラフが波を打たないようにできます。

モチベーショングラフ

あらゆる問題が1+1=2くらい簡単に解けるのであれば全能感があり、日々生きていて不安に思うこともないでしょう。

ゼウス

まあそこまでいかなくても、多くの問題において少し頑張れば解けるという状態にできていれば「どうすればいいか分からない・・」という途方もない状態は避けられます。

あらゆる問題を解決できるようにするには、大きく2つ必要です。場数を踏むことと物事を汎用的にインプットすることです。

大前提として、経験や知識を沢山インプットして、それらを汎用的に変換することで知識を増幅し、レバレッジを効かせる―――より小さな労力で大きな成果を出す、1つの仕事で複数の成果を得る―――イメージです。

アナロジー思考の図式化

日々の経験や知識をそのままインプット―――1インプットしたら1にしかならない―――するだけいつまでたっても知識は増えません。

1入れたものを10にも100にもするから高速で知識が増え、解決できる物事が増えるわけです。

常に他の場面でも使えないかな?こっちの状況だとどうかな?と考えるといいです。ゲームで学んだことを実社会でどうか?サッカーで学んだことをバスケでどうか?など転用を癖付けるといいです。

場数というのはさらに、経験数×知識量で決まります。

経験数というのは、多くの人は人生の大半を仕事で使うわけですから色んな業界の色んな会社で色んな仕事をすることで培われます。

ただ、1つ気を付けてほしいのが、

経験というのを受身に考えないことです


任された仕事を漫然とやっているだけでは必要量の経験は絶対につかないです。

この仕事をすることでどういう力がつくのか仮説を立て、猛烈に仕事をこなし、「仮説が間違っていなかったか?」「必要とするレベルで力がついているか?」を頻度高く振り返る


ことにより経験がついてきます。

それを続けた先に「自分は十分に力がついた!」とか「自分のキャリアとしてはこの仕事は不要だ」と思えば、会社と交渉して自らの環境を変えていかないといけないです。

ちなみに「十分に力がついた」というのは誰よりも仕事ができるようになった、というのとは全く違います。

どのような仕事であれ長くやってる方がケーススタディがインプットされるのでより詳しくなっていきます。

ただ!

戦闘力をつける、という観点ではその道のプロになる必要も、先輩や同期に勝つ必要もないわけです。

あくまで、その仕事について基礎的なところを理解し、一人前に仕事ができるようになり、人に教えて、教えた人が一人前にできるようになるくらいの再現性があれば十分です。

また、仕事以外のプライベートでもしっかり経験を増やしていきます。

したことないこと見たことないことはとりあえずトライすることを個人的に大事にしています。何か発見があるかもしれないし、誰かとの話題になるかもというモチベーションで取り組んでます。

同じメンバーと同じように飲みに行って同じような話をしてもあんまり意味がないです。純粋に楽しむんだモードの時はいいですが、戦闘力を身につけるという観点では好ましくないです。しっかり使い分けることが重要です。

次に知識量ですが、人に会うのと本を読むのが一番早いです。私自身はコスパのいい読書でのインプットを主軸にしています。ここは別途書いているのでそちらを参考にしてもらえればと思います。

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3.第二方針:どの会社でも欲しがられる人材になる

学生と面接をしたり、メンバーと1on1をしていると、どの会社でも欲しがられる人材になりたいんです、と聞くことがあります。

「そんな人材ってどういう人材なん?」をこの章では書いていきます。

汎用的な人材ではなく、特化スキルで切り開く場合は、その特化スキルを必要とする会社の求人情報を見て、必要とされるスキルセットが自分にあるか?で考えるとよいです。ここでは汎用的な人材の話を進めていきます。

【必須スキル】
・マーケットの中でどのような事業機会があるかを捉え、それを技術でどう実現出来るか提案が出来ること
・ Webアプリケーションの開発、運用経験
・テックリード経験
・AWS,GCPなどのパブリッククラウドを利用したインフラ環境の設計、構築、運用経験
【あれば尚良スキル】
・Scala, Goのいずれかを使ったWebアプリケーションの開発、運用経験
・高トラフィックサイトの開発運用、リクエスト処理経験
・パフォーマンスチューニングの経験

https://hrmos.co/pages/cyberagent-group/jobs/0000071

”どの会社でも”欲しがられると言っているのですから、漏れなくどの会社からも欲しがられないといけません。

経営的に考えると、以下の3条件を上げます。

1.会社のミッションビジョンと部署の優先順位を理解し行動できる
2.新しい仕事やルールへの定着の速さ
3.組織への適応力

もちろん他にも特化したエンジニアスキルや営業スキルもあるに越したことはありませんが、マストな部分を挙げてます。

最初は、 1.会社のミッションビジョンと業務の優先順位を理解し行動できる です


文字通り会社や部署の意向をくみ取って動けるか?です。

会社にとってミッションやビジョンとは最重要命題であり、最も目指す姿です。会社が右に行こうと言っているのに左に行ったり、全体を左に扇動するような人はマイナスになるわけです。

多くの会社は成長中で、やらなければいけない業務はたくさん出てきますが、その中でも必ず優先順位があります。それを理解せず自分のやりたいことだけやる人も会社にとってはマイナスになります。

なので、会社の進むべき方向を理解し、そのために自分は何ができるか?という観点を常に持って仕事できる人は汎用的に求められます。

ただ、間違ってほしくないのは、会社の歯車になれという話ではないです。

会社が言ってるからその通りにしようと脳死になってはだめです。

しっかり自分でも考えて違うと思うことは意見を出す、その議論の末に自分の意見になっても異なる意見になっても、納得できるように話をしたり聞いたり、異なる意見の場合は割り切って全力で仕事することです。

あと、意見を出すというのは、自分が面倒くさいからとかその他の短絡的な”批判”ではなく、会社のことを考えて建設的に、がとても重要です。

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次は、2.新しい仕事やルールへの定着の速さ です

会社の方向を理解できていても必要な業務を遂行できないようではやはりだめです。いわゆる「いい人なんだけど・・」っていう人です。

異業界や異職種の仕事になっても、ある程度の成果を残せることが必要です。自分の知らない領域でも人に聞いたり自己学習することで最短で結果を出せるような人材が好ましいです。

やってきたことだからできる、ではなくやったことないけどやってみますでそれなりのバリューを出すことが求められます。

なぜなら、それではその道のプロに先を越されます。急遽出てきたタスクだから担当者がいない、プロを採用するにも時間がない、そういう時に柔軟なマルチ人材が活躍できます。

ぷよぷよを考えるとわかりやすいです。縦長ぷよこのタイミングで要らない!とかその色じゃない!っていう時あると思います。その時、どんな色のどんな形にでもなれるぷよが来たらめちゃくちゃ嬉しくないですか?―――え、皆ぷよぷよするよね?

会社も同じで宙に浮いてしまうタスク、誰も手を付けたがらないけど重要なタスクっていうのは気づいていないだけで探してみるとどこの会社でも実はかなりあります。

それを巻き取っていけると汎用的な人材としてはgoodです。

また、ルールへの定着の速さでいくと、どの会社でも新しいルールや制度は増えていきます。

ルールや制度が変わることで面倒くさいことや手間が増えることもありますが、会社としてその方が良いと判断したから取り入れているわけです。

いちいち反発するのではなくて、なぜ導入するのかを全体最適の観点で理解して新しいルールにも柔軟に対応できる方が好ましいです。

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最後は、組織への適応力 です

会社というのは組織なわけですから1人1人のスキルも大事ですが、全員の総パフォーマンスでの勝負になります。

なので、誰か1人が個人で2倍の成果を出しても他メンバーの成果を半減させるようだと会社全体のパフォーマンスが下がります。

他社員のモチベーションを半減させるのって結構簡単です。毎日横でネガティブな言葉を発信し続ければ低下させることができます。

そういうよくない人材をbadapple―――腐ったりんごは他のりんごを腐らせるので―――といいます。

経営サイドで見ると出来上がった組織に人を入れる時は、このあたりの他組織とシナジーがあるか?を結構シビアにみます。

badappleになってしまうとよくないので、ちゃんと組織になじめるか?皆と話せるか?というコミュニケーション的な話もあれば、裏表を使い分けるような非誠実さがないか?という点をみています。

その傾向がなくて、むしろポジティブな発信を続け、明るい人は自身の行動もよくなるし周りも”確実に”良い影響を受ける。

ちょっとワークをしてみよう。鏡をみながら、両手でWピースをして、「まっじでありがとう!!!!めちゃくちゃ助かったわ!!!」と心の底から友達に言うけど、眉一つ動かさずお葬式にいるみたいな顔で言ってみてください。

ちゃんとやれてると気持ち悪いことになったと思います。自然と顔が下の方を向いたり、いつものテンションを出せなくて声が太くなっただけだったり。

表情とか行動とか言動は密接に繋がってます。やりやすいところからポジティブにしておくと自然と全部ポジティブになっていきます。

それが一番分かりやすいのが挨拶です。なのでどの経営者でも偉人でも挨拶を大事にします。大きな声で挨拶できる、というのは大きなアドバンテージです。

そのように周りに悪影響を与えるのではなく、良い影響を与える人材は重宝されます。

以上3条件を満たすとどの会社でも欲しがられる人材になります。

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4.第三方針:何かしたい!と思った時に妨げになるような要素を排除する

キャリアの3大方針において個人的にはこれが最も重要としています。

夢や目標がない人にとって、なんのために頑張るのか、どういう成長を目指すのかと言えばこの方針に集約されると思っています。

将来的に何かしたいことが見つかった時に、
〇〇がないので出来ない、△△という理由で諦める
ということにならないように〇〇や△△といった障害を取り除きます。

〇や△に入る障害には色々なものがあります。お金、家族の理解、法律、会社の制度、自身の知見が狭い―――などです。

このあたりの障害を取り除くことができれば、自分の思うように人生を進めることができます。

障害を取り除くには大きく3つの自由を獲得する必要があると思っています。お金の自由、身体の自由、思想の自由です。

お金の自由は簡単ですね。何かを得たい時に必要とするお金があるか?です。もっと言うとお金と時間は紐づいています。

アルバイト的な仕事をしている人―――残業大好きな人―――はお金を増やすためにより多くの時間を割かなければいけません。

でも自分の価値を築けていれば契約交渉ができるだろうし、不労所得が創れていればお金や時間という束縛から逃れることができます。

不労所得というのは、お金を生み出す仕組みを創ってしまうか、大金を元手にお金でお金を働かせるか、の2択がメインになります。

前者で分かりやすいのがオーナー社長になることです。自分がせっせこ働かなくても回る会社を創ってしまえば、社員からどう見られるか?はさておき自動でお金は生まれます。

後者で分かりやすいのが投資です。手元に2億あるとします。それを年利5%で運用すると1,000万円が手に入ります。

もちろん年によっては3%になることも10%になることもあるので、幅はみておかないといけないですが、贅沢はできないですが生きていくだけであれば困りません。

ちなみに年収1,000万円なんていうのは凄く美化されていますが、独身貴族ならまだしも家族を持てば裕福なことは全くないです。

現実的なことを考えて完全にリタイアしたいのであれば元手金をもう少し増やしてもいいでしょう。

次に身体の自由です。五体満足で、自分がどこで何をするかについて制約を受けない状態としています。

どこで何をするかの制約を受けない、という状態は物理的な話です。

コロナを受けてリモート勤務も当たり前になり営業が訪問ではなくリモート商談というのも一般的になってきました。

それでも古い業界や体質の会社では依然会っての商談が当たり前ですし、出社することに意義を感じる会社もまだまだ多いですが、海外で勤務を認めたり、社員の自由を尊重する視野の広い会社に所属する、もしくは自分でそういう会社を創ることで身体の自由を獲得します。

つまり明日からシンガポールで仕事しようと思ってもできる、場所を束縛されない状態にするということです。

最後は、思想の自由です。思想の自由とはwikipediaによると、

人の精神の自由について保障する自由権。思想・信条の自由ともいわれる。人間の尊厳を支える基本的条件であり、また民主主義の前提である。信教の自由、学問の自由、表現の自由、言論の自由とつながるものである

少し難解なので噛み砕くと思想の自由とはまず、あらゆる知識があることから始まります。

「何を信じるか?何を表現するか?」について誰からも咎められず自由にできる、というのも大事なのですが、それ以前にあらゆる思考ができるように視野が広いことが前提です。

仏教しか知らなくて仏教を重んじるのと、キリスト教やイスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教を知っていた上で仏教を重んじるのでは全然違います。

他のなんでも同じです。エンジニアという仕事をよく知らずに営業だけしているのも、起業をよく知らずにサラリーマンだけしているのも(逆もしかり)視野が狭いです。

幅広い選択肢を理解した上で自分で意思決定をして、その上で自由に信じて、自由に発信できる時に初めて思想の自由を獲得したと言えます。

こうして3つの自由を獲得しておけば、将来的な夢や目標の妨げになる障害のほとんどを取り除けると考えています。

もちろんこれから先、他の自由を獲得しないといけないことが分かったり、もっとお金が必要なことが分かったりするかもしれません。

でもこの仮説を信じて突き進んだ時、それが無駄になることはまずないです。貯金が1億あって「あー間違えた」なんてことはないです。それは何かする時の元手になるし、家政婦を雇ったりして時間を創出することもできるのでそれでもいいんです。

今の自分が確実と思える仮説をしっかり立ててまずは走ってみる、途中で誤りに気付けば立ち止まって計画を立て直す、それでいいのです。

          ***

5.さらに話を加速させると

ここまで3大方針について説明してきました。何かしたいことがない人にとって人生に余白を創るような、バッファを持たせるような、未来の自分に資産を送るようなキャリアは良いんじゃないかなと思います。

このキャリアには様々な方法論があるので、もしかすると「どの会社からも欲しがられる」ではなく、もっと限定して「IT会社×一部上場会社×部長職」で求められる先が5個だけあればいいという考え方もあるでしょう。

この大方針をベースに色々自分カラーに組みかえってもらって大丈夫です。

さて、この章はもう少し時計の針を進めて未来の話をしたいと思います。

3つの自由を獲得して、大方針を満たした先に何があるか?

よくこういう話を耳にします。お金を儲けることだけ考えて突き進めた結果家族をボロボロにし、友人は消え、孤独にそして不幸になった。と。

つまり終わりから考えていないと本当に大事なものを見失います。

あくまでこれら大方針は手段であり目的ではない

です。

現時点で夢や目標がないから見つかった時すぐ取り組めるように、障害があってできない状態を無くすことを優先事項としています。

ということはいつかは先送りにした目的を見つけなければならないのです。

そこに対して私なりの見解をシェアしたいと思います。

          ***

私は正義感と縄張り意識の強い狼タイプです。

日々ニュースでは不吉な気持ちの悪い情報が流れています。何も悪いことをしていない子供が死に、親が子を殺し、子が親を殺し、そういう情報が流れるたびに怒りと自分のテリトリー内にそういった災いが降りかかる可能性に不安を覚えます。

自分の知らないところで多くの犯罪が起き、困っている人がいる、既得権益を守ろうとするあまり「本当に良い人」が憂き目に遭っている構図も沢山あるでしょう。

それは画面の向こうで起きているフィクションではなくリアルで起きている状況です。私はそれをなんとかしたい。アンパンマンのようにパトロールをして間違っているものを正したい。

Youtuberに居るようなちょこちょこした犯罪を取り上げて暴いて日銭を稼ぐような感じではなく、本当に困っている人に「アンパン顔をあげたり」して助けるようなボランティアをしたい。

ボランティアをして、感謝されて、助けた人が仲間になって、仲間が増えたのでより大きなボランティアができるようになって・・そうやって慈善の輪を広げたい。

それが私が人生の余白でやりたいことです。

自己分析したり進化心理学という学問を学び、人間の根源的欲求を鑑みると、無償で慈善をやることで感謝され自己効力感が刺激される。仲間が増えることで自分の居場所ができて、自己存在肯定感ができるというのは理にかなってます。

それは資本主義社会になった今でも変わらないサピエンス共通の遺伝子的欲求です。だからどれだけ金を持ち、物を満たしても心は満たされない。孤独感だけ大きくなっていく。

そりゃそうなんです、狩猟採集時代、電気もお金も服も洗濯機も何一つなくても彼らはしっかり生きていたんだから、そもそもそんなものが”猿”に必要あるわけがない。それは資本主義が生み出した幻影であり、神話だ。

神話というのは、誰も見たことがないものを巧みな話術により全体を導き、組織化する時の強力なボンド役となりました。それがホモサピエンスが生き残った最大の理由とさえされている。

実際そうだ。イルカもコウモリも蜂も何かしらのコミュニケーションスキルを持つ。「おいあっちの花にも美味しい蜜あるぜ」くらいは意思疎通ができるわけです。

そういう側面では我々と違わない。我々が違ったのは、見たこともない寓話を生み出せること、しかもそれを見たことも聞いたこともないのに信じることができるところに違いがある。

なんで私たちは、ゼウスなんて言う変態的な神がいると思っているのか、織田信長の鉄砲隊が強かったと分かるのか、自分が精子と卵子がくっついて生まれてきたと分かるのか。

全部見たわけじゃない、自分の経験論的に言えば全て幻影でしかない。それなのにほとんどの人は疑わずに前提として受け入れている。

これがホモサピエンスが持つ最強の知性である。

一方でその知性により資本主義が生み出した幻影にとらわれてしまうことにもなっています。

自分の幸福にとって本当に必要なものはなんなのか?自分が何者なのか?わからなくなっちゃってる。

現代社会に生きる我々ホモサピエンスは壮大な迷子と言えます。


少数民族が自分たちの権利を獲得するためにつくる武装組織を解放民族戦線と呼ぶのであれば、今必要なのはまさに”幻影”解放現代人戦線である。

我々は幻影から解き放たれて自身の幸福を追求するべきです。

少し話がそれましたが、色々考えた結果、私の幸福としては多くを望む必要はないとわかりました。別にそんなにお金も友達も多くなくていいと分かりました。

とはいえ資本主義社会に存在する以上、さっさとやるべきことを終わらせてそれから「無償」で本当にやりたいことをやりたいと思うわけです。

それが大方針を満たした先の私の展望です。

          ***

6.最終章:まとめ

キャリアなど人生におけるあらゆる選択を決める羅針盤が必要であること。

今目標や夢がない人は、今後見つかった時にトライできない阻害要因を排除するために方針に沿って行動する方がいいのでは?という提案。

さらに、その方針を満たした時に自分の根源的欲求に照らして何をしたいか仮説を持っておくことが大事。という話をしてきました。

かなり具体的に書いたかつ一部学問的な話も織り交ぜたのでストーリーとしての論理性は担保できているのではないかなと思います。振り返ります。

夢やしたいことがない人はジョーカーになればいい

ジョーカーとは、マルチでありながら個人スキルも高い状態になっておくことで、いつか夢や目的が見つかった時にすぐ実現できるのでは?それが幸福なのでは?

ジョーカーになる(=戦闘力の高い状態)3大方針
◆何か問題が起きた際に自分で解決できる戦闘力を身につけておく
◆どの会社でも欲しがられる人材になる
◆何かしたい!と思った時に妨げになるような要素を排除する

3大方針を満たした時、ジョーカーになった時に、自分が本当に何をしたいのか仮説立てる

冒頭で述べた通り、全員が全員このようなキャリアを歩むことが正しいとは思いません。1億人いれば1億人の幸福論があります。

幸福を求めないことが幸福だという人もいると思います。別に今死んでも悪くないし、何も考えず生きている方がいいんだというのも選択です。

クラゲのように気のままに海をただようのもいいでしょう。

でも私は思うわけです。

末裔より引き継いだこの生命を、動物界でも論理破綻に長寿なこの生命を使い果たして生きてみてもいいのかなと。

ミンミン泣いて短命に終わるセミに比べると可能性は無限大なわけです。その可能性を信じてみる人生も悪くないわけです。

コップに閉じ込められたノミがいつしか自分がどれくらい飛べたか忘れてコップの高さ以上に飛ぶことができなくなる話は引用されすぎて有名ですが、同じ話です。

自分ができることはここまで、と可能性を狭めてしまっています。

幸いにも今これを読んでいる読者は20代や30代がほとんどだと思います。今からでも全然遅くない。スタートを切ることはできるんです。目標や夢がないからを理由に頑張ることをあきらめたり、思考を放棄せずに生きることはできるんです。

さて、本稿ももう16,000字になってきてこれ以上は間延びしてしまうのでこれくらいで終了したいと思います。

冒頭で述べた通り、本稿はただの1事例であり、参考になれば、くらいなのでそのままマネしても改造しても反面教師にしていただいても構いません。

I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.
~Thomas Alva Edison~

失敗なんかしちゃいない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ。
~トーマス・エジソン~

エジソンの言葉を借りるのであればどちらにせよ道を1つ提示することが本稿の目的でした。

そういう意味では私の具体的なキャリアの話は上では出さなかったので、3大方針を持ってどういうキャリアを進めてきたのか?というのが気になる人もおろうかと思います。(言うは易く行うは難しだぞ!ってことでね)

なので年表にしてコラムとして置いておきました。こちらも参考程度に読んでもらえればと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。何か1つでも参考ならん事を。

―――FIN


          ***

コラム:20代前半の年表

20代前半やってきたことを並べてみました。年表に上げてるもの以外では年間100冊読書を欠かさなかったです。

読書知識というのは、即効性はないのですが全てのベースになります。

未知の領域に出会った時に思考できる、物事を理解するフレームワークになるなど思考力の深さに繋がり、ちょうどスキルではなく筋肉みたいなものです。

そのあたりは別で書いているのでそちらを見てもらうといいのかなと思います。

高校まではとりあえず勉強していたので端折ります。強いて言うなら小学校の時は習い事7個チャレンジしてました。

大学1回生は金なし睡眠時間なし単位は取るけど極力授業出ないスタイルでした(笑)ので、話は大学2回生から始めます。

2017年4月(19歳)大学2回
●資格取得にはまる
 ・インテリアコーディネーター→落ちた!
 ・カラーコーディネーター取得
 ・簿記3級取得
 ・英検2級取得
●趣味だった古着をメルカリとBASEで販売開始

行動メモ:この時は親の影響で建築業界に進みたいと漠然と思ってたので何も考えず役に立つかなーくらいで関連資格をとりあえず勉強してました。

古着を売り始めたのは、古着がかなり好きだったのに転じてメルカリの相場がめちゃくちゃだなーと感じたのでちゃんとマーケティングすれば勝機があると思ったからです。

実際バイトより稼げてたのと、固定給じゃなく自分の努力次第で0円にも何十万円にもなるのが楽しくてこの時に初めてビジネスって面白い!と気づきました。

※ウェイターや塾講師やキャバクラのボーイなど色々してみましたが、バイトみたいに頑張っても頑張らなくても同じ給料だとやる気が出ないマンでした。

2018年4月(20歳)大学3回
●就活生向けにキャリア支援する学生団体(Cours-prive)を設立
●その過程でナレッジ溜まったので採用コンサルティング事業を立ち上げ
●ビジネス塾「知力会」に入会

行動メモ:社長はかっこいい!という気持ちがあったのと、自分が集めた就活情報を教えることで喜ばれ、教えた子が紹介してくれてその子の友達が話を聞きに来るというのが嬉しくて個人事業主としてキャリア団体を立ち上げました。

個人事業主って何?とかそんなのは何も知りませんでしたが役所に行って言われるままに紙一枚書いたらなれました。(圧倒的小並感)

そ自身の就活も兼ねて毎日面接とかイベントにでかけつつ、そういうキャリア支援をしていたので気づくと500人くらいコネクションが出来てました。

自身も関関同立だったこともあり、そのあたりのレイヤーが多くみんな優秀だったので企業の人事と会った際に「こういう人知ってるんですけど面談してもらえません?」って紹介するようにしてました。

するといつしか「紹介だけじゃなくてうちのコンサルしてくれ」って話になり、採用コンサルティング事業を始めました。(もちろん契約書とか請求関連とか税金のこととか何も知りません)

起業って会社立ち上げるとかビジネスアイデアを机上でコネコネするような形式的なものではなく、『お客様が金出してでも必要だわ』と思うことを発信・行動していけば自然とビジネスになるんだなと思いました。

※誤解がないように話すと、スタートアップはそんなレベルじゃないので、あくまでバーンレートが小さいスモールビジネスの話と思ってください。

ビジネス塾は先輩の紹介で入りました。ちょうどそんなビジネスをやってたので、もっと知見を広めたいなーという動機でした。

投資とかマーケティングとか会社法とかかなり色々学ばせてもらい、今でも仲良くさせてもらってます。

2019年4月(21歳)大学4回
●採用コンサルティング継続
●内定先のIT企業でインターンを開始

行動メモ:3回生の10月に内定が決まったので、即承諾してインターンを開始しました。ミッションは関西支社を立ち上げることです。

社員が既にいてその右腕から開始ではなく0からの立ち上げだったのでオフィスも人もなく、とぼとぼと毎日カフェを転々としながら採用面接や営業をしてました。

この時に「オフィスがあるのが当たり前じゃないんだなー」とか「0から作るのって想像してたより自分で何でもしないといけないなー」と痛感しました。―――あ~この作業誰かに任せたい、と思ってもそもそも誰もいないので黙々と、愚痴る相手も暇もなく(笑)

理系だったので研究と単位取得に追われ、インターンと個人の事業と忙しすぎて4回生では資格取得はさぼりました。

2020年4月(22歳)
●20卒として新卒入社、保守チームと導入チームを兼任。
●MOSと通販エキスパート1級取得

行動メモ:支社を立ち上げる上で全職種を理解する必要があるということで社会人1年目は修行として東京に行き、インターンでしていた採用と営業とパートナーセールスに加え、保守業務も兼務しました。

自費で兵庫県から名古屋まで足を運んで既存のお客様と仲良くなってみたり、チームで使っているダッシュボードの改善を粛々としてみたり、とりあえず思いつく施策を怒られない範囲で許可なくやってました。

土曜日は平日に手が回らない仕事をしたかったので休日返上で1人出社して仕事してました。MOSは入社課題で、通販エキスパートはもっと業界知識つけたいなと思って取得しました。

2021年4月(23歳)
●関西支社長になり、支社立ち上げ、10名のマネジメント
●基本情報技術者資格取得

行動メモ:新卒2年目から支社を本格的に立ち上げました。

このタイミングで6帖くらいの狭いレンタルオフィスから50名ほどが入るでかでかオフィスに切り替えました。

物件探しから内装まで大きい金額使ってやれたのは良い経験でした。

初年度は新卒が10人入社しました。まずは1on1を独学して、実践していきました。

『10人くらいの小規模なら適当に見てても問題が起きないだろう』というのは間違いだというのは知人の社長から聞いたり本で学んでいたので最初が肝心と優先事項として取り組みました。

基本情報技術者資格はエンジニア(EG)向けの資格ですが、新卒にエンジニアが多かったので少しでも同じ目線で会話できるように取得してみました。

あんまり意味あったかわかりませんでしたがEGとの話題になったのと本気度は伝わったんじゃないかなと思います。(思いたい!)

2022年4月(24歳)
●福岡も追加して西日本レーンを見ることになり40名のマネジメント
●PR部の部長になり、CMのリリース、コーポレートサイトリニューアルのディレクターを実施
●ネットマーケティング検定とG検定取得

行動メモ:関西支社も2年目を迎え福岡支社の支社長が辞めたタイミングで福岡支社も纏めて西日本全体を管掌することになりました。

とはいえ物理的な距離もあり自己効力感は全く高くなかったです。

現場視察と課題のキャッチアップ&整理、支社長が不在なことでメンバーが声をあげれていないところを役員との架け橋になり、必要なアクションに落とし込んで風土を盛り上がる、が限界でした。

会社でPRチームを新設することになり、ちょうど手が空いていたので責任者をすることになりました。自分のキャリアと合ってるかというとそうでもなかったですが知見になるか、くらいでまずチャレンジしてみました。

実際やってみるとCM制作も企画からタレント選定から放映まで一連の流れを担当できたのは結構大きい経験でした。

相変わらず土日で資格勉強は欠かさず、マーケティング検定は知見のある分野ではなかったので3か月くらいかかりました。

G検定は人工知能関連の基礎基礎基礎知識くらいで、今後必要になると思ったので「話題になるかな?」と思ってとりました。

これからどの企業でもデータ利活用のプロジェクトが立ち上がってくる+それを推進できる人間はまだまだ少ないということで、まずは足がかりの為にG検定取ってみました。 2023年はDS検定と厚労省認可のAI×Pythonプログラム受けて、AIプロダクトの仕様書作れる位にまでは最低もっていくのが抱負

Posted by 木村海仁 on Sunday, December 18, 2022

2023年4月(25歳)
●3期目の新卒入社を迎え、60名のマネジメント
●ECコンサルティングの事業立ち上げの3人目になり、3桁億企業のコンサルティングを実施

行動メモ:マネジメント数も大台の50名を超えて見切れなくなってきたので中間管理職の育成がメイン業務になりました。自分ができることを人にもできるようになってもらうことがどれほど難しいか分かった1年です。

それでもいずれ自分が経営者になった際に組織作りは間違いなく必要と思ってたので試行錯誤して取り組んでました。

ECのコンサルは、前職の採用コンサルと同じ感じかと思ってたら、個人でやるのと会社に入ってやるのとでは、フットワークが全然異なりました。分野が変わったことで右も左も分からず、先輩から「情弱だなー」と言われながらもなんとかやってます。

でも面白いもので一度実施した提案は再現できるようにしてるので取締役の足元にも及びませんが小型のコンサルならできるだろうなーと思うようになりました。

          ***

この5~6年を総じて考えると、「君何ができるの?」と聞かれても特にプロフェッショナルな部分ないなーと思ってましたが、ちょいちょいつまんでいる間に広く浅く何をするにも必要な基礎体力がついていることに気づきました。

これを『ちょい噛み戦略』と呼んでます。そのちょい噛み戦略とは、

続く―――

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