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建設コンサルタント勤務 | 都市系 | 官民連携 | 都市再生 | まちづくり | 技術士 都市及び地方計画 | 国交省PPPパートナー

最近の記事

公共施設の再編を読んで-社会教育施設について-

 本書は、日本建築学会出版の「公共施設の再編-計画と実践の手引き-」の社会教育施設について記載した内容である。かなりの情報量が掲載されているので、是非、公共施設に携わる方には読んでいただきたい。 https://www.morikita.co.jp/books/mid/055331 1.公共施設再編の枠組 既存の公共施設の評価手法は、ファシリティマネジメントの分野で確立されている。その視点とは、施設単体評価のみではなく、自治体内の施設群全体を機能面から評価する視点を導入する

    • NSRI「公園が主役のまちづくり」を読んで

       本書は、設計事務所である日経設計のシンクタンク機能である「日建設計総合研究所(以下、NSRI)」が主に公園を中心としたオープンスペースへの取組を主に「官民連携」という視点から整理した図書である。 1.パブリックスペースにおける近年の動きについて  日本におけるパブリックスペースは、「オープン化」の動きになってきていると言う。それは平成26年に改正された「都市再生特別措置法」の改正内容、個別法(河川法、道路法、都市公園法)の河川準則特区(平成16年)、ほこみち(令和2年度

      • 「自治体民営化のゆくえ」を読んで

         1990年代後半からPFI法や指定管理者制度、地方独立行政法人法など、公共サービスのアウトソーシング化・民営化が進んできた。  本書の「自治体民営化のゆくえ」は、公共から民間へのアウトソーシング化を進めるに当たっての問題・課題を具体的な事例を踏まえながら紹介している本となる。  官民連携を取組むコンサルタントの視点から本書を読み解いていきたいと思う。 1.本書で掲げる行政サービスのアウトソーシング化の問題・課題点 本書の中でも、特にPFIに係る問題・課題点を抽出していき

        • 稼ぐインフラをつくる「コンセッション」とは

           地方公共団体は厳しい財政状況の中で、どのように稼いでいくかが重要となり、その手法の1つとして、美術館や高速道路等のインフラ・公共施設をより民間活力を導入する「コンセッション」が注目されている。  コンセッションは2011年のPFI法の改正により追加された制度で公共施設等運営権と呼ばれている。PFI法の流れは、以下に整理しているので参考にしていただきたい。 1.コンセッションとは コンセッションとは、「利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま

        公共施設の再編を読んで-社会教育施設について-

          DBJ「日本政策投資銀行」:PPP/PFI20年の歩み、「新たなステージ」での活用とその方向性を読んで

           本書は、1999年のPFI法成立から20年が経過し、PPP/PFIのこれまで取組とこれからを提言したことから、タイトルを「地域創生と未来志向型官民連携」と名付けられている。 1.本書の目的 本書は、PFI法成立から20年間が経過したイマにおいて、PFIなど官民連携の第一線で活躍する有識者(内閣府、DBJ、大学機関、シンクタンク等)の知見により、振り返り、新たな令和の時代における官民連携の活用の方向性を示すものである。 2.PFIの特徴と新たな概念 PFIの特徴として、本

          DBJ「日本政策投資銀行」:PPP/PFI20年の歩み、「新たなステージ」での活用とその方向性を読んで

          PPP推薦図「公共調達における事業手法の選択基準:VFM」を読んで

           地域を活性化する手法の1つとして「官民連携」が多くの地域で活用されている中、公共と民間の事業費の差として表現されるVFM(Value For Money)に着目しPPPを解説した本である。 1.本書の目的 内閣府によればVFMとは「PFI事業における最も価値の高いサービス(Value)を供給するという考え方の1つで、支払い(Money)に対して最も価値の高いサービス(Value)を供給するという考え方」である。  図 VFMの概念(出典:内閣府)  本書は、このV

          PPP推薦図「公共調達における事業手法の選択基準:VFM」を読んで