見出し画像

ほよーん

ほよーん、ふよーんという響きが好き。

ぷよん、ぽよん。

ぺろん、ぷるん。

とろん、するん。

いずれも良い。

穏やかに眠っている新生児の身体は気持ちいい。

だが突然びくっとなって、束の間の幸福な肌の触れ合いは中断される。
速やかに激しい泣き声と大暴れに入り、「よーしよし」が始まる。
パワフルで感受性豊かな、このままの感じで育っていきそうな気がしている。まるで、僕のように。

首が座ってないのに、反りが激しい。背筋も強い。どうなってんだ。
モロー反射というのがあって、抱き降ろした時や入眠時にびくびくっとなる。たまにそれの大きいのが来ると大丈夫かなぁとすこし心配になる。

1メートル四方の板の真ん中に穴が空いていて、その板を傾けて、穴にボールが入るようにするゲーム。泣き止ませるのは、まるでそんな感じがする。
上手くいかないときは、それを目隠しで延々とやってる気持ちになる。
内部の仕組みはわからなくても、どこかに落とすべきポイントがあるらしく、そこに落ちれば不意に止む。
右にしたり左にしたり、少し縦にしたり、横向きにしたりする。
明るさや温度、部屋が変わると、その変化につられて止まることもある。
延々と泣き止まず、妻にバトンタッチした途端泣き止むと「泣き止むんかい!」と突っ込みたくなる。でも、それはどちらにもあるので、抱き手が変わるという変化も有効であるよう。
日々重くなるので首と肩が痛いが、適当にソファやクッションを利用して脱力を心がける。

赤子の泣き顔は突然生まれる訳では無い。
刺激▶
ビクッ(驚き)▶
顔が歪む(泣こうかな…でも…バランスをとる)▶
ひくっひくっ(あ、泣き声でちゃった)▶
「うわーん!」(もうだめ、泣いちゃう!)▶
「うぎゃーーーん!」(泣いてたらもう止まらない!泣ける泣ける!涙出ちゃう!!!)

途中まで、なんだか泣く演技をしてるみたいなんだよな。そして、泣いてるうちにほんとに悲しくなってきて、だんだんと涙が出てくる感じ。最初はすこし嘘泣きっぽいのだ。

人間の原始的な感情は、リラックスか興奮かの二択なのかもしれない。

ビクッとしても、腕の中だと泣かない。布団に寝かせてると、ビクッがきっかけで泣いちゃう。腕の包容力は強い。
腕の中にすっぽり収まって、ダンゴムシみたいに手と足を中に入れて、むにゃむにゃしている。

泣いてもなだめてもらえるというのは、なんだか羨ましい。
ぼくが最後に抱っこしてもらったのって、いつだろう?小学生の時かな?もう、抱き上げてもらう機会はないかな。

辛いことがあって泣き叫んでいると、「だーいじょうぶ、だいじょうぶ。よーしよし」って、優しく包んで抱いてくれる。それはきっと気持ちいい時間だろうな。

忘れてしまってもいいから

「気持ちいいなぁ、抱っこされるの」

って思ってるといいなぁ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?