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腕組みしている料理人は信用ならん

今度私の勤めている食堂で、とあるラーメン店(有名らしい)とのコラボメニューでラーメンを提供することになったらしい。

告知ポスターは、なにやら難しげに眉をしかめ、キリッとしたコック服を着た男性がラーメンの写真の隣で、こちらを睨んでいる。

燃えろ! 俺のラーメン!

とでも書いてありそうな、熱い視線である。何にもキャッチコピーはついてないけど。

私は「へえ、こんなポスターも貼るのかぁ」と思っていて、有名ラーメン、賄いで食べられるといいな、なんてのんびり厨房に戻った。

帰ると、たまたま所長と先輩のパートさんが、その特別メニューのラーメンの話をしていて、

「有名って言うけど、俺は知らない」

と所長は言う。

所長はグルメだ。あちこちのお店の食べ歩きをしている。あの店のだしはどうだ。とか、チェーン店でも店によって味が違うとか、職業柄の研究熱心ということかもしれないが、とにかく詳しい。

グルメで、食べ歩き大好きな所長が知らないのだから、会社の方で組んだコラボメニューとはいえ、有名店かもしれないけど、おいしいかは微妙だなぁ、なんて思った。

「それに、料理人で腕組みして写真に写ってるやつ、俺は信用しないね」

「手洗いはどうしたって思っちゃう(笑)」

「料理人が腕組んで、『食ってみろ』なんて、ろくなもんじゃないよ」

なるほど、、、

料理人の立ち居振る舞いで(写真だけど)、味はどうであれ料理人としての姿勢はまず問われる、ということのようだ。

この道30年の所長の言葉は重い。

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