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「自分なんか」は言ったらあかんやつ。

自分に自信がないとき、「私なんか……」「私ごときが……」「一番低いレベルでいいんです。待遇でいいんです」って言ってしまう、人もいると思う。

私もそうだった。

高校に入って、何を思ったか、吹奏楽部に入部して、初めてクラリネットを吹いた。

元々ピアノを習っていたので、楽譜を読んだり、リズムのとりかたはできたけど、楽器は初めて。

そのとき、私なんか、私なんか、って自分を低くする(見せる)ことで、なにかのハードルを下げて、呼吸しやすくなる気がしていた。

でも、それは間違いだったな、とここ最近になって、やっと気づいた。

私なんか、私なんかってやる度に、なんか微妙になる空気。埋まるはずの人間関係の溝が開いてく、アレレ感。


ときは現在。

私は月に2回の朗読教室に通っている。その教室に、最近新しい生徒さんが加わった。

この方が昔の私にそっくりで(失礼ながら)、腰の低さというか、卑屈さというか、言葉の使い方や、仕草まで。なんか見たことあるぞ感。デジャブっていうのかも。

「私、普段から本も読まないし、こんなところに来ちゃって。場違いって言うか、本当は一番低いレベルの教室がいいって思ったんですけど、ここがいいって、すすめられちゃって……」

「私なんか、本当にダメなんです。皆さんの足でまといっていうか、ひどい朗読っていうか、音読を聞かせてしまうかもしれないし、迷惑になるんじゃないかって心配で……」

なんというか、なんともいえない。

ツッコミどころ満載である。

なんで、そんなに自信がないのに、朗読教室来ようって決めたの? この教室をすすめられても、選んでお金払ったの、あなたじゃないの? 右も左もわかる、いい大人でしょ?

低いレベルっていうけど、低いレベルって何?

初めから、上手な人なんていないし、低いレベルっていうけど、ここに来てる人がみんな低いレベルってこと?

足でまといっていうけど、朗読なんて、ある意味最初から、恥さらしだよ。

みんなの前で発表するって、自分をさらけ出すことだから、恥ずかしいって、そもそも論だよね。。。

私なんかっていうけど、みんな初めから自信なんてないし、そんなふうに言われて、なんて言ってあなたに返事したら、あなたは気が済むの?

私なんかっていうの、みんなに逆に失礼なんだけどな。

私なんか、私なんかって言われるたびに、例えば、私がそれほどあなたと変わりのないレベルだとして、平気な顔してこの教室に来てる私は、恥知らずのダメな人間ってこと?

色々考えてしまう。

でも、その人の言うことは、かつての高校生の私が部内で、同級生たちに言ってたようなことで。なにか痛くて辛いものを感じる。

そんなふうに卑屈になっても、朗読もクラリネットも上手くならない。

と声を大にしていいたい。

どうぞ下手くそでもご寛恕くださいって言いたいなら、本当にそういえばいい。

変に自分を取り繕って、卑屈になれば許されるんじゃないかって思うのは、なにかの間違いだ。勘違いだ。

「自分なんか」って、言いたくなる気持ちは、分からないでもない。でもそれは言ったら、あかんやつ。

10年以上経って、やっとわかったこと。

自分なんか、私なんか、は言ったら、だめ。

素直に頑張れなさそうなくらい、気後れがするなら、そういえばいい。

かつての私にも、いいたいこと。息苦しい世界は、自分の言動にも理由があるんだよなあ。

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