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直観を語る、MBTI的直観談議、ある日の会話⑥

1.人物紹介

Usagin:私。ENFP。抽象的思考が大の好物だが、現実感覚がない。

友人A:ゲーム愛好家。ISTP。抽象的な話は苦手だが、思考力が高い。
最近、直観を鍛えることに興味を持ったらしい。

友人C:ゲーム愛好家でプログラマー。INTJ。直観と思考の収束傾向が強い。

以下、コミュニティ内で実際にあった会話です。
最近、直観力を鍛えることに興味を持ったAさんと私の間で、MBTIの直観にまつわる話しになりました。

2.直観の基礎

友人A : おまたせー、いけるか?

Usagin : ぢゃ、ぼちぼち始めますか。
全体として、ちょっとまとまりのない話になるかもしれませんが、
その場その場で必要なことを話していきますね。

Aさんの頭を刺激するために、適度にこちらから質問していくことにしましょう。
まず、直観を働かせる際に一番重要になるものはなんだと思いますか?

友人A : 直観を働かせる際に一番重要なのは広い視野だと思う。
情報、理論、アイデア等がそれに当たるかなぁという感じ。
直観型の人はそれらを集めるのが好きなようにも見える。

Usagin : ちょっと違いますね、それならISTJとか記憶力がよく大量の知識を詰め込んだ人は発想力豊かになるはずです。
直観力の最もベースになっている能力、それは物事の本質を捉える力です。
これは、パターン認識する力そのものであり、言葉をカテゴライズする力でもあります。

友人A : 俺には直観型は様々な憶測、推論を考えるのが好きなように見える。それにより情報を集める機会が増え、パターン認識、本質の理解に繋がるように見える。
これが本質的かと思うんだけど如何?

Usagin : ふむ、情報を集めること自体が重要ではない、ということですね。

友人A : 上記は相関関係にあり、切り離して答えることはできないかもしれない。

Usagin : その関係性は明確に説明できます。
確かにそれぞれは相関関係にあります。
直観力そのものはパターン認識に関する能力の応用にあり、その根源には本質の把握があります。
情報量の豊富さは、能力の応用にあたり、認識されるパターンの要素数を増やす形で直観力を補助します。

ここで、情報が豊富なだけでは直観力は働きません、ISTJが良い例です。
しかし、本質の把握ができれば、直観力の発揮が期待できます、これに関しては私が良い例ですね。
少ない情報から全体像を想像するのが得意に見えなくもないでしょう?

友人A : そうだね。

Usagin : これは私の知識が浅い分野に関しても、ある程度働きます。
そして、知識量自体は、詰め込みが好きな他のタイプにはその総量は決して及びません。
したがって、情報量はあくまで直観力の補助なわけです。

友人A : なるほど。

Usagin : 最も基本かつ重要なのは、本質を把握する能力。
これが、パターン認識の効率的な蓄積を可能とするわけです。

友人A : 違いがわかった。

3.本質とは何か

友人A : 本質とはなにか、本質を把握するのにはどうしたらいいのか知りたい。

Usagin : 次は本質とは何かを質問するつもりでした。

友人A : 考えてみるね。

Usagin : はい、しばらくお待ちします。

友人A : 本質とは情報をカテゴライズしたときに最も根源的なものである。
ここまで書いて頭が働かなくなった。

Usagin : まあ、正解と言って良いでしょう。
その具体的イメージは湧きますか?

友人A : 牛丼屋で例えると。色んな情報があるけど、なにが本質なんだろう。
例えば、牛丼屋でよく見るのは松屋、すき家、吉野家だが、それはすべてチェーン店でどんぶりで飯がでてきて・・・。

Usagin : 牛丼を主力商品として提供する商店または飲食店、それ以上でもそれ以下でもありませんよ。

友人A : えっ?そんな大雑把でいいの?

Usagin : むしろ、他の情報は余分です。本質以外の情報ですよ。
最も根源的と言ってるじゃないですか。

友人A : 言葉ではわかってるけど理解してないんだ。

Usagin : まず、「牛丼屋」から牛丼を省くわけにはいきませんよね?

友人A : その辺の判断が難しい。

Usagin : 牛丼は牛丼屋の本質を構成する要素の一つな訳です。
あとは、牛丼に何をプラスすれば、牛丼屋が成立するか、です。
最小公倍数みたいな。

友人A : 牛丼屋で考えると、飲食店、ビジネスどんどんスケールがデカくなっていく。
それで、あれ?なんだっけ、となる。

Usagin : 個人経営でも牛丼屋は牛丼屋ですよ、チェーン展開してても牛丼屋は牛丼屋です。
つまり、経営スタイルは牛丼屋の本質ではありません。
それを省いたら、それは牛丼屋ではなくなる、という要素が牛丼屋の本質です。

友人A : 最小公倍数ね、すこしイメージできた。

Usagin : となると、牛丼と店舗とサービスが存在すれば、牛丼屋が成立しますよね?

4.本質の実例(ハサミ)

友人A : 他のお題に挑戦してみたい。なにかくれ。
本質を考えてみる。

Usagin : では、ハサミの本質を教えてください。

友人A : 手動で裁断のできる道具。

Usagin : かなり違います。

友人A : 難しいな。

Usagin : 手動とは限りません。

友人A : 裁断できる道具?

Usagin : 裁断できるだけですか?

友人A : 手でちぎるより楽にきれいに裁断できる道具。

Usagin : 裁断できないハサミはハサミじゃないんでしょうか?
世の中には刃の潰されたハサミもありますよ。
そもそも、道具である必要、あるんでしょうか?

友人A : 作用点に刃が付いていて、力点に持ち手のある支点のついた道具。
これはハサミでしょう!

Usagin : かなり良い線いってると思いますが。

友人A : ムズすぎる。

Usagin : 道具というよりは物体が近いですね。

友人A : 人間が作ってる以上道具でしょ!

Usagin : 刃が複数ある、ということも触れた方がいいかもしれません。

友人A : 刃がひとつしかないハサミもあるかなって。
ハサミというか、裁断機になるのかな?

Usagin : ハサミとは挟むが語源でしょうからね。

友人A : まあこの辺は俺の国語力の問題ということで。

Usagin : まあ、その辺は具体的でなくても良いですよ。
まあそういう構造をハサミ状と言いますが。
つまり、ハサミ状の物体をハサミと言います。

友人A : まぁ、うん。進めてくれ。

Usagin : で、なぜ道具ではなく、物体なのかってことです。

友人A : はい。

Usagin : これは、物体には必ずしも目的がなく、道具には基本的に目的があるという違いがあります。

友人A : その点で言うとハサミには目的があるから道具じゃないの?

Usagin : 裁断する目的ですか?

友人A : 裁断を、目的にした道具。

Usagin : でも、それって本当に必要ですか?

友人A : そうでなければハサミじゃなくなる気がしちゃうなあ。

Usagin : 目的は裁断じゃなくても良いですよね?
目的は人を突き殺すでも良いはずです。

友人A : なんてことだ。

Usagin : ドラクエ3に大バサミってありましたよね?
あれは殺傷に関して多目的ですよ。

友人A : 宇宙的思考だな。

Usagin : 目的には、他にも棒の変わりにもなります。
物体なので、重りにも使えるでしょう、文鎮とか。

友人A : そういう考え方かぁ・・・。

Usagin : そう考えると、ハサミの目的って結構不明ですよね?
購入した人が好きに使って良いはずです。

友人A : 製造段階で想定されている目的はあるにせよ、使い方は自由だな。

Usagin : 場合によっては道具ですらない。
作った人が目的を設定していない場合もあるでしょう。

友人A : 想像付かないな。

Usagin : 例えば、美術作品とか、見せることが目的。
観賞用ってことですね。
目的は道具として用いることではない、と。

友人A : なるほどな。
では、物体であるとなるわけだ。

Usagin : はい、目的は不要ってことです。
でも、ハサミ形状はしていないと、ハサミとは言えませんね。
つまり、ハサミの本質の大部分はハサミ形状にあるんですよ!

友人A : 理解したが・・・なかなか普段しない発想だ。
俺は魚なのに50m走れと言われている気分になる。
惨めにビチビチ跳ねることしかできないなんて。

5.外向的直観と認識の拡散

Usagin : それで、ですね。

友人A : うん。

Usagin : 主に拡散的に直観を働かせる場合、つまり、外向的直観、直観によってパターンのイメージを拡散させていくときには、
それぞれの事象の本質のうち、目的部分は無視して構いません。
せいぜい「その目的にも使用可能」くらいでOKです。
それぞれのパターンを目的外に使用するのは、イノベーションの基本です。

友人A : 見え方が違いすぎてびっくり。

Usagin : でも、大事な話でしょう?やっぱり、こういうのは最初にするべきですよね。

友人A : うん。おもしろい。

Usagin : では、話題に上がったので、先に外向的直観におけるイメージの拡散について触れますか。

友人A : よろしくおねがいします。

Usagin : イメージの拡散方法ですね。
これは、既存情報と類似する情報の列挙とその組み合わせで表現されます。
さらには、各情報をカテゴライズして、細分化した後に、それぞれのパーツに関して上記のそれを行うことで、飛躍的に多いパターン数を実現できます。
つまり、基本は連想ゲームですよ。

友人A : ハサミからなにも連想できない。

Usagin : そこは、情報を付加するんですよ。
ハサミにも色々あるでしょう?

友人A : 細分化すると、刃がついてる、支点力点作用点がある。

Usagin : いや、それは本質じゃないですか。
裁縫バサミとか、洗濯バサミとか、ギロチンとか、産業用機械に装着する特殊バサミとか。
イメージの拡散は、その本質からどれだけ多くのことを想像できるかってことですよ。

友人A : 確かに上記は刃がついてるもので連想できるね。

Usagin : カニのハサミもハサミですよね?
ヘリコプターのローターもハサミとして機能しますよ。
ハサミ形状の物体ならなんでもいけます。

友人A : 想像力が全然違うんだな。

Usagin : この、情報付加を扱うのが外向的直観です。
したがって、Aさんが苦手なのも無理はありません。

友人A : 苦手だなあ。

Usagin : Aさんは内向的直観タイプですから。

友人A : でも、連想ゲームなら一人でもできそうだな。

6.内向的直観と認識の収束

Usagin : なぜ、拡散的直観が苦手かわかりますか?

友人A : 俺が感覚型だから。

Usagin : まあ、それも答えには違いないんですが、
例えば、Cさんも外向的直観は苦手ですよね。

友人A : うん。

Usagin : でもCさんの主機能は直観ですよ、内向的ですけど。
それでも外向的直観が苦手なのには理由があるわけです。
この辺は推測し難いかもなので、答えを先に言ってしまいますが、
外向的直観を抑制する大きな要素というのがあって、それは目的意識です。
上から下まで様々な階層において、目的意識は認識の拡散を阻害します。
例えば、「ハサミは裁断する目的の道具」みたいな認識です。

友人A : 本質を考えると結構なんでもありだもんな。

Usagin : でも、目的意識が強いと、色々な場面で視野が狭まるわけです。

友人A : それはさっきのやりとりで痛感したわ。
単に想像力がないのかと思ってたけど、目的意識だったんだね。

Usagin : いや、想像力も若干欠けてるかもですが。
まあ、両方ってことですね。

友人A : 両方ともだな。

Usagin : これは、もっと概念的な方法論を考える時も出てくる問題です。
ある方法論Aが、目的Bに使用すると意識してると、他の用途には考えが至らなくなるわけですね。

友人A : まさにそれ。

Usagin : 別の表現を使うと、因果関係が認識上、固定されてしまうってことですね。
これが、認識が収束されるということなんですが。
内向的直観とは、そもそもそういう機能なわけです。

友人A : 結構違うんだな。
なにがどのようにかはまだ明確にわからんけど。
直観型なら、みんな認識の拡散が得意なのかと思ってた。

Usagin : 最終的には、外向的直観でイメージを拡散させて、その拡散によって得られたイメージの要素から必要なものを内向的直観で収束させて、結論を出す。
これが、直観機能の全体像なわけです。
内向的直観には、膨らんだイメージを目的に合わせて削り込む機能があるってことですね。
したがって、目的意識がないと内向的直観は働きません。
目的がなければ、認識は収束しないんですね。

友人A : それが相反する理由か。

Usagin : はい。

7.意識の切り替え

Usagin : そこで、直観を本当に使いこなすためには意識の切り替えを行う必要があります。
それを本能的にやってるのが、ENFPなわけです。

ENFPは通常、目的意識を持っていません。
そのため、ダラダラとアイデアを出すのに熱中する傾向がありますが、
仕事の締め切りが迫ると、「そろそろ仕事しなくちゃ」と目的意識のスイッチが入ります。
これによって、内向的直観が働くようになり、パフォーマンスが向上すると同時に、判断に迷いがなくなります。
そして、必要なパターン情報は、その前のアイデア出しの段階で頭の中に揃ってるわけですよ。

友人A : なんて都合のいい作りなんだ。

Usagin : あとは、その中から必要なパターンをピックアップして構造化して、結論としてまとめるだけなわけです。
普段はだらしないENFPも、この時ばかりは効率厨になってテキパキと仕事をこなします。
これは全て、目的意識のなせる技なわけです。

で、ENFPとENTP以外の他のタイプは、あまりこういう意識の切り替えが自然には起こりません。
それで、半ば意識的に目的意識を強めたり、弱めたりと調整する必要があるわけですね。
Aさんのような内向的直観タイプの人なら、目的意識を弱める方法を身に付けると直観の制御が上達します。

友人A : 第三機能だけどな。

Usagin : そうなんですよね、なのであまり多くは期待しない方がいいですね。
ただ、私の論理的思考力も第三機能なんですよ。
それを考えると、まだ伸びしろがあるような気がしてきませんか?

友人A : そうだね。
もしかすると一般人の主機能に匹敵するかもしれん。
あ、これは俺に対する俺の希望的観測ね。

Usagin : 一般に第三機能は30代以降に成長するという話なので、
Aさんとしては、ちょうど頃合いじゃないですかね。

友人A : ほお、それを今から意識的に育てれば、もしかするな。

Usagin : 意識するなら、やはり、物事の本質ですね。

友人A : 連想ゲームがんばる。

Usagin : 認識の拡散にしろ、収束にしろ、本質が外れてたらどうにもならないので。

友人A : 本質はまた違う訓練になるか、連想ゲームは拡散の訓練だ。

Usagin : 話も一段落した気配がするので、今回はこの辺にしておきますか。

友人A : ありがとうございました。

Usagin : なかなか面白かったでしょう。

8.まとめ

省略します。


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