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ブロックチェーンのもたらす未来、組織の変革は社会を変える、ある日の会話②

1.はじめに

今回はこの記事の読者となる方にビットコインやその基盤技術、または関連技術ほかについての予備知識がない可能性を考慮して、記事の中心になるDAOの説明から入ります。

以下、本当にざっくりとだけ説明します。用語や説明の正確性は気にしないでください。画像8

「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」は「分散型自律組織」と訳されます。

従来のような管理者が存在する中央集権的な組織ではなく、コンピュータやネットによって分散化された組織の事です。

DAOは、同じ志をもつ人々が地理的に分散しながら、個人が自律的に活動することにより、特定の所有者(株主)や管理者(経営者)が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進していくことができる組織を指します。

ビットコインに代表される仮想通貨がブロックチェーン等の情報技術によって民主化された通貨だとするならば、DAOはブロックチェーン等の情報技術によって民主化された組織だと言えます。

以下の話は全て、そのDAOについての話になります。

2.人物紹介

Usagin:私。ENFP。呼吸をするように抽象的な概念をこねくり回すが、具体的、実際的なことを考えることも伝えることも極めて苦手。

友人A:ゲーム愛好家。ISTP。抽象的な話は苦手だが、極めて戦略的な人物。私を圧倒する論理的思考力を持つ。

友人B:ゲーム愛好家でプログラマー。INTP。知識や一般認識などのバックグラウンドが私にかなり近いが、私より人としてのバランスが取れている。

3.同人活動はDAOだった

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全てはBさんの唐突な発言から始まりました。以下、実際にあった会話です。

友人B:DAOって同人活動に似てる?

Usagin:似てますよ。
DAOとは、同じ志をもつ人々が地理的に分散しながら、個人が自律的に活動することにより、特定の所有者(株主)や管理者(経営者)が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進していくことができる組織を指します。
と説明する人がいるくらいですから。
この説明だと、同人活動そのものじゃないですか。

友人B:だよね。

Usagin:DAOが発行したガバナンストークンの保有者がコミュニティの意思決定を行うという。

友人B:トークン云々は、同人誌などの売上だったりファンからのコメント、アンチコメント、このあたりで機能してそう。
つまりはオタクコミュニティはすでにDAOだったと。

Usagin:DAOの本質的な性質から言えば、同人活動はそれ自体DAOであるのは明らかに見えますかね。
ん、確かにファンの投票権がトークン云々ですかね。

友人B:そそ。それによって制作物の内容変えてるよね。

Usagin:AKB48の選挙システムの投票権もトークンですかね。

友人B:うーん。AKB48はしっくりこないなー。

Usagin:あっちは管理者と所有者がいますか。

友人B:自律して活動してないし、所有者もいる。

Usagin:確かに自律して活動してませんね。
そう考えると、同人グループの中には、まんまDAOやってるところがありそうですね。

友人B:大所帯のところはそうかもね。

Usagin:この切り口は良いですね。
DAOの先を考えることで、オタクコミュニティの将来を予言できるかもしれません。

友人B:アイデア料よろ。

Usagin:アイデア料はガバナンストークンでいかがですか?

友人B:価値がゼロ。

Usagin:ビットコインも最初はそうだったじゃないですか。

友人B:何年先に花咲くん?

Usagin:信用がどう膨らんでいくか次第ですね。
ビットコインの製作者が日本人であるならば、かつての自分の制作物と同人活動から着想を得たという推測すら可能ですね。

4.株式会社はDAOに進化する

友人A:流し読みの知ったかで参戦するけど、仮にDAOとしてこのコミュニティメンバーでゲーム攻略しようぜ!ってなったときに、投票で方針が決まると思うんだけど、一人一人が持つ票の価値は同じ?
それとも金かけたやつの票がやっぱ強いの?

Usagin:どういう仕組みにするかにもよりますかね、基本お金をかけた方が票数が多くなるのでは?

友人A:じゃあさ、DAOのメンバーと会社の株主の違いって何?

Usagin:多くのDAOでは、メンバーの投票権の影響力は各個人がどれだけプロジェクトやDAOに貢献したか?によって左右される。
とのことなので、やはり仕組みによりますが、お金をかけていなくても貢献度によって決まってくるのでは?

友人A:それじゃあ株式会社と同じように思えるんだよね。

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Usagin:というか、株式とトークンが似てるんですよ。
株式とは所有権の民主化でしょう。
株式会社の株主とDAOメンバーの違いは、株主が社員(メンバー)も兼ねる点じゃないですか?

友人A:株式会社MOLTSみたいだね。

友人B:ガバナンストークンを換金するから株式会社みたいになるんやな。

Usagin:将来的に、株式会社はDAOに進化するかもしれませんね。
今でもストックオプションとかあるでしょう。

友人B:逆説的に換金できないようにしたら株式会社にならんよね?
つまりそのDAOにおける貢献の度合いによってトークン配るだけ。

友人A:貢献の評価は誰がするんや?

友人B:それはDAOを作るときに最初に決める。
自動評価システムをくむんやな。

Usagin:評価システムは最初に仕組みとして決めておくんですね。
スマートコントラクトってやつですね。

友人A:あー、なるほど。仕事できるやつが投票の権力を得やすい仕組みになるのね。
年功序列は終わりやな。

友人B:今後の未来で言うと、自治体の各部署がDAOになればいいんや。
権限の移譲がむずかしいかもだけど。

Usagin:トークンの移転ってやつですか。

友人A:自治体とか政府は嫌がるでしょ。

友人B:権限は各個人に切り分けて、各プロジェクト毎にDAO化する。プロジェクト終わったら解散。
これでいけるな。

Usagin:確かに、プロジェクト毎のDAOなら、権限の移譲の問題はありませんね。
ゲーム開発もDAO化しますね。

友人B:インディ系はそうなってるかもね。

Usagin:同人ゲームは既にそうですね。

友人B:そうね。

友人A:より弱肉強食の世界になるわけや。認識合ってる?

Usagin:資本家が搾取する時代への対抗になり得るんじゃないですか?

友人A:どうやろなぁ。

友人B:現状すでに弱肉強食の世界やで。むしろ和らぐ気がするが。

友人A:スタートアップで投票権稼げたやつが強い、そいつらの都合のいいように方針が決まる構図は変わらん気がするけどどうや?

Usagin:現状それはありますね。

友人B:別のDAOを作ればいいだけや。一つのDAOだけに所属する必要はない。
複数やってもいいわけで。

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友人A:複数やったら権力は弱いままやで。どのDAOでも変わらんよな?

Usagin:思うにですね、民主化が上手く行っているDAOが生き残るんじゃないですか?
DAO同士の競争は過熱するでしょう。

友人B:権力が一局集中するようなDAOは淘汰される。

Usagin:ですよね。

友人A:あー、皆公平を求めてDAOに入るからね。自動的に弱体化するのね。

Usagin:そういうことですね、メンバーが他所に移ってしまいます。

友人B:より民主的になるよ。

友人A:なるほどねえ、ええもんやな。

Usagin:メンバーとしての、労働環境は改善しそうですね。
経営側と労働側の対立もなくなりますしね。

5.DAOとコミュニティ(身内話)

友人A:ほんじゃ、簡単にDAO作れるプラットフォーム作ってや。

Usagin:いずれ、社会的に用意されますよ。
そういうのを提供する輩がわんさか出てきます。

友人B:同人活動したらそれはDAOだよ。

Usagin:そうそう、同人活動は既にDAO。

友人B:まぁ同じ志を持つ人を探すとこからやな。
もっと言うと自分が何したいか。

Usagin:ゲームがしたいと。

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友人B:ここでのゲームのプレイがまさにDAO。

友人A:何いってんだ?ここはUsagin王の世界やぞ、Usagin様の所有物や!!

Usagin:そうそう、このチャンネルは民主化なんてされていませんよ。
DAOなんて夢のまた夢。

友人B:Usaginと戯れるために自律して活動してるやろ。

Usagin:モノは言い様ですね。

友人B:うさぎんヘイトポイント稼いでるやろ。
ヘイトを一番稼いだやつがBANされる仕組みや。

(※身内システム。MMORPGのヘイトシステムになぞらえて、コミュニティ運営者である私のヘイトを稼ぐとその人は漏れなくコミュニティを追放処分となる。)

Usagin:ちょっと待ってくださいよ、ヘイトポイント=トークンとか言い出すんじゃないですか?

友人B:へ?違うん?

友人A:センスある。

Usagin:これは酷い、イジメですよ。

友人B:皆BANされるために煽ってると。

Usagin:ウチのトークンは換金できませんよ。

友人B:無価値なトークン。

Usagin:夢があっていいじゃないですか。世の中信用で成り立ってるんですよ。

6.サラリーマンが死語になる

友人A:トークンじゃなくて金にしたらええやん。

Usagin:いや、DAOですから。

友人A:自動評価が肝やろ?
今後出来るDAOはトークンしか扱えないの?

Usagin:いや、多分さらに発展するんじゃないですか?トークン以外でも問題ないかと。
でも、お金で済ませようなんて、退化ですよ、時代への逆行です。

友人A:トークンに価値があるのって金になるからやん!わざわざトークン通すメリットって何?

Usagin:働き方改革。意思決定の民主化。透明性のある政治。
トークンとお金は分離できると。

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友人A:全然分かりません。おちえて。

友人B:ガバナンストークンってDAOに対する議決権やから、DAOの方向性を決めることができる。

Usagin:さらに、トークンの性質によりますが、改ざん不可能性と透明性があるなら文句なしですよね。

友人B:トークンをお金で買えたり売ったりできるDAOは株式会社と変わらん。

Usagin:51%問題が出てきますしね。

友人B:せや。

友人A:えじゃあ誰も働かないじゃん!動機が趣味とかじゃないと、難しい?

Usagin:Aさん、議決権の行使によって、収益の分配を決めるんですよ。
議決権を換金できる必要はないでしょう。

友人A:あ、なるほど。失礼しました!

友人B:ふと思ったが、トークンの割合で議決する仕組みをやめればいいんやな。

Usagin:そうですね、多数決である必要はありません。
でも、これは民主化の否定につながりますかね。

友人B:ゲームのスキルポイントのようにして、稼いだトークンを各権利に振り分けると。

Usagin:いや、Bさん、それはまずいですよ、システムの構築が難しくなりませんか?
議決はシンプルな方がいいですね。
トークンの配布のシステムを改善するのが良いかと。
トークンの機能を複雑にするのは問題になりそうです。
まず、メンバーの理解が得られにくくなりますよ。

友人B:時限付きトークンにするとか。

Usagin:有効期限は良いですね。
そして、条件に応じて発行されるわけですね。

友人B:組織は活性化されそう。
大量トークン保有してても時限式しておけば老害化が防げそう。

Usagin:最初のシステム構築が肝ってことですね。
あと、システムの更新も視野に入れた方がいいですね。
DAOが長期化するなら。

友人B:おそらく、それは別のDAOにしたほうがよい。
更新が必要なら、もう御役目は終わってる。

Usagin:まあ、そうですね。でも日々の糧を得るために働く場合とかだと、人は安定を求めますけどね。
でも、DAOはそれ自体時限式にして、流動的にした方が良いというのは賛成です。
そういうDAOで溢れた環境なら、人材に関する色々な問題が解決しそうですね。

友人B:複数のDAOに所属することで安定は得られる。

Usagin:年功序列と終身雇用は完全に崩れますけどね。

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友人B:もうないやろ。皆個人事業主化やな。

Usagin:法整備も合わせてやらないと、ですね。
DAOを前提とした法律の整備は必要でしょう。

友人B:たぶん、法整備は後手後手になるよね。

Usagin:そして、DAOが当たり前の世の中になったら、よりマクロなものまで民主化が進んで行くわけですね。

友人B:サラリーマンが死語になるか。

Usagin:国民一人一人がDAOを常識として受け入れたら、政治も変わりますよ。

7.冒険者ギルドの設立

友人B:これ雇用契約とか請負契約できるスマートコントラクト作ったら金持ちになるかね?

Usagin:レッドオーシャンですよ。

友人B:まぁそうか。
ファンタジー世界でいうギルドをつくれたらなーと。
フリーランス系の。サイトでもありそうだけど。
失敗しても問題にならん仕組みがあれば強いかな。

Usagin:つまり、フリーランスの支援をするDAOですか。
メンバーはフリーランスとして活動するわけですね。

友人B:せやね。

Usagin:つまり、ギルドというよりは、冒険者ギルド。

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友人B:そそ。グループでやってもいいしソロでもいいし、報酬は一緒。

Usagin:やるなら早い方が良いですけど。やります?

友人B:乗ってきた(笑
結局失敗しても問題ない仕組みというのがないと、上手くいかないかなーと。

Usagin:活動の保証ですかね。

友人B:それ。

Usagin:それは、保険を掛けるしかないでしょう。

友人B:クライアントへの信用問題とか、もうチョット練る必要があるかな。

Usagin:その辺は規約を、スマートコントラクトと合わせて練りこむしかないですかね。
最終的には、そのシステムがDAOの評価につながるわけですから。

友人B:クラウドファンディングっぽく作れば行けるかな?

Usagin:保険ですか?それともギルドそのもの?

友人B:ギルドの仕事の受け方。

Usagin:なるほど、クエストの受注票ですか。
たしか、その辺の仕事の請負の仲介サービスで競争入札みたいにしてるのがありましたね。
以前、私がゲーム作ろうとした時に、サイトで仕事を発注したじゃないですか。
そこのシステムとか参考にはなるでしょうね。

(※以前、そういうことがあったのである)

友人B:1クライアントにつき、1~多人数の冒険者。
フリーランス系サイトだとありそうな気がしてきた。

Usagin:ありますよ。
それを、他より先駆けて、DAOにすれば、多分お金になりますよ。
ただ、日本の法律との兼ね合いはありますけど。

友人B:そうね。

Usagin:やるなら、それこそクラウドファンディングとか使って資金と人を集めるのがいいでしょうね。
ま、Bさんのことなので、やらないに一票ですが。

友人B:はい。この類の話は誰でも考えつきそう。

Usagin:だから、最初にやるのが肝心なのですよ。

友人B:もう興味を失ってきている自分がいます。

Usagin:まあ、私としては話がおもしろければOKですよ。

友人B:システム屋なんで、考えるのが楽しくて実現するのは興味がない。

Usagin:システム屋じゃないですけど、考えるのが楽しくて仕方がないですよ。

8.あとがき

このようにDAOについて見てきましたが、今後DAOの在り方は社会に浸透していくことが予測されます。
日本では導入が遅れるかもしれませんが、欧米など先進国を中心にその流れは進んでいくのでしょう。
その結果、政治や社会、企業、労働環境、コミュニティ活動など、あらゆる組織に関係して影響は波及していくことが推測されます。

昨今、日本を始めとして、資本主義経済の負の側面が目立っていますが、DAOは組織と社会の民主化を推し進めることでその負の側面を解決する可能性を秘めています。
今後、世界がどう移り変わっていくのか、その可能性の行く末から目が離せませんね。

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